リトアニアに勝利を収めたスペイン代表に暗雲<br>【photo by B.O.S.】

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 先日行われたユーロ2008予選、スペイン対ラドビア戦は、チャビとフェルナンド・トーレスのゴールで2-0でスペインが勝利を収めた。ライバルの一つ、北アイルランドがアイスランドに破れるという波乱もあり、スペインはスウェーデンに続きグループ2位の座をキープ。本大会に向けて大きく前進した感があるが、ルイス・アラゴネス代表監督が試合後の会見を拒否したのを端に発し、スペインメディアは同監督の解任もしくは辞任を大きく取り上げている。

 記者会見を拒否した上、マドリーに戻る際も代表メンバーらとは行動をともにせず、自動車で帰路についたアラゴネス監督。オビエドの空港で待ち構えていた報道陣はまたしても待ちぼうけを食わされることになった。アラゴネス監督は徹底的にメディアを避けているといった具合だ。オビエドのホテルでもスペインフットボール連盟の会長や幹部らと深夜遅くまで話し合いを行っていたという事実もあり、同監督に期するものがあるのではないかとも推察される。もっとも、連盟のスポークスマンは、アラゴネス監督が辞任を決意したのではという憶測を真っ向から否定しているが…。

 そして何より、ファンの間でアラゴネス監督の解任の声が日に日に高まっている。代表の酷いプレー、そして火曜日には代表では通常公開している練習も非公開にし、ファンの怒りを買うなど雰囲気は良くない。ラトビア戦では地元出身のビージャを後半開始直後にイニエスタと交代させファンからブーイングを受けるなど、アラゴネス監督の選手起用、交代にも不満をつのらせているのが現状だ。“マルカ”のウェブサイト版のアンケートでは、83%のファンがアラゴネス監督の解任を望んでいるという結果も出ている。

 ワールドカップ・ドイツ大会後も続投という形をとり、そこから約1年、アラゴネス監督の解任問題はここまで引っ張ってきたが、それもいよいよ限界に来たというところだろうか?ユーロ2008予選、あと3試合を残したところで解任するのか否か論は、タイミングとしては実に中途半端な時期ではあるが…、果たして?

(スペイン通信)