ユーロ2008本大会出場を賭け、グループリーグで熾烈な争いを繰り広げているイングランド代表。土曜日のイスラエル戦に3-0で勝利した結果、グループ3位に浮上。水曜日にはグループ2位のロシアとの対戦を控える。イングランドにとっては、勝点3以外では予選突破に黄信号が灯る状況に変わりはない。しかし、ロシアを率いるフース・ヒディンク監督は、イングランドとの対戦を前に、不敵な笑みを浮かべながら勝利宣言を行った。

「ロシアに突破の可能性がないなど考えたこともないね。グループのトップにいるのはクロアチアで、彼らは確実に勝点を積み重ねている。グループリーグは総当り戦であり、思った以上に複雑な戦いになる。もちろん、私はロシアとともに大会に行きたいし、イングランドにも本戦に進んでほしい。彼らは本番で結果を残すチームだからね。しかし、現実をみれば、経験豊かなクロアチアを無視することはできないね」

 さらに、このオランダ人監督は、イングランドの本拠地ウェンブリーでの対戦であっても、引き分け狙いで戦うつもりはないと断言した。

「私はつねに勝利を求めて試合に臨む。我がチームの攻撃的なスタイルにも満足しているよ。チームはまだ変革中だが、就任直後から攻撃的でアグレッシブなチームを作りあげると言ってきたし、すでにスタイルとしては定着できている。我々はウェンブリーで守備一辺倒の試合をするつもりはない。今回の試合は、両チームが得点を狙いあう、ハイテンポの試合になるだろう。ただ守っていたら、打ちのめされてしまうよ」

 イングランドとロシアの勝点差はわずか1の状況であり、水曜日の結果次第では、順位が入れ替わる可能性もある。しかし、イングランドにとっては敵地での対戦も残すなど、ヒディンク率いるロシアとの争いがグループ突破の鍵となる。勝点6を賭けたロシアとの戦いで、名将の術中にはまってしまえば、それはサッカーの母国の予選敗退を意味することになるだろう。