マンチェスター・シティのスベン・ゴラン・エリクソン監督は、12日に行なわれたユーロ2008予選のチェコ戦を、「祖母が亡くなった」と偽って欠場したアイルランド代表のMFスティーブン・アイルランドを厳しく批判。チームへの合流を待って、アイルランドから詳しく事情を聞くと語った。

 8日のスロバキア戦に出場しゴールも記録したアイルランドは、試合直後に母方の祖母が亡くなったとアイルランド代表のスティーブ・ストーントン監督に報告。同国協会が手配したプライベートジェット機で、翌9日にスロバキアから帰国した。しかし、月曜日に発売された現地紙『アイリッシュ・プレス』で、アイルランドの祖母であるパトリシア・タロン氏が自らの生存を証言。するとアイルランドは、実は父方の祖母が亡くなっていたと協会に報告するが、すぐにこの証言も嘘であることが発覚。実際には、8日に流産した恋人の様子が心配だったと語り、一刻も早く帰国するために嘘をついたと認めた。

「スロバキア戦の直後、ストーントン監督に呼び出された。僕の恋人から電話があって、祖母が亡くなったと伝えてきたと言われた。でも、すぐに電話をかけ直すと、実は彼女が流産していたことを報告された。彼女はひどく取り乱していた。そして、とても不安だから、僕に帰ってきて欲しいと頼んだ。『祖母が亡くなったと話したほうが、すぐに帰れるはず』と彼女に言われて、ついその通りにしてしまったんだ。自分の間違いは認める。多くの人に迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ないと思っている。祖母や家族にも心から謝りたい。また、ストーントン監督をはじめ、アイルランド代表の関係者にも謝罪する。突然だったのに、スロバキアからの帰国を手配してくれて、本当に感謝している。最後に、マンチェスター・シティにも謝りたい。僕の嘘でクラブに恥をかかせてしまった」

 アイルランドが所属するマンCのエリクソン監督は、この珍事について半ば呆れながら「バカげている」と一喝。「何があっても、嘘をつくのは間違いだ。本当にバカげた行動だし、スティーブンには失望した」とアイルランドの言動を厳しく批判した。しかし、この19歳を高く評価するエリクソンは、「スティーブンとは直接話すつもりだ。嘘を言ったことで失望はしたが、怒鳴りつけるようなことはしないよ」と笑いながら語り、「一生彼を責める続けても仕方がない。彼は素晴らしい能力を持っているし、個人的にも好きな選手だ」とコメント。アイルランドに対し、特別な処分を下すつもりはないとしている。