若い女性向け「ジーンズ革命」 美しく動きやすい新素材登場

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   細身でタイトなシルエットが若い女性に人気の「スキニー・ジーンズ」。ファッションとして定着しているが、窮屈で動きにくかったり、かがんだときに背中が見えるのが、カジュアル化が進んだオフィスでも気になる。それでも、おしゃれのために無理して着用している女性は少なくなく、こうした欠点を補う新素材が登場。海外のファッションシーンで話題のジーンズが日本にも上陸する。

360度の快適な動きに対応する「革新性」

   女性がジーンズに求めるのは、デザインがおしゃれなだけでなく、カラダにきれいにフィットして、しかも動きやすいこと。つまり、見た目の美しさと快適性の両立へとニーズが進化しているのだ。

   こうしたなかで、「XFITライクラ」という新技術によって革新的なデニム素材が登場した。これはインビスタ社が開発した製造技術で、しなやかな伸縮性をもつ同社の繊維「ライクラ」に特殊な加工を施してデニムの生地に織り込んだものだ。これにより360度の動きに対応する理想的なジーンズが可能になるという。

   欧米の著名ブランドやデザイナーから高い支持を得ている、日本のデニム生地メーカーのクロキも「XFIT ライクラ」に前向きなメーカーのひとつ。同社はすでに海外でも商談を進めていて、「XFIT ライクラ」の評価はすこぶる高いという。従来フィット感がよいとされるジーンズでも、伸縮機能はヨコ方向にしか働いていなかったが、タテにもヨコにも伸縮性が機能するようになり、「伝統的なデニム業界において、革新的な新技術」(クロキ)になった。

 

ジーンズ発祥地、米国でも受け入れられる

   大手紡織メーカーで、日本におけるデニム生産のトップメーカーのクラボウも「XFIT ライクラ」に積極的だ。同社はジーンズ発祥の地、米国市場にも展開する。米国は国民一人当たり8本のジーンズを持っているといわれ、素材に対する消費者の目も厳しい。「ジーンズにコットン以外の素材が少しでも入るとノーといわれる」(クラボウ)くらい、コットン100%へのこだわりが強いのだ。

   しかし、そんな米国市場でも機能性の高さや、素材の軽さが受け入れられた。加工のしやすさや染めやすさなど、品質をコントロールしやすく、ファッション性を表現しやすいことも、NYコレクションなどで活躍するザック・ポーゼン、フィリップ・リム、デレク・ラムといったトップデザイナーやブランドに好評な理由だ。

   ジーンズ・ユーザーの目にかなう見た目や風合いと、快適なフィット感や動きやすさという、これまでならば両立のむずかしかった厳しい注文に「XFIT ライクラ」という新技術が応えたというわけだ。

   日本国内では2007年秋から、セルフォンテーヌ、J BRANDといった海外のプレミアムジーンズブランドで「XFIT ライクラ」を採用した商品の展開が決まっている。1本2万〜5万円程度の価格を予定している。