「エリカ様」、涙を流して謝罪(テレビ朝日「スーパーモーニング」より)

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   主演映画「クローズド・ノート」初日舞台挨拶で、仏頂面で3言しか話さなかったなどの傲慢な態度が批判を浴びている「エリカ様」こと女優の沢尻エリカさん(21)が、騒動後初めてメディアの取材に応じ、涙ながらに謝罪した。その中で、騒動の「原因はある」としながらも、その具体的な内容については明らかにしなかった。インタビュー中は謝罪の言葉を繰り返しつつも、インタビュアーが沢尻さんに同情的だったからか、公式ウェブサイトにすでに公表されている謝罪文以上の内容が説明されることはなかった。

「原因はもちろんあるんですよ」

   沢尻さんのインタビューは、テレビ朝日系の情報番組「スーパーモーニング」で、2007年10月4日の朝8時半から約30分にわたって放送された。実はこのインタビュー、07年9月29日に行われた、問題の舞台挨拶の直後に予定されていたが、体調不良を理由に直前にキャンセルされていた。10月1日の放送で赤江珠緒キャスターが「お待ちしてますよ!貸し1つということで」と呼びかけたところ、沢尻さんサイドが「借りを返す」形でインタビューが実現。放送前日の10月3日14時半頃から、テレビ朝日社内で収録が行われた。

   黒いスーツに身を包んだ沢尻さんは冒頭、自らの女優観を披露。「この5年間で、沢尻さんの評価が大きく評価が高まったのでは」との赤江キャスターの問いに対しては、

「今評価されている部分で、私はうれしいとも思わないんですよ。たとえば芝居の内容だったりとかで評価されるのは、まだ芝居ができるわけでもないのに、それは本質の部分ではない」

と、「まだ自分は未熟」との殊勝な受け答えをした。

   また、舞台挨拶での態度について「自分のパフォーマンスに不満があったのか」と問われると、

「うーん、『原因』はもちろんあるんですよ」

としながらも、その「原因」の内容については

「でもそこは重要ではないと思って、本当に。重要ではなくって、その私情って部分を、ファンの前で、カメラがいたりする前で、私がそれを出してしまったこと、そのことが女優としても表現者としても表に出る人間としてそれは本当にあってはならないことっていうか、今回、私がすごく感じたことなんですけど…」

と話した。沢尻さんはインタビュー中、繰り返して「プロの女優であるにもかかわらず、公の場で私情を表してしまったこと」に対する謝罪の言葉を口にしたが、その「原因」については、半ばはぐらかして説明を避けた形だ。

   また、「映画に特に気に入らない部分があったのでは」という問いには、

「もちろんないですよ、それは」

と、完全否定した。

赤江キャスターは完全にもらい泣き

   謝罪文で「責任を取る」と表明し、責任の取り方として「長期休養説」「引退説」がささやかれていることについては、赤江キャスターが

「沢尻さんのファンへの責任の取り方っていうのは、やっぱり演技で、パフォーマンスで返していくってことなのかな?」

と、半ば答えを誘導する形で質問。それに対して沢尻さんは

「そうしたいですよね。もちろん。この場を借りてっていうのも変なんですけど、それはお詫びしたい気持ちがありますね。すみませんでした」

と、政治家にありがちな「職責を果たすことで責任を取りたい」という答弁に近い答えで、憶測を一蹴してみせた。

   インタビュアーの赤江キャスターが番組内で明らかにしたところによると、沢尻さんは1時間ほど、自分は自然が好きだということや、自身の恋愛観、働く女性に対する思いなどを話し、赤江キャスターは「(取材に)出てきてくれただけで十分だと思った。沢尻さんの仕事に対する真摯な部分は出た」として、インタビューを終了しようとしたという。ところが、事務所側の関係者から

「ファンの側にもっと伝わるようにコメントを」

との声が挙がり、休憩を挟んでインタビューは続行。明らかに沢尻さんに感情移入している赤江キャスターの様子が、このあたりから変わってくる。

   赤江キャスターが

「悩んだときは沢尻エリカは困難な方をとる?」

と聞くと、沢尻さんは

「行きますね!」

と答え、それに対して赤江キャスターは、涙声にも聞こえる声で

「男前だ、本当に」

と応じ、その直後に沢尻さんも涙を流したのだ。

   赤江キャスターは、最後の質問として

「ファンの方とか関係者の方に、今一番伝えたいことがあれば、言っていただけますか?」

と聞くと、沢尻さんは沈黙。赤江キャスターは、間を持たせるために、時々

「本当に思っていることでいいんですよ、それがあれば」
「今はまだ難しいかな?」
「ないんならないでもいいんですよ、うん」

といった声をかけたが、沈黙は10分以上続いたという。その上で、赤江キャスターが

「応援していきますからね。今日のお話の中で、俳優業っていう仕事に対するいつも真摯な思いみたいなものをね、生半可な気持ちでやってるんじゃないんだな、っていうのを十分分かりましたし」

と声をかけると、沢尻さんは、絞り出すような声で、涙を流しながら改めて謝罪の言葉を口にした。

「あの日の、自分のあの行動ですべてを本当にぶち壊してしまったって感じ。スタッフの方とか、ほんとに迷惑をかけているし…。それは本当に自分が未熟だって故のこと。今回感じたことは、常に(表に)出る側の人間としていろんな期待があったりだとか、それに応えていかないといけない立場なんですけど、それを裏切ってしまった形であるのは、本当に申し訳ないなって思っているんですけど…」

   これを受けて、赤江キャスターは完全にもらい泣き。

「今日は本当に来てくれてありがとうね、うん。俳優さんとしても女優さんとしてもそうだけど、ひとりの女性、人間、沢尻エリカさん。もっともっと大きくなっていくんじゃないかなー、って思うし」

とエールを送り、握手してインタビューは締めくくられた。

   赤江キャスターのスタジオでのコメントによると、沢尻さんの不機嫌の「原因は1つだけじゃない」とのことで、「(本当は存在し)ないですけど沢尻会に入りたい」そうだ。