未経験での異業界転職はこう乗り切れ!

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エンジニアを辞め、まったく違う業種へと転職すること。だれしも一度は考えるかもしれないがそう簡単に踏み切れるものでもない。なぜ、彼らはその選択肢を選んだのか。そのワケと今の気持ちを、“元”エンジニアたちに語ってもらった。

ひと口にエンジニアから異業種への転職といっても、そのパターンは実にさまざま。そのため、エンジニアを辞め、高校教諭、芸能マネジャー、編集者、マーケティング、営業へとそれぞれまったく違う業種に転職した5人の“元”エンジニアたちにインタビューを試みた。さまざまな立場から語られる多種多様な “元”エンジニアの生の声に耳を傾け、エンジニアの異業種転職とはどのようなものなのか、まずは探ってみた。

■CASE1:「新しい夢に挑戦するための転職」・・・工場FA.SE⇒高校教師Aさん
Aさんは、「モノづくり」が大好きで、エンジニアの仕事自体には十分満足していたという。だが、会社の派閥争いに巻き込まれた折、友人から誘われたことをきっかけに、もうひとつの夢だった、高校教諭としての道を歩むことを即決した。
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▽エンジニア時代のプロフィール
A大学工学部を卒業後、エンジニアとしてB社に就職。その後、C社に引き抜かれ、工場のFAシステムエンジニアとして29歳まで記録計の設計を担当。後に係長となり、海外の関係会社における技術指導役にも携わる。
▼現在のプロフィール
最初は、工業高校にて臨任の機械科教諭として採用され、その後、正規雇用に。現在、教師歴15年。常に自分の力を試したい、新しいことにチャレンジしたいという意欲をもち、44歳にして今後の転職をも視野に入れている。
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エンジニアを辞めたワケ・・・「私は、教師の夢をかなえるために辞めました」

エンジニアとしての仕事は、公私共に満足いくものでした。当時の会社の方針は、「新しい設備を積極的につくろう」。そのため、さまざまな仕事を社員に任せてくれました。無論、非常に忙しかったし、ミスもたくさんしたけれど、その分やりがいも大きかった。自分のアイデアをどんどんと形にし、それを現場の人が喜んで使ってくれることがうれしくて。今でも、自分がつくったものが工場で動いているんです。形に残る仕事っていいですよね。
そんなエンジニアを辞めた理由は2つ。ひとつは社内の派閥争いに巻き込まれてしまったこと。もうひとつは、そんな折に、別の夢をかなえるチャンスが私の元にやってきたこと。かねてから、私は3つの夢をもっていました。ひとつは設計の仕事、残りの2つは教習所の講師と学校教師になること。エンジニアを辞め、新しい夢に挑戦することに躊躇はしませんでした。なんとかなるって思っていました。実際、なんとかなりましたし(笑)。

高校教師になった今のキモチ・・・「今の仕事は、人を育てて自分も成長できる場だ」

昔からの夢のひとつだからという理由で、高校教諭への道を踏み出したのですが、やはり最初は大変でした。工業系の教員免許は、教育実習をしなくても取ることができるので、教壇に立つのも初めて。自分が工業高校に通っていたときのことを思い出しながら、なんとか授業を進めました。幸運なことに、同じ学校に知り合いが何人か勤めていたので、悩んだときにはすぐに相談しました。
苦労したのは人のしかり方。私の勤務する工業高校はどちらかというと正直、やる気のない生徒たちが多い(笑)。学ぶ気がない相手に教えるって難しいんです。その半面、教師のやりがいは、そうやって四苦八苦して指導した生徒に「わからなかったことがわかった。ありがとう」と感謝されることなんですよね。卒業後もつき合いが続く生徒たちがいるのもうれしいことです。利潤追求ではなく、人を育てることの醍醐味を知りました。
ちなみに、エンジニア時代の経験も、生徒たちに進路指導をする際にとても役立っています。また、エンジニア時代の名残か、物事を効率よくこなす癖がついているため、自由時間をたっぷり確保できています。その自由時間を趣味などに使うと、さらに人脈は広がっていきます。趣味であれ仕事であれ、人から学ぶことはとても多い。人とのつながりは、エンジニア時代に比べて確かに増えました。つまり、学ぶ機会も増えたということです。だから、今の仕事に満足しています。ただエンジニアの性分として、そろそろ新しいことに挑戦もしたいかも(笑)。

エンジニア時代のメリット
・大きなプロジェクトに挑戦できる
・自分のした仕事が目に見える形となって残る
・給与がよい
 ↓
現在のメリット
・残業もなく、時間のゆとりがある
・人を育てるという醍醐味
・教師の立場は平等で、ノルマもない

エンジニア時代のデメリット
・忙しすぎる
・利潤追求に走りがち
・人と接する時間が少ない
 ↓
現在のデメリット
・学校のシステム自体に無駄が多い
・すべきことがあらかじめ決まっている
・自分の力を試す場が限られている


■CASE2:「開発センスのなさに自分の限界を感じて転職」・・・COBOLシステム開発⇒情報処理営業Dさん
文系の学部を卒業したDさんだが、ソフト会社に入社し、プログラマとして勤務することに。その後、どうしても乗り越えられないプログラムセンスの壁にぶつかり転職を決意し、エンジニア経験を武器に同業種の営業職に就いた。
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▽エンジニア時代のプロフィール
私立大学の文系学部を卒業後、C言語などの知識がまったくないにもかかわらず、ソフト会社にプログラマとして入社。クライアント先に常駐し、COBOLシステム開発に6年間、携わってきた。
▼現在のプロフィール
大企業のシステム営業に転職。四国や北陸などでバーコードプリンターの販売に8年間携わる。その後PCとは無縁の事業部に異動になったことをきっかけに、再び転職を決意。現在、SES契約に基づいて社員を派遣する営業職に携わる。
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エンジニアを辞めたワケ・・・「私は開発センスのなさに気付いて、辞めました」

エンジニアとしての知識はまったくなかったのですが、もともと新しいもの好きなので、最初のうちは言語や文法を必死になって覚え、プログラマとしての仕事を楽しんでいました。ゼロからモノをつくり上げ、それを人に使ってもらえることにやりがいを感じていましたね。
でもキャリアを積んでいく最中、私は自分の開発センスのなさに行き詰まってしまったんです。開発センスのある理工系の後輩に先に出世されて、それを実感しました。私は大卒、彼は高卒でした。開発センスというものは、おそらくもって生まれた素養で、私にはどう頑張っても越えられない壁でした。開発センスがある人は、まず全体を見通してからトップダウン式のロジックを組むのですが、私はどうしても細部からロジックを組んでしまう。結果、とてもバグが多いものができ上がってしまうんです。エンジニアに向いていないなと思った私は、今までの経験を生かせるシステム営業へと転職することにしました。

営業になった今のキモチ・・・「今の仕事は、私にとっての転職だ」

エンジニア5年目にして、自分の開発センスのなさに気がつき、進路変更を決意。では、次の仕事は何にしようと考えたとき、学生時代にしていた接客のアルバイトが好きだったことを思い出しました。もともと屋内にこもる仕事は苦手だったので、プログラマの仕事に閉塞感を感じていました。あまりにも人と話す機会がないので、ディスプレイに話しかけることもあったほどです(笑)。
そこで、人と接する仕事で、かつエンジニアの経験も生かせるだろう仕事はと考え、大企業のシステム営業へと転職しました。出張が多い仕事でしたが、前職と比べ対人関係が一気に広がったので、とてもやりがいを感じました。その後、紙事業部に異動になり、技術的知識が生かせなくなったことをきっかけに再び転職を決意しました。周囲には猛反対されましたけれどね。大企業で興味のない仕事に就くよりも、小さい企業でもいいから、やりがいのある仕事をしたいと思ったのです。
そして、今、エンジニアを派遣する会社の営業職へと就きました。私は、この仕事を自分の天職だと思っています。エンジニア時代の経験を生かして、新人のエンジニアにアドバイスをし、進路相談に乗り、個々人のよさをプロデュースする仕事は本当に楽しい。より自分の理想に近い業務を展開すべく、5月から正社員をやめ、コミッション契約にチェンジしました。今は24時間365日、自分の時間はありません。それでも今の仕事に夢中です。

エンジニア時代のメリット
・ゼロからモノをつくる楽しみ
・人に使ってもらえるものをつくる醍醐味
・目新しい仕事に従事している満足感
 ↓
現在のメリット
・人脈が広がる
・エンジニア時代の経験を生かせる
・人の将来をプロデュースする醍醐味

エンジニア時代のデメリット
・人と話す機会がほとんどない
・向いていない仕事のため、非効率的
・開発センスがないため、キャリアプランに不利
 ↓
現在のデメリット
・将来が未知数
・安定性に欠ける
・他人のことで振り回される

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