今夏の移籍マーケット終盤戦での主役はレアル・マドリーで決まりだ。13日にはロイストン・ドレンテとベスレイ・スナイデルを、そしてその10日後の23日にはアリエン・ロッベンとガブリエル・エインセの入団を正式に発表、と駆け込み補強を敢行。今夏、レアル・マドリーが投じた選手補強費は実に1億1900万ユーロ(約187億3000万円)。スペインフットボール史上最高額に達した。

 ロッベンの移籍金は3600万ユーロ(約56億6600万円)。これはフェルナンド・トーレスに次ぐ移籍金で、今夏の移籍金トップ10には、ベベの3000万ユーロ(約47億2100万円)、スナイデルの2700万ユーロ(約42億4900万円)と3選手がランクインしている。

 メッツェルダー、サビオラ、デュデクをタダで手に入れ、ぺぺ、ドレンテ、スナイデル、ロッベン、エインセを獲得し、レンタル先からバチスタとソルダードが戻ってきた。シュスター新監督の下、新たなプロジェクトを進める昨シーズンのリーガ、チャンピオンは10人の新戦力を手に入れ、チームの様相もガラリと変わったといえる。

移籍金トップ10(2007-08シーズン)

1位:フェルナンド・トーレス(アトレティコ・マドリー→リバプール)3650万ユーロ(約57億4400万円)
2位:ロッベン(リバプール→レアル・マドリー)3600万ユーロ(約56億6600万円)
3位:アンデルソン(ポルト→マンチェスター・ユナイテッド)3200万円(約50億3600万円)
4位:ぺぺ(ポルト→レアル・マドリー)3000万ユーロ(約47億2100万円)
5位:スナイデル(アヤックス→レアル・マドリー)2700万ユーロ(約42億4900万円)
6位:ナニ(スポルティング・リスボン→マンチェスター・ユナイテッド)2700万ユーロ(約42億4900万円)
7位:ハーグリーブス(バイエルン・ミュンヘン→マンチェスター・ユナイテッド)2600万ユーロ(約40億9200万円)
8位:リベリ(オリンピック・マルセイユ→バイエルン・ミュンヘン)2500万ユーロ(約39億3400万円)
9位:ダレン・ベント(チャールトン→トッテナム)2450万ユーロ(約38億5600万円)
10位:アンリ(アーセナル→バルセロナ)2400万ユーロ(約37億7700万円)

スペインのクラブ別補強額(2007-08シーズン)

1位:レアル・マドリー 1億1900万ユーロ(約187億3000万円)
2位:アトレティコ・マドリー 7800万ユーロ(約122億7600万円)
3位:バルセロナ 6400万ユーロ(約100億7300万円)
4位:バレンシア 3200万ユーロ(約50億3600万円)
5位:ビジャレアル 2600万ユーロ(約40億9200万円)
6位:サラゴサ 2400万ユーロ(約37億7700万円)
7位:ヘタフェ 1920万ユーロ(約30億2200万円)
8位:セビージャ 1700万ユーロ(約26億7500万円)
9位:ベティス 1580万ユーロ(約24億8700万円)
10位:アスレティック・ビルバオ 1375万ユーロ(約21億6400万円)
11位:ムルシア 900万ユーロ(約14億1600万円)
12位:マジョルカ 900万ユーロ約14億1600万円)
13位:オサスナ 680万ユーロ(約10億7000万円)
14位:デポルティーボ 580万ユーロ(約9億1300万円)
15位:アルメリア 500万ユーロ(約7億8700万円)
16位:レバンテ 385万ユーロ(約6億円)
17位:エスパニョール 300万ユーロ(約4億7200万円)
18位:レクレアティーボ 190万ユーロ(約2億9900万円)
19位:バジャドリー 135万ユーロ(約2億1200万円)
20位:ラシン 0ユーロ

 スペインのクラブレベルで見てみると、レアル・マドリーに次ぐのはやはり大型補強を行ったアトレティコ・マドリーで、その額は7800万ユーロ(約122億7600万円)に達している。3位は的確な補強で移籍マーケット序盤戦で早々に補強を完了させたバルセロナだ。

 その一方で、ラシンの補強費ゼロは特筆ものだ。ドゥシェルらを獲得しているものの、いずれもフリーパスの選手を獲得し、コストゼロに抑えている。ビッグクラブのように豊富な資金力があるわけではないクラブとしての賢いやり方でもある。

 大金を費やし補強をしても、それが報われるとは限らないのもフットボール界での常。補強費=結果の答えが出るのはリーガが始まってからのお楽しみである。

(スペイン通信)