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幼児の無断写真。母親の抗議は現代病なのか?=朝日新聞の投書より(上)

【PJ 2007年09月22日】− 朝日新聞の21日の朝刊、読者コーナー『声』に、「見知らぬ男が勝手に娘写す」という横浜市在住の母親(33)の投書があった。母親は警察まで通報しているのだ。PJとしてもイベント、地域行事、事件・事故の現場で撮影する機会が多い。無関心ではいられない投書だ。

 母親は15日の夜、3人の子どもを連れ、東京・世田谷の秋祭りに出かけたと書き出す。『私は親類らと話をしており、3歳の娘から目を離した。浴衣姿の娘は1分ほどで戻ってきたが、「ひげもじゃの人が写真を撮ってくれたよ」。そして、「下を向いて顔をあげなかった」という』(原文ママ)。写真を撮ってくれたよ、という文面から判断すれば、娘は恐怖心からの撮影拒絶ではない。ふだん着る機会が少ない、浴衣姿が恥ずかしくて下を向いたと思われる。

 秋祭りはコミュニティー(共同体)の行事だから、プロ、アマを問わずカメラを持ち込む人は多い。シャッターを切る光景は四方八方にある。全部が全部、許可を取った撮影とは思えない。他方で、それが犯罪に結びとも考えにくい。

 この母親は娘の写真を勝手に撮るとは許せないと、『地元警察に電話をした。「撮影だけでは犯罪にならない」という。その男の風体すら聞いてくれなかった。「人を見た目で判断しては行けない」からだそうだ』(原文ママ)。この内容からは、応対した警察官の顔が見えてくる。「ひげもじゃの人が写真を撮った」となると、プロカメラマンかジャーナリストの可能性がある。「人を見た目で判断してはいけない」という警察官の話には説得力がある。

 投書のなかで、3歳の娘が母親から離れたのが、1分間(60秒)だったという。連写でもしない限り、1枚か2枚だろう。それだけで警察署に通報されたならば、「そんなに警察は暇じゃないよ。秋祭りの警備で忙しいんだ」と地域課の警察官はきっと腹立たしかっただろう。

 母親は、『民事不介入だから仕方ないとはいえ、納得できない。05年から子どもを狙った性犯罪者が出所すれば、地元警察が監視する制度が始まったはずだ。対象者かどうか確認するのは最低限の勤めではないか』(原文ママ)。こうなると、もはや正気の沙汰ではない。

 複数の警察が、秋祭りの場で3歳児を1、2枚撮影したひげもじゃの人物を捜す、職務質問する、撮影した写真を証拠とし、過去に性犯罪があったか否かまで取り調べる。この母親は、それが警察官の最低限の努めだという。これらの出動が義務だといわれたならば、東京都の警察官は何百万人も必要だろう。国民の税負担は膨大になる。

 『逃げることを知らない子どもが守られず、非常識な撮影者が制限されないとはおかしな話だ。私の悶々(もんもん)とした気持ちは消えない』(原文ママ)と結ぶ。1千万人以上いる東京の治安は、TV局が大げさに騒ぎ立てるほど悪くない。それ以前に、秋祭りには大勢の目がある。カメラを持った人物が3歳児に危害を加える可能性はゼロだろう。

 喧騒としたなかで、子どもから目を離していた自分の愚かさを棚に上げ、「逃げることを知らない子どもが守られず」という発想の異常さにはむしろ驚かされる。(つづく)

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【 東京都 】
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