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『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠』の真相について 経済アナリストの菊池英博氏に聞く(1)
2007年09月27日02時15分 / 提供:PJ
【PJ 2007年09月27日】−
広がる格差、豊かさを実感できない「景気回復」。期待を寄せていた構造改革が国民のためには「すべて改悪である」と聞かされたら、あなたはどう思うか。
6月中旬に刊行された『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠・このままでは日本の経済システムが崩壊する−−ゆうちょ銀行、かんぽ生命が引き金を引く−−』(ダイヤモンド社)は、小泉・竹中改革の本質を明快に分析している。著者の菊池英博氏に、景気の真相や構造改革の今後の国民生活への影響などを聞いた。
−新著を発表された動機は。
「小泉前首相や竹中氏の政策を引き継ぐ安倍内閣では、真の景気回復は望めないどころか、このままでは日本経済そのものが破壊されることが確実になっているからだ。『構造改革』は『ビジョンなき破壊活動』である。わたしは『構造改革』は経済学的にも歴史的教訓から見ても間違った政策であり、『構造改革』を実行すれば、間違いなく財政面では財政赤字が拡大し、金融面では金融システムが不安定化すると予言していた。経済政策は本来、客観的データや歴史的教訓などを踏まえて決定されなければならない。こうした点を無視した政策では、うまくいくわけがなく、結果としてデフレが一段と深刻化し、そのツケが増税であり、金融システムの不安定化である。この矛盾を明示したかった」
−現在は「いざなぎ景気」以来の好況と発表されているが。
「多くの国民は好景気という実感が持てないのではないか。それもそのはず、実質GDPは名目GDPからGDPデフレーターを引いた値にほぼ一致する。だから、デフレ下ではマイナスとマイナスでプラスになる。具体的に見ると、2000年度の名目GDPは503兆円で、2006年度は506兆円であり、6年間でわずか3兆円の増加(0.6%の増加)に過ぎない。ところがこの間、GDPデフレーターは累計でマイナス7.9%であるから、実質GDP成長率(名目成長率マイナスGDPデフレーター)はプラス8.5%となり、年平均でプラス1.4%となるのだ。そこで経済が成長していると政府は言っている。これは統計上の詐術である。2000年度に298兆円あった家計の可処分所得が2005年度、283兆円になり、15兆円も減っていることがこれを裏付ける。家計の貯蓄額はこの間23兆円から6兆円まで17兆円減っている。つまり国民は、貯金を取り崩して必死に生活しているのである。景気が拡大しているというなら、なぜ減税をしないのか。増税路線ではないか」
−具体的には、政策のどのような点が間違っていたのか。
「まず、財政政策では、デフレが進んでいるときに緊縮財政を組み公共投資を削減すればデフレは深刻化・長期化するし、財政赤字が拡大して政府債務は増加する。これは当然のことであり、1930年代の米国と1930〜31年の昭和恐慌の教訓で明白な事実だ。それを無視してやったのが小泉・竹中構造改革であり、今でも継続している」
「2番目には金融システム安定化策、つまり不良債権の加速処理だ。『不良債権があるから、その分だけ資金が固定化され、成長産業に金を回せない』というのが竹中平蔵氏の見解だった。しかし、小泉政権ができる前の2000年に不良債権比率は5%まで低下し、解決していた。不良債権を作ったのは、小泉内閣のデフレ緊縮政策である。竹中氏が出てきて、不良債権を自ら増やしておいて、『不良債権を回収しましょう』と資産査定を厳格にし、不良債権を激増させた。その小泉内閣が不良債権処理を加速しようというのは、まさにマッチポンプではないか」
【つづく】
■関連情報
【書評】『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠・このままでは日本の経済システムが崩壊する−−ゆうちょ銀行、かんぽ生命が引き金を引く−−』(菊池英博著、ダイヤモンド社 2007.6)
ライブドアブックス同書
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 高橋 清隆【 神奈川県 】
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6月中旬に刊行された『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠・このままでは日本の経済システムが崩壊する−−ゆうちょ銀行、かんぽ生命が引き金を引く−−』(ダイヤモンド社)は、小泉・竹中改革の本質を明快に分析している。著者の菊池英博氏に、景気の真相や構造改革の今後の国民生活への影響などを聞いた。
−新著を発表された動機は。
「小泉前首相や竹中氏の政策を引き継ぐ安倍内閣では、真の景気回復は望めないどころか、このままでは日本経済そのものが破壊されることが確実になっているからだ。『構造改革』は『ビジョンなき破壊活動』である。わたしは『構造改革』は経済学的にも歴史的教訓から見ても間違った政策であり、『構造改革』を実行すれば、間違いなく財政面では財政赤字が拡大し、金融面では金融システムが不安定化すると予言していた。経済政策は本来、客観的データや歴史的教訓などを踏まえて決定されなければならない。こうした点を無視した政策では、うまくいくわけがなく、結果としてデフレが一段と深刻化し、そのツケが増税であり、金融システムの不安定化である。この矛盾を明示したかった」
−現在は「いざなぎ景気」以来の好況と発表されているが。
「多くの国民は好景気という実感が持てないのではないか。それもそのはず、実質GDPは名目GDPからGDPデフレーターを引いた値にほぼ一致する。だから、デフレ下ではマイナスとマイナスでプラスになる。具体的に見ると、2000年度の名目GDPは503兆円で、2006年度は506兆円であり、6年間でわずか3兆円の増加(0.6%の増加)に過ぎない。ところがこの間、GDPデフレーターは累計でマイナス7.9%であるから、実質GDP成長率(名目成長率マイナスGDPデフレーター)はプラス8.5%となり、年平均でプラス1.4%となるのだ。そこで経済が成長していると政府は言っている。これは統計上の詐術である。2000年度に298兆円あった家計の可処分所得が2005年度、283兆円になり、15兆円も減っていることがこれを裏付ける。家計の貯蓄額はこの間23兆円から6兆円まで17兆円減っている。つまり国民は、貯金を取り崩して必死に生活しているのである。景気が拡大しているというなら、なぜ減税をしないのか。増税路線ではないか」
−具体的には、政策のどのような点が間違っていたのか。
「まず、財政政策では、デフレが進んでいるときに緊縮財政を組み公共投資を削減すればデフレは深刻化・長期化するし、財政赤字が拡大して政府債務は増加する。これは当然のことであり、1930年代の米国と1930〜31年の昭和恐慌の教訓で明白な事実だ。それを無視してやったのが小泉・竹中構造改革であり、今でも継続している」
「2番目には金融システム安定化策、つまり不良債権の加速処理だ。『不良債権があるから、その分だけ資金が固定化され、成長産業に金を回せない』というのが竹中平蔵氏の見解だった。しかし、小泉政権ができる前の2000年に不良債権比率は5%まで低下し、解決していた。不良債権を作ったのは、小泉内閣のデフレ緊縮政策である。竹中氏が出てきて、不良債権を自ら増やしておいて、『不良債権を回収しましょう』と資産査定を厳格にし、不良債権を激増させた。その小泉内閣が不良債権処理を加速しようというのは、まさにマッチポンプではないか」
【つづく】
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