解任の危機に立たされているトッテナムのマルティン・ヨル監督は、クラブ首脳陣に対し「監督交替はクラブのためにならない」と語り、自らの続投を訴えた。

 今シーズンでトッテナムの監督就任4年目を迎えるヨル監督。2シーズン連続でリーグ戦を5位で終えるなど、プレミア4強の牙城を崩す最右翼として今シーズンのトッテナムは大きな期待を集めていた。しかし、大型補強を敢行して臨んだシーズンで、いきなりの開幕2連敗。すでに解任は確実とも言われているヨル監督だが、クラブ首脳陣に対し冷静な判断を求めた。

「監督を変えることが、クラブにどのような影響を及ぼすか。それはファンが一番良く分かってくれている。私を解任すれば、数年分の進歩が水の泡になることもね。クラブ側には現実的になってもらいたい。解任の噂の渦中にいるのは楽しいものではない。しかし、私にはどうしようもないからね。ただ、私に言わせれば、継続こそ重要なのだ。我々は2年連続でシーズンを5位で終えた。それ以上の結果を残せる監督がいるだろうか? 勝点も稼いできたし、ヨーロッパの舞台でも結果を残している。ヨーロッパの大会に出場するなど、このクラブにとって過去25年ほどは考えられなかったことだろう? ファンは私の仕事を評価してくれていると信じているよ」

 後任候補の名前が連日メディアを賑わせる状況に、自らの正当性を訴えたヨル監督。しかし、チャンピオンズ・リーグの出場権獲得を至上命題に掲げ、十分なタレントを指揮官に与えたトッテナム首脳陣にとって、1勝4敗2分で18位に沈む現状は到底受け入れられるものではないだろう。一刻も早くシーズン2勝目を手に入れたいヨル監督は、背水の覚悟で月曜日のアストン・ビラ戦を迎えることになる。