【サムライ通信】痛恨のレッドから4年。大久保「自分の武器を存分に」
2007年08月22日11時38分 / 提供:livedoor スポーツ
アジアカップから約1カ月が過ぎ、日本代表はキリンチャレンジカップ対カメルーン戦を戦うため、大分にいる。中村(俊)、高原といった欧州のクラブの所属する選手と、水野、伊野波といった北京五輪アジア予選を戦うU−22代表が選考外という状況の中、アジアカップを戦った選手を中心に闘莉王、田中、山瀬、前田、高松、大久保らが新たに選出されている。
8月21日の前日練習。真ん中でボールを持った佐藤がゴール前へとドリブルする。サイドにはフリーの田中がいたが、パスではなく、シュートを放ち、見事ゴールを決める。アジアカップでの日本代表では、サイドに開いた選手へパスを出し、相手の守備陣系を崩した上でのフィニッシュというのが、定番だった。しかし、佐藤は自身のシュートを選択している。
アジアカップ終了後、“個”の重要性を監督も口にし、そう話す選手も少なくは無かっただけに、佐藤のプレーには進化の断片が感じられた。しかし、鈴木は言う。「最近よく、個の力という風に言われることがあるけれど、やはり大事なのは、組織としてどう戦うか。そういうベースがあってこそ、個の力も活きるんだと思う。新しく合流した選手も多く、一緒に練習して日が浅いのは事実。ただ、選手の特徴は理解しているから。カメルーンという強い相手と戦えることは自分たちにとって、結果はどうであれ、良い経験になることは間違いない」そして、先発が予想される前田は「このチームではFWにも守備が求められるので、しっかりと、自分の仕事をしたうえで、ゴールを決めたい」と豊富を語っている。
オシムジャパン初選出の大久保は「チームとしてのサッカーは当然あるし、それをやることも大事。だけど、自分のプレーや良さを殺すことはしたくないし、自分の武器、ドリブルで突っかけるだとか、そういうことを魅せて、ゴールを決めたい」と力強く話してくれた。高校時代からその決定力には定評があり、前ジーコジャパンでも早くからその一員としてプレーしていたが、なかなかゴールには恵まれなかった。
03年12月の東アジア選手権対韓国戦。先発出場に大久保は燃えた。彼の目に強い輝きがあったことは今でも覚えている。「ゴールを決めてやる」という彼の意気込みが伝わってきた。それは意気込みであると同時に彼の悲壮な決意でもあった。熱意が硬さを生んでいたようにも感じられた。しかし彼の闘志は最悪の事態をもたらす結果となる。
前半18分、2枚目のイエローカードを受けて、退場してしまったのだ。スタジアムを重い足取りでロッカーへと歩く大久保。「本当に申し訳ないことをした、このまま死んでしまいたい」そんな思いを抱いたことを後日、大久保が教えてくれた。
そして、アテネ五輪、スペインでの日々を経て、今季から所属するヴィッセル神戸でもコンスタントに得点を重ね、代表に選ばれた。「あの韓国戦に比べたら、本当に今はリラックスしてる。Jリーグでもそう。今は落ち着いた状態で試合に入れる。神戸でもサイドでプレーしているせいか、FWのときよりもゴールが広く感じるし、ボールを受けたときもシュートだけじゃなくて、パスとかドリブルとかいろんな選択肢があるからね。そういう部分での余裕なんかな(笑)」
明日のカメルーン戦でも真ん中ではなく、少し開いた場所でのプレーとなりそうだ。もちろん、代表の一員として名乗りをあげたからには、結果を残し、日の丸をつけて、数多くの試合を戦いたいと願っているに違いない。しかし、大久保には妙な気負いは感じられない。結果を求めるばかり、神経質になることもないのだろう。彼からは自信が感じられる。自分を信じる力。信じるに値する準備や経験を重ねてきたのだろう。
「自分のプレーをしなくちゃ、意味がない」まっすぐとそう口にする彼からは、心地よい余裕が感じられた。ゴールが決まるかどうかは別にして、ハツラツとしたプレーで、大久保らしい勝負強さを発揮してほしい。
―― text by Noriko TERANO from Oita ――
<サムライ通信>
・屈辱の4位。敗戦を無駄にはできない。
・厳しさの中に優しさ。オシム監督の決断は?
・"自滅"と"日本の徹底分析"。重なった二つの敗因
・中村と高原に見る"組織"と"個"のバランス
・長丁場の戦い。コンディションとの付き合い方
もっと見る
8月21日の前日練習。真ん中でボールを持った佐藤がゴール前へとドリブルする。サイドにはフリーの田中がいたが、パスではなく、シュートを放ち、見事ゴールを決める。アジアカップでの日本代表では、サイドに開いた選手へパスを出し、相手の守備陣系を崩した上でのフィニッシュというのが、定番だった。しかし、佐藤は自身のシュートを選択している。
アジアカップ終了後、“個”の重要性を監督も口にし、そう話す選手も少なくは無かっただけに、佐藤のプレーには進化の断片が感じられた。しかし、鈴木は言う。「最近よく、個の力という風に言われることがあるけれど、やはり大事なのは、組織としてどう戦うか。そういうベースがあってこそ、個の力も活きるんだと思う。新しく合流した選手も多く、一緒に練習して日が浅いのは事実。ただ、選手の特徴は理解しているから。カメルーンという強い相手と戦えることは自分たちにとって、結果はどうであれ、良い経験になることは間違いない」そして、先発が予想される前田は「このチームではFWにも守備が求められるので、しっかりと、自分の仕事をしたうえで、ゴールを決めたい」と豊富を語っている。
オシムジャパン初選出の大久保は「チームとしてのサッカーは当然あるし、それをやることも大事。だけど、自分のプレーや良さを殺すことはしたくないし、自分の武器、ドリブルで突っかけるだとか、そういうことを魅せて、ゴールを決めたい」と力強く話してくれた。高校時代からその決定力には定評があり、前ジーコジャパンでも早くからその一員としてプレーしていたが、なかなかゴールには恵まれなかった。
03年12月の東アジア選手権対韓国戦。先発出場に大久保は燃えた。彼の目に強い輝きがあったことは今でも覚えている。「ゴールを決めてやる」という彼の意気込みが伝わってきた。それは意気込みであると同時に彼の悲壮な決意でもあった。熱意が硬さを生んでいたようにも感じられた。しかし彼の闘志は最悪の事態をもたらす結果となる。
前半18分、2枚目のイエローカードを受けて、退場してしまったのだ。スタジアムを重い足取りでロッカーへと歩く大久保。「本当に申し訳ないことをした、このまま死んでしまいたい」そんな思いを抱いたことを後日、大久保が教えてくれた。
そして、アテネ五輪、スペインでの日々を経て、今季から所属するヴィッセル神戸でもコンスタントに得点を重ね、代表に選ばれた。「あの韓国戦に比べたら、本当に今はリラックスしてる。Jリーグでもそう。今は落ち着いた状態で試合に入れる。神戸でもサイドでプレーしているせいか、FWのときよりもゴールが広く感じるし、ボールを受けたときもシュートだけじゃなくて、パスとかドリブルとかいろんな選択肢があるからね。そういう部分での余裕なんかな(笑)」
明日のカメルーン戦でも真ん中ではなく、少し開いた場所でのプレーとなりそうだ。もちろん、代表の一員として名乗りをあげたからには、結果を残し、日の丸をつけて、数多くの試合を戦いたいと願っているに違いない。しかし、大久保には妙な気負いは感じられない。結果を求めるばかり、神経質になることもないのだろう。彼からは自信が感じられる。自分を信じる力。信じるに値する準備や経験を重ねてきたのだろう。
「自分のプレーをしなくちゃ、意味がない」まっすぐとそう口にする彼からは、心地よい余裕が感じられた。ゴールが決まるかどうかは別にして、ハツラツとしたプレーで、大久保らしい勝負強さを発揮してほしい。
―― text by Noriko TERANO from Oita ――
<サムライ通信>
・屈辱の4位。敗戦を無駄にはできない。
・厳しさの中に優しさ。オシム監督の決断は?
・"自滅"と"日本の徹底分析"。重なった二つの敗因
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