2日のアスレティック・ビルバオ戦では本来のデコのプレーを見ることができた。ピッチの上で積極的に動き、攻守におけるその存在感を見せてくれた。彼もまたバルセロナの復活のカギを握る一人であると言える。

 昨シーズンはコンディションも上がらず、そのパフォーマンスに批判が集中したデコ。そして、それがチームのプレーにも士気にも影響を及ぼしたことは否めない。それだけデコという存在が大きいという証しでもある。プレシーズンの試合ではスタメンから外れ、自分の居場所がないなら移籍も考えるとコメントしていたデコにはこの夏も移籍の噂が絶えなかった。リーガ開幕戦でもベンチスタートとなったデコ。チームも昨シーズンと変わらないプレーに早くも批判が集まった。しかし、これに発奮したデコはビルバオ戦でスタメン復帰を果たすと、本来のプレーを随所に見せ、ピッチ上での指揮官として中盤でチームを仕切り、その実力を見せることでメディアを黙らせている。

「僕の最大の希望は再びチャンピオンになること。それこそが戦い続ける僕を鼓舞してくれるんだ。昨シーズンはつらいシーズンだったし、レアル・マドリーに優勝をプレゼントすることになってしまった。それはかなりつらいことだよ。だから、その教訓を僕らは活かさないといけないんだ」。

 そう語るデコ。負けず嫌いの彼の今シーズンに懸ける意気込みは並々ならぬものがある。デコのパフォーマンスは良い意味でも悪い意味でもチームに影響を及ぼす。彼の復調とバルサの復調はリンクしていると言えるだろう。シーズンは始まったばかりであり、これからチームとしても改善していく点は多い。デコの実力は誰もが知るところ。バルサの美しいフットボールにはデコの力が必要であり、彼もまたバルサ復調のカギを握る選手の一人なのである。

(スペイン通信)