オーナーを批判したモウリーニョ監督<br>【photo by B.O.S.】

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 チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、クラブのオーナーであるロマン・アブラモビッチとの争いを再燃させようとしている。このポルトガル人監督は、攻撃的なサッカーで勝利するよう求めるロシア人オーナーに対し、「必要な人材が不足している」と反論。特に、これまでアブラモビッチの強い意向で獲得した選手については、「スーパーマーケットで買わされた安い卵」と、厳しい見方を示している。

「イマジネーションに溢れたフットボールを展開することは、確かに重要なことだ。しかし、それは試合によるんだ。エンターテインメント性を重視しても、良い試合になる場合もあるし、そうじゃない場合だってある。オムレツという料理があるだろう? あれを作るには卵が必要だ。そして、オムレツの味は、卵の良し悪しで決まる。スーパーマーケットには、最高級の卵もあれば、それよりランクが落ちるものもある。最高級のものは値段が高いが、美味しいオムレツが作れる。しかし、最高級の卵を売る店に行けなければ、どうしようもないわけだ」

 選手を卵に例えたモウリーニョは、戦術にまで口を出すオーナーに釘を刺した。昨年の夏に、アブラモビッチが熱望して獲得したFWアンドリー・シェフチェンコも“安い卵”の1人に含まれるようだが、このウクライナ代表が今シーズン初出場を果たしたブラックバーン戦でのパフォーマンスについて聞かれたモウリーニョは、「あなた方が私に何を言わせたいかは承知している。試合を観た感想を、そのまま記事にすればいい」と、昨シーズンに引き続き厳しい評価を与えている。しかし、今シーズン開幕前には、オーナーの指令通り、「攻撃サッカー」をテーマに掲げていたモウリーニョ。“安い卵”と評価を下した選手たちをいかに料理して“美味しい”チームを作るかは、シェフの腕の見せ所といったところだろう。