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【よこ顔】無声映画は静かなブーム。新進気鋭の活動写真弁士=片岡一郎さん(中)

【よこ顔】無声映画は静かなブーム。新進気鋭の活動写真弁士=片岡一郎さん(中)
片岡一郎さんは日本大学芸術学部演劇学科卒。プロの活動写真弁士として、一筋に生きる。彼の魅力が静かなブームを起こす。東京・池袋の新文芸座で、(撮影:穂高健一、16日)
【PJ 2007年09月28日】− (上)からのつづき。片岡一郎さんは大学卒業後も、プロの活動写真弁士として、今日まで一筋にやってきた。現在は都内を中心に週一本のペースで出演している。活躍場所は映画館のほかに、自治体の「映画イベント」とか、マツダ映画社主催の無声映画鑑賞会などだ。

 これまで6年間の、主だった実績を聞いてみた。「阪妻映画祭」(02年)、「鉄道映画祭」(03)、「日本映画検証05 名匠小津安二郎」(04)、「斉藤寅次郎生誕100年映画祭」(05)などの映画祭に出演している。

 今年は海外公演として、クロアチアで開催された「モトヴン映画祭」に出演した。片岡さんの活動範囲は着実に拡大している。

 無声映画の最盛期はいまからさかのぼること約100年前から70年前だ。この間、約30余年間が活動写真弁士の活躍した時代で、全国に8000人ほどいたという。

 いまは首都圏を中心に12ー13人ほどいる。大学の演劇学科出身の片岡さんのほかに、元アナウンサー、役者、声優出身者たち、多彩な経歴の陣容だ。弁士の魅力とは何か、と片岡さんにはあえて聞いてみた。

 「スクリーンでみる明治の映像と、平成の現況とはあらゆるものが大きく違います。弁士は、その違いをどう語り、どう表現するか。つまり、観客にはいかに当時を理解してもらうか、それが重要です。弁士は自分の感性で、時代と時代のギャップを一つひとつ埋めていきます。つまり、時代のすき間を語れるわけです。それが魅力のひとつです」と話す。

「100年前でも、70年前でも、人間の心理や恋心は現在とまず変わりないものです。映画スクリーンに映し出される人物がまさに昨日、今日の人間の姿に思えたりします。事件や出来事すら、ほんの最近のことだと思ったりします」と語る。

 無声映画の観客の動向についても、片岡さんに聞いてみた。「古い映画しか観ない、そういうお客が思いのほか多いんです」。無声映画は映画史の原点であり、当時の撮影技術は世界最高水準。無声映画ファンは芸術的な映像の鑑賞にくるのだと教えてくれた。「こうした熱心なファンの存在がありがたいです」と語る。

 さらには客層をも聞いてみた。「男性が圧倒的に多く、年齢層は5、60代以上が中心です」。若い人は皆無ではないらしい。「全体の構成比からみたら1割以下ですが、若い世代は、男女を問わず映画史に興味がある人たちです」と教えてくれた。

 世界最高水準の映像技術とはいかなるものか、と聞いてみた。無声映画はまったく音が出ない。観客には映像のみで、ストーリー、個々の出来事、テーマなどを伝えていく必要がある。

 「それは大変苦心して作られています。木々のざわめきの音をどう伝えるか。電話が鳴る場面で、音なしの映像で、それをどう伝えるか。一つひとつの映像にはきめ細かな高度な工夫がなされています。映像技術には実に興味深いものがあります」と話す。

 トーキー映画時代になると、映像の努力工夫の良さが薄らいでいった。いまとなれば、無声映画の優れた撮影技術は、トーキー映画では及ばない面が多々あるようだ。【つづく】

■関連情報
片岡一郎さん
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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