「植草一秀教授は無実だ」、真相隠す大きな力(2)
2007年08月17日06時27分 / 提供:PJ
何一つない犯行の証拠
(1)からのつづき。目撃証言以外の矛盾点として、植草氏の体勢を挙げておきたい。事件時、植草氏はバッグを肩から掛け、右手で上方のつり革か手すりにつかまり、酔った状態で立っていたことが分かっている。そのため、検察側は「左手首に傘を掛け」犯行に及んだと主張してきた。しかし、植草氏は傘の柄のてっぺんを上からつかんで杖のようにして持っていた。
検察は公判で植草氏の手の付着物が高校生の着用していた紺色スカートの構成繊維と「類似している」との証言を提示した。これに対し弁護側は、植草氏がもみ合った京浜急行蒲田駅駅員が着用していたものと同じ紺色制服の生地を入手し、大学に繊維鑑定を依頼した。結果は「極めて類似している」とのものだった。しかし、裁判所はこの証拠も大学教授の証人尋問申請も却下した。
犯行の証拠が何一つない以上、裁判所は刑事訴訟法の規定通り、無罪を言い渡さなければならない。被害者の主張が事実なら、真犯人は別にいたことになる。論告は「被告は真犯人を捜そうとしておらず、真犯人というのは架空の産物」としているが、本来被告に無実の立証をする必要はないはず。それなのに無実であることを証明する努力をここまで強いられている。被害者の主張を認めながら真犯人を探す努力をしなかったのは警察の方ではあるまいか。
誤解される過去の「事件」
植草氏が疑われる要因に、2004年と1998年に起きた「事件」がある。これらの概要は次のものである。
2004年の事件は、4月8日に横浜市長が主催する昼食会を兼ねた勉強
会で講演した帰りに起きた。長男の誕生プレゼントを買うために駅ビルの書店に立ち寄ると、不審な男2、3人が後をつけてくる。目的の本がないことを察し、自宅の最寄り駅である品川へ向かおうと、京浜東北線に乗る。その間も不審な男が植草氏を監視していた。
品川駅の改札を出るとバスターミナルに降りたが、電話を入れておかなければならない用を思い出し、携帯電話を掛けられる場所を探す。適当な場所が見つからず、エスカレーターで公衆電話コーナーに戻ろうとした。中程まで上がった所で、右ひじを後ろからつかまれた。
「警察です。ちょっと来てくれませんか」。ポケットの中の所持品を出せと言う。左ポケットから手鏡が出てきた。警官は「え、手鏡か」と驚き、携帯電話を出せと求める。アタッシュケースの中から取り出した携帯電話には、植草氏の知人の下着姿の画像が保存されていた。
この警察官は神奈川県警の鉄道警察隊に所属する志賀博美巡査部長(当時)。越境逮捕であり、しかも同行した末永巡査との巡回は事前の勤務計画にはなかった。弁護側が当日の勤務表の提出を求めたが却下されており、非番の日だった可能性もある。
高輪署では利益誘導があった。容疑を認めれば略式起訴で終わりマスコミへ公表されないが、否認すれば長期勾留(こうりゅう)になり、仕事もできなくなると言われた。10日夜に品川駅に防犯カメラがあることに気付き、映像の検証を裁判官、弁護士(警察が紹介した検察OB)、取り調べの警察官、検事に訴えたが、10日もたって「消えた」と告げられた。
被害者とされた高校生の母親から、「被害届を出した覚えもないし、裁判にしないでほしい」との上申書が検察庁に提出されている。
1998年の事件は東海道線の車内で起きた。4人掛けボックス席の通路側に座り、向かい側には女性が2人いた。植草氏は当時ももの付け根に湿疹があり、かゆさから2、3度左手でかいた。たまたま車掌が通りがかると向の女性が「この人感じが悪いんですが」と車掌に話し掛けた。川崎駅で事務室に連れて行かれ、鉄道警察へ。
「ひざを触っただろう」と詰め寄られた。電車が大きく揺れたとき、荷物を抱えていた手の小指の先が0.1秒ほど女性のひざに触れたことがあった。そのことを話すと、「触れたのではなく、触ったのだろう。触わったと言わなければ逮捕する」と怒鳴られた。「触ったと認めて上申書を書けばすぐに返してやる。外には絶対漏らさない」と言われる。後日検察であらためて事実を説明しようとするが、女性検事に「このような上申書を書いているんでしょ」と強く叱責(しっせき)され、あきらめた。【つづく】
■関連情報
「植草一秀教授は無実だ」、検察が矛盾とわたしは見る
植草事件求刑で検察側が決定的事項認める
ジャーナリズムの本当の目的
植草一秀教授 著書で無実訴え、 『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)
『知られざる真実−勾留地にて−』
PJニュース.net
(1)からのつづき。目撃証言以外の矛盾点として、植草氏の体勢を挙げておきたい。事件時、植草氏はバッグを肩から掛け、右手で上方のつり革か手すりにつかまり、酔った状態で立っていたことが分かっている。そのため、検察側は「左手首に傘を掛け」犯行に及んだと主張してきた。しかし、植草氏は傘の柄のてっぺんを上からつかんで杖のようにして持っていた。
検察は公判で植草氏の手の付着物が高校生の着用していた紺色スカートの構成繊維と「類似している」との証言を提示した。これに対し弁護側は、植草氏がもみ合った京浜急行蒲田駅駅員が着用していたものと同じ紺色制服の生地を入手し、大学に繊維鑑定を依頼した。結果は「極めて類似している」とのものだった。しかし、裁判所はこの証拠も大学教授の証人尋問申請も却下した。
犯行の証拠が何一つない以上、裁判所は刑事訴訟法の規定通り、無罪を言い渡さなければならない。被害者の主張が事実なら、真犯人は別にいたことになる。論告は「被告は真犯人を捜そうとしておらず、真犯人というのは架空の産物」としているが、本来被告に無実の立証をする必要はないはず。それなのに無実であることを証明する努力をここまで強いられている。被害者の主張を認めながら真犯人を探す努力をしなかったのは警察の方ではあるまいか。
誤解される過去の「事件」
植草氏が疑われる要因に、2004年と1998年に起きた「事件」がある。これらの概要は次のものである。
2004年の事件は、4月8日に横浜市長が主催する昼食会を兼ねた勉強
会で講演した帰りに起きた。長男の誕生プレゼントを買うために駅ビルの書店に立ち寄ると、不審な男2、3人が後をつけてくる。目的の本がないことを察し、自宅の最寄り駅である品川へ向かおうと、京浜東北線に乗る。その間も不審な男が植草氏を監視していた。
品川駅の改札を出るとバスターミナルに降りたが、電話を入れておかなければならない用を思い出し、携帯電話を掛けられる場所を探す。適当な場所が見つからず、エスカレーターで公衆電話コーナーに戻ろうとした。中程まで上がった所で、右ひじを後ろからつかまれた。
「警察です。ちょっと来てくれませんか」。ポケットの中の所持品を出せと言う。左ポケットから手鏡が出てきた。警官は「え、手鏡か」と驚き、携帯電話を出せと求める。アタッシュケースの中から取り出した携帯電話には、植草氏の知人の下着姿の画像が保存されていた。
この警察官は神奈川県警の鉄道警察隊に所属する志賀博美巡査部長(当時)。越境逮捕であり、しかも同行した末永巡査との巡回は事前の勤務計画にはなかった。弁護側が当日の勤務表の提出を求めたが却下されており、非番の日だった可能性もある。
高輪署では利益誘導があった。容疑を認めれば略式起訴で終わりマスコミへ公表されないが、否認すれば長期勾留(こうりゅう)になり、仕事もできなくなると言われた。10日夜に品川駅に防犯カメラがあることに気付き、映像の検証を裁判官、弁護士(警察が紹介した検察OB)、取り調べの警察官、検事に訴えたが、10日もたって「消えた」と告げられた。
被害者とされた高校生の母親から、「被害届を出した覚えもないし、裁判にしないでほしい」との上申書が検察庁に提出されている。
1998年の事件は東海道線の車内で起きた。4人掛けボックス席の通路側に座り、向かい側には女性が2人いた。植草氏は当時ももの付け根に湿疹があり、かゆさから2、3度左手でかいた。たまたま車掌が通りがかると向の女性が「この人感じが悪いんですが」と車掌に話し掛けた。川崎駅で事務室に連れて行かれ、鉄道警察へ。
「ひざを触っただろう」と詰め寄られた。電車が大きく揺れたとき、荷物を抱えていた手の小指の先が0.1秒ほど女性のひざに触れたことがあった。そのことを話すと、「触れたのではなく、触ったのだろう。触わったと言わなければ逮捕する」と怒鳴られた。「触ったと認めて上申書を書けばすぐに返してやる。外には絶対漏らさない」と言われる。後日検察であらためて事実を説明しようとするが、女性検事に「このような上申書を書いているんでしょ」と強く叱責(しっせき)され、あきらめた。【つづく】
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ジャーナリズムの本当の目的
植草一秀教授 著書で無実訴え、 『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 高橋 清隆
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