チェルシーを電撃退団したジョゼ・モウリーニョについて、プレミアリーグでしのぎを削ったライバル監督たちがコメントを発表。マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督と、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、揃ってモウリーニョの退団はプレミアリーグにとっての「大きな損失だ」と語っている。

 日曜日にチェルシーとの対戦を控えているマンUのファーガソン監督は、過激な言動で批判を浴びることも少なくなかったモウリーニョを高く評価していた監督の一人。「後を引き継ぐ者にとっては大きな試練となるだろう」と語り、プレミアリーグのタイトルを争った盟友に別れの言葉を送った。

「ジョゼはプレミアリーグに新たな風を吹き込んだ。彼との対戦は楽しかったよ。彼は素晴らしい結果を残し続けた。後を引き継ぐ監督には、大きな試練になるだろうね。ただ、ジョゼがいないからと言って、日曜日の対戦に気を抜くことはできない。彼らがチェルシーであることに変わりはない。ピッチ上のメンバーに変化はないのだからね」

 一方、アーセナルのベンゲル監督も、モウリーニョの功績を最大限に評価。2005年にチェルシーのプレースタイルを「守備的すぎる」と批判したベンゲルについて、モウリーニョが「チェルシーの事ばかり語って、まるで“覗き魔”のようだ」と語ったことで、関係が悪化したことで有名な二人だが、ベンゲルはこのポルトガル人監督の仕事ぶりをリスペクトしていたと語っている。

「モウリーニョがチェルシーの監督に就任した際には、すでに十分な戦力が整っていた。しかし、勝者に必要な何かをチームにもたらしたのは、間違いなく彼だ。その功績は称賛に値する。タイトルを獲得するのは想像以上に難しいこと。しかも、イングランドでは他国の何倍も難しいことだ。私と彼がいい関係であったといえば嘘になるが、最近はかなりマシになっていた。それも、私が彼の能力について最大限の敬意を払っていたからだ。彼は知的な男で、知識も豊富だ。どの国へ行っても成功するだろう」

 別れを惜しむファーガソンやベンゲルと同様、モウリーニョの功績を称える声は後を絶たない。しかし、モウリーニョと犬猿の仲にあったリバプールのラファエル・ベニテス監督は、「彼との関係は周知の通りだ。語ることは何もない。今は週末に対戦するバーミンガムのスティーブ・ブルース監督のことで頭が一杯だ」とコメントするなど、敵も多かったモウリーニョらしい幕引きとなった。