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年齢性別を問わず大人気の携帯ゲーム機といえば、いわずと知れた「ニンテンドーDS」(以下NDS)がある。ゲーム業界の記録を塗り替える大躍進を続けるNDSだが、この大ヒットを光とすれば、それと対を成す影が発生するのは世の必然だ。

NDSにおける影が何にあたるかは人によって見解が異なるかもしれないが、私は「マジコン」であると考える。そしてこのマジコン(もしくはそれに類する機器)は、遙かファミリーコンピュータ(以下ファミコン)の時代より存在していたのだ。ちなみにマジコンは製品ゲームのバックアップ及びバックアップしたゲームを実機でプレイできる機器の総称である。今回はこの怪しくも危険な魅力を漂わせるマジコンのルーツに迫ってみよう。

■マジコンとは商品名ではなく総称である

まずは、マジコンという言葉の由来を説明しよう。
「ウォークマン」の大ヒットで携帯カセットプレイヤーの総称が「ウォークマン」になったように、「ファミコン」の大ヒットによって家庭用ゲーム機の総称が「ファミコン」になった時期がある。特に家庭用ゲーム機を総称して「ファミコン」と呼ぶのはファミコン世代の子供を持つ年代だろう。

親 「また、ファミコンばっかりやって! 宿題やったの!?」
子供「ファミコンじゃないよ! PCエンジンだよ!」

という会話が展開された家庭も決して少なくはないだろう。

これと同様に「マジコン」という総称も、大ヒットしたゲームバックアップ機の名称からとられている。それがマジコンという総称の由来になったスーパーファミコン(以下SFC)用のバックアップ機器「スーパーマジコン」だ。このフロントファーストイースト社(台湾)が開発したスーパーマジコンは、SFCバックアップ機の基礎を確立したことから、新しいバックアップ機が登場する度に比較の対象とされた。そのため、いつしか会話の中で「今度の新しいマジコンは〜」といった使われ方をされるようになったのである。

また、スーパーマジコンはマジコンという言葉のルーツになっただけではなく、パソコンとの連動やバックアップデータを外部メディアに保存して必要に応じマジコンに読み込ませるという、機能的にも現在におけるマジコンシステムの基礎になっており、まさにマジコンを語る上で外すことのできない1台なのだ。ちなみに、スーパーマジコンのマジコンとは、「魔法のように何でもできるコンピュータ=マジックコンピュータ」を略した造語である。

さらに余談だが、マジコンという総称が使われているのは日本だけであり、マジコンの本場である中国ではフラッシュカート(焼録★*1)という総称でよばれている。
※1:★は峠からやまへんを外した漢字

■マジコンの定義と機能

マジコンの由来となったスーパーマジコンが製品ゲームからのバックアップと、そのバックアップデータでのプレイが可能だったことから、以前は「製品ゲームのバックアップとバックアップしたゲームを実機でプレイできる機器=マジコン」と定義されていた。しかし、最近ではバックアップ機能を持たないプレイ機能だけの機種も多数登場している。以前であればバックアップ機能をもたないマジコンに使い道も存在意味もなかったのだが、インターネットが普及した現在では、バックアップしたゲームデータを違法配布するサイトの登場によりプレイ機能のみの機種が増えるにいたっている。

現在では、これらバックアップ機能を持たない機種もマジコンと呼ばれているため、マジコンの定義は「製品ゲームのバックアップとバックアップしたゲームを実機でプレイできる機器」から「バックアップされた製品ゲームを実機でプレイできる機器」へと変化している。

また、パソコンやインターネットの普及、記録メディアの小型大容量化や低価格化など、マジコンを取りまく環境が急激に変化していることから、以前のマジコンが単体完結していたのに対し、現在のマジコンはパソコンとの連動を前提にしているものがほとんどとなり、その使用環境も大きく変化した。

さらにゲーム機自体の性能が上がったことにより、マジコンを使っての動画や音楽の再生やエミュレータ*2をはじめとした自作プログラムなどの開発も容易になったため、マジコンはバックアップ&バックアップでのプレイ機器からマルチメディアツールへと変貌を遂げている。

※2:本来の環境とは異なる環境でハードウエアを再現するプログラム。マジコンでは主に過去のゲーム機を再現するプログラムが開発されている。これを使うことで、NDS上でファミコンやSFC、メガドライブなどがプレイ可能になる。

次のページでは、違法利用しないための注意を説明する。