マジコンは合法で使える!違法利用しないための注意

ゲームソフトのバックアップ機器ということから、非常に違法性が高いものと思われがちだが、実はマジコン自体に違法性はない。なぜなら、著作権法では個人が私的に楽しむという利用目的に限り複製が認められているため、自分で購入したゲームを自分でバックアップして自分で遊ぶことは違法行為にはあたらないのだ。ただし、知人から借りたゲームのバックアップやバックアップを取ったうえでのオリジナルの売却や譲渡は"違法行為"となる。

しかし、インターネットが普及した現在では、バックアップデータの入手が非常に容易な状態になっており、また、そのダウンロードには現在のところ法的規制がない。こうしたインターネットでのデータ入手を前提としたバックアップ機能をもたないマジコンが現在の主流であることからも、マジコンの違法性は現在では非常に高まってきているといえるだろう。

だが、使い方さえ間違えなければ、マジコンはゲームにおける楽しみの幅や利便性を高めてくれる機器であることは間違いない。使い手のモラル次第というわけだ。

マジコンの歴史 ファミコン時代

マジコンをケームソフトのバックアップ機と定義付けるのであれば、その歴史は古く、ファミコン時代にまで遡ることになる。1980年代の熱狂的なファミコンブームの影で、いくつかのバックアップ機が登場していたのだ。しかし、当時は現在のように裏ツールの専門ショップや、ネット通販などが存在しなかったため、今以上に知る人ぞ知る機器であった。そのため販売単価も高かった。

ちなみに、代表的なバックアップ機「ファミリースーパーライター」の本体価格は¥65,000-。加えてフラッシュROMにより書き換え可能なブランクROMも1本あたり¥2,000〜3,000-という価格だ。当然、子供(大人も)が簡単に出せる額ではないため、中古ゲームショップなどが本体を購入し、書き換え料1,000円ほどでブランクROMの販売と合わせて商売にするといったダーティーな時代もあった。しかし、冷静に考えるとブランクROMに書き換え料を加えた価格は、新品に肉薄する。またブランクROMが書き換え可能で再利用できるといっても、消したゲームは手元に残らないため、よく考えると得感はあまりない。

その後、ファミリースーパーライターよりも大幅に安価になった「ファミリー・エース」が登場。本体価格¥9,900-、ブランクROM¥2,300-という価格で発売されるが、ブランクROM1本にゲームソフト1本を複製することを考えると、決してお得とは言いきれない。

ちなみにファミリー・エースのチラシコピーは
「TVゲームのソフトが、あっという間にダビングできるファミリー・エース」
「ハイ!一丁上がり!今日から友達のゲームソフトもボクのもの……」
という、今なら考えられないほどファンキーなコピーだった。というか、友達はなくすだろう。

余談だが、ファミコンにはROMカセットのバックアップ機以外に、「ディスクシステム」のバックアップ機やバックアップソフトも存在していた。バックアップ機は、やはり中古ショップなどの店舗用に販売され、客がディスクを持ち込むことによって任意のゲームに書き換えるというサービスを行なっていた。当然、このサービスは複製データの違法販売になるので"ドアウト"。また、書き換えだけではなくブランクディスク(当然、アンオフィシャル)の販売を行っているショップもあった。

これは任天堂公式の書き換えサービス「ディスクライター」とほぼ同じもの(バックアップ元のソースに違いはあるが)だが、新作ゲームがディスクライターで扱われるようになるまで時間がかかるのに対し、タイムラグなく新作を書き換えられたというメリットがあった。しかし、書き換え手数料はディスクライターと変わらず、また、マニュアルも付属しないので、あまり質の高いサービスとはいえなかった。
だが、当時ディスクライターは、百貨店や大型店舗などにしか設置されていないので、地方ではそれなりに需要のあるサービスであったと思われる。

ちなみに、私の出身地では中古ゲームショップ以外に、改造学生服屋などがこのサービスを行なっていた。とってもアウトローな感じがそぐわしいように思えるが、ボンタン(80年代の不良を象徴する変形学生服)を穿いた不良学生がファミコンゲームに熱中しているのだから非常に微笑ましくもあった時代ともいえる。

また、パーソナルユースのディスクシステムソフトのバックアップツールとして「DiskHacker」「ダビングボーイ」などがある。これらは、ディスクシステム1台でコピーするソフトウエアタイプ(DiskHacker、子育てゴッコ、Quick Hunterなど)と、2台を連結するタイプ(ダビングボーイなど)のものがあった。これらは、ブランクディスクがブランクROMに比べて圧倒的に安価であったため、ROMカートリッジのダビング比べると非常に安価にゲームを複製することができた。

さらに余談だが、ディスクシステムには上記以外にもPC-88やPC98といったパソコンに接続するタイプのバックアップツール「IラインPC・コダカラ君」や、ROMカートリッジのソフトをディスクシステムのディスクへバックアップするという「創世機ファミー」などといった変わりダネも多数存在した。というか、商品名がイカス!

家庭用ゲーム黎明期には、法規制が整備されていないことから、現在ならドアウトのマックロい機器が堂々と販売されていた。しかし、ゲーム市場が定着するに従い、法整備が進むとバックアップ機を製作する国内メーカーはなくなり、代わりに中国製のマジコンがそのポジションを担うことになる。

次回はファミコン以降から現在までのマジコン事情を解説しよう。

■こちらもオススメ!ゲーム関連ニュース
【電脳遊戯X】「GAMECUBE」VS「Wii」仁義なき同門対決!!
【この夏はゲーム機を究極まで遊び倒す/ゲーム機特集
【電脳遊戯X】あの懐かしいファミコンをもう一度〜♪
【電脳遊戯X】PS2でPS3の2500%上を行け! HDD強化で快適ゲーム環境
【電脳遊戯X】DSやPSPを超えるスーパーマシンだ!ゲームボーイアドバンスが大変身!?

■アキバ系コラムを読みたいならこちら!
カオス通信


Jackie Lee(龍李)案内人:Jackie Lee(龍李)
プロフィール:マイナーのものをこよなく愛する自称マイナリスト。普通が嫌い、曲がったことが大好き。マニュアルは読まない、チュートリアルは嫌い、転んでも泣いたふり。失敗は成功の義母。人類皆義母兄弟。とりあえず日本人。

Copyright 2007 livedoor. All rights reserved.