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現実味のある管理国家の恐怖。映画『ベクシル 2077 日本鎖国』。

2007年08月28日05時15分 / 提供:PJ

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監督は名作「アップルシード」をプロデュースした曽利文彦。声優に女優で活躍中の黒木メイサと谷原章介を配し、極めて質の高い映像のアニメーション大作が「ベクシル 2077 日本鎖国」である。

 舞台はハイテク技術がそのまま国家の威力と見なされる近未来。世界一のハイテク国家である日本は、国連を脱退しすべての外国との国交を断絶。鎖国」政策を敷くという、超強気な選択をする。映画は日本が鎖国して10年後から始まる。

 アメリカ人である主人公ベクシルは、もはや世界の脅威となり手のつけられなくなった日本に潜入し、内部の状況を暴くための作戦に参加する。運よく日本に潜入し、日本人と言われる人々に出会ったベクシルは驚きの事実を知らさせることになる。

 この映画の日本という国家は、政府が民間企業の私物と化している。国家としての責務である国民の安全や保護などは一切行わず、自らのハイテク技術のために日本民族を管理し、食い物にしている。

 この映画は、そんなとっぴな発想のもとに成り立った作品であるが、今の日本の状況を鑑(かんが)みれば完全なフィクションに思えないから恐ろしい。

 昨今の年金記録漏れ問題をはじめとして、警察官・自衛官などの犯罪や、行政機関の裏金など、日本国家の信用を根幹から揺らぐような事案が頻発している。そして、先日の中越沖地震における原子力発電所の事故について国民に対する納得のいく説明は、いまだに誰からもされていない。

 「ベクシル 2077 日本鎖国」のベクシルはアメリカ人である。日本の実情を暴き、問題に対峙(たいじ)するベクシル。そこには国家や民族を超えた温かい人間感情が流れている。

 非常に素晴らしいアニメーションと、ベクシルの信念の行動に酔いしれながらも、今の日本国家の暗部に隠された恐怖を感じさせるものだった。なかなか手応えのある作品である。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 若林 順平

関連ワード:
ベクシル  映画  年金  中越沖地震  アメリカ  
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