佐藤琢磨(スーパーアグリF1)

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 28日から30日まで、静岡・富士スピードウェイにて開催された「2007 FIA F1世界選手権フジテレビジョン 日本グランプリレース」。1977年の第2回開催から30年振りに舞台を富士へと移し、全11チーム22人のドライバーが出走。全17戦中15戦目にあたる日本グランプリでは、マクラーレン・メルセデスとフェラーリの2強によるドライバーズ・ランキングの行方とともに、トヨタ、ホンダ、スーパーアグリF1のジャパン・パワーと、佐藤琢磨(スーパーアグリF1)と山本左近(スパイカー)の日本人ドライバーの活躍に注目が集まった。

 前日に行われた公式予選の結果、ポール・ポジションを獲得したのはルイス・ハミルトン。フェルナンド・アロンソがその後に続き、マクラーレン勢がフロント・ローを独占した。以下3位にキミ・ライコネン、4位にフェリッペ・マッサとフェラーリ勢が追い掛け、ドライバーズ・ランキングと同じ並びでのスターティング・グリッドとなった。

 13時半、予選と同じく雨の降るウエットコンディションの中、セーフティーカー先導により67周の決勝レースがスタート。追い越し禁止状態で低速走行の周回が重ねられていく中、フェラーリの2台がいち早く動き、給油のためピットに入り最後方へ。レース序盤の19周を終えた所でようやくセーフティーカーが先頭を外れ、各車一斉に水しぶきを上げながら全開走行に突入した。

 レースも終盤に差し掛かり、アロンソの前で5位を走行していたライコネンが40周を終えた所でピットイン。このレースだけでなく、シリーズのドライバーズ・ポイント争いからも脱落したかと思われた矢先の42周目、なんとアロンソが単独のスピンによりクラッシュ。コース上でマシンを止めたことにより、再びセーフティーカーが投入される。しかし波乱はまだ収まらず、セーフティーカー走行中に2位のマーク・ウェバー(レッドブル)と3位のセバスチャン・ベッテル(トロ・ロッソ)が接触。2台ともがここでレースを終え、ライコネンがポイント圏内に再浮上した。

 48周を終えた所でセーフティーカーが先頭を外れ、全開走行のレースが再開。ライコネンは57周目にデビッド・クルサード(レッドブル)を交わして4位に浮上すると、58周を終えて前を行くマッサが給油のためにピットイン。3位に浮上したライコネンは、最後まで前を行くヘイキ・コバライネン(ルノー)を猛追したが届かず。15時半、新生・富士の初代チャンピオンに、ポール・トゥ・ウィンでルイス・ハミルトンがその名を刻み、同時に今シーズンのドライバーズ・タイトルをほぼ手中に収めた。

 スタートから2時間、波乱に満ちた雨の富士は22台中15台が完走。日本人ドライバーは山本左近が12位、佐藤琢磨が15位となり、ジャパン・パワーではルーベンス・バリチェロ(ホンダ)の10位が最高位となった。次戦中国GPの決勝レースは、10月7日に開催される。

■決勝レース結果
01. ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
02. ヘイキ・コバライネン(ルノー)
03. キミ・ライコネン(フェラーリ)
04. デビッド・クルサード(レッドブル)
05. ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)
06. フェリッペ・マッサ(フェラーリ)
07. ロバート・クビサ(BMWザウバー)
08. ビタントニオ・リウッツィ(トロ・ロッソ)
09. エイドリアン・スーティル(スパイカー)
10. ルーベンス・バリチェロ(ホンダ)
11. ジェンソン・バトン(ホンダ)
12. 山本 左近(スパイカー)
13. ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)
14. ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)
15. 佐藤 琢磨(スーパーアグリF1)
R. ラルフ・シューマッハ(トヨタ)
R. アンソニー・デビッドソン(スーパーアグリF1)