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【独女通信】30代独女を結婚相手に選んだ男たちの理由
30代独女は一般的な条件面からいえば、結婚の対象として不利だが、逆に30代独女だからこそと、選ばれたケースもある。そんな30代独女を結婚相手に選んだ男たちにその理由を聞いてみた。
菊池さんはIT関連会社の役員をしている。大学卒業後に入社した証券会社は倒産、以後いくつか会社を転々としたが、友人と始めたIT関連会社がようやく軌道に乗ってきた。気がつくと38歳の今日までまともな恋もしていない。もちろん伴侶などいるはずもない。
「今はみんな晩婚だから、仲間もけっこう独身が多いし、あえて嫁をもらう必要性を感じていなかったんです。でも、さすがに35歳を過ぎたら、独りはキツいですね。サラリーマンのころより金回りがいいから、食事は100 パーセント外食。そのうえ、付き合いだなんだって家に帰るのは2時3時。スーツのまま玄関で寝ちゃったりしたこともずいぶんありました。それで、あ、これでは体壊すなと思い、結婚することにしたんです」。
といっても具体的にお嫁さん候補がいるわけではない。そこで会社の内外、友人関係などあらゆる関係者に結婚を宣言、お嫁さん候補の推薦をお願いした。それから間もなく、取引先の人から紹介されたのが、管理栄養士や調理師の資格を持つ則子さん(33歳)だった。「初めて彼女に会ったとき、言われたひと言がショックでした。『痩せていらっしゃるのに、ウエストが太いですね。メタボリック症候群の気がありそうですね』と。すごく頭にきましたよ。さすが若い子と違って、言うことに遠慮がないな、と」。
だが、則子さんは真剣だった。自分の結婚相手になるかもしれない、ということより、真剣に菊池さんの体のことが心配だったのだ。「最初はなんて図々しい女なんだ、と思ったんですが、何回か話しているうちに、すごく真面目で責任感が強いんだな、ということがわかったんです。人生に対する向き合い方が違うな、と(笑い)」。
ほとんどの男性は、若い女性を好む傾向がある。菊池さんも最初は、則子さんを「老けてるなー」と思ったという。自分の38歳という年齢とバランスをとるため、周囲が33歳の則子さんを紹介したのかと思い、それが面白くなかった。かといって20代前半の女性が38歳のところに嫁にくるわけもなく、まあ仕方がないかな、という気分で則子さんに会ったのだという。
「だけど実際に付き合い始めて、180度考えが変わりましたね。彼女の年齢は積み重ねたキャリアであると。若い子にはない、重みがあるということに気付き、彼女を尊敬するようになりました。それに、すごくずるい考え方かもしれないけど、33歳の彼女はある程度完成されていて、今後の人生にさほどの不安はない。社会生活を長くやっているぶん、家庭のこともしっかり任せられそうな気がしました。」。
独女世代の中から結婚相手を選ぶのは、ある意味、とても合理的な考えではないかと菊池さんは語る。若いだのきれいだの、といってもそれが有り難いのは最初のうちだけ。一生は長く、成功を目指す男の生活には、何よりも安心感のある女性が必要だ。その点、独女世代の女性なら、ある程度生活習慣も出来上がっているし、社会経験もある。“これからどう育つかわからない”苗よりは、しっかり実をつけた木を選ぶほうが楽ではないか、と菊池さんは語る。自分が楽かどうかで結婚相手を選ばれても、という気もするが……。
井上さんは36歳。井上さんの住む地方都市も嫁不足は深刻で、町を挙げてあの手この手でお嫁さんを募っているけれど、なかなかうまくいかないのが実情だった。地元の農業高校しか出ていない井上さんは“ひょっとしたら、自分は一生結婚できないかもしれない”と思い続けていた。そんなとき井上さんの前に一人の女性が、「まるで天から舞い降りてきたように」現れた。井上さんの妻やよいさんだった。やよいさんは35歳で幼稚園の保母さんだった。
「俺の場合、昼間は農作業が中心で、夜は夜で青年団とか農協の集会とかで出かけることが多いけど、女房がしっかり留守を守ってくれてるから安心だね。普通なら年取った俺の両親と同居なんかしてくれないし、保母の仕事もやめて専業主婦でがんばってくれてるし、その意味じゃ30代の女性はいいよね。若い女性みたいにブランドの洋服やバッグを買ってほしいなんて言わないし、エステにも行きたがらないしね」と井上さん。
取材をしていると、どうも男性側の勝手な都合で独女が選ばれているふしがある。独女だってブランドバッグは欲しいし、エステにだって行きたくないわけじゃない。だが、若くはないという年齢的なハンデを感じている点で、結婚においては、男性側の不利な条件を飲んでいるのではないだろうか。それを井上さんは気付いていないのだろうか?その点をやよいさんにたずねてみると、「男性なんてそんなものでしょう。気付く必要もないんじゃないですか」と、余裕の答え。さすが元保母さんだけあって、井上さんもこの奥さんにかかっては、「やんちゃな幼稚園児」と一緒なのかもしれない。
8歳年上の独女と最近結婚したのは、28歳のサラリーマン、工藤さん(仮名)だ。工藤さんは幼い頃母親を亡くし、祖母に育てられている。小学生時代の記憶にある母親は、たとえて言えば女神のようで、それが工藤さんの女性観の基本となっている。「恥ずかしながら、ディープなマザコンでしょうね、僕は。だから自分より若い女性との結婚なんて、最初からあり得ない話です。ただし、若いというのは実年齢ではなくて、精神年齢のこと。30代や40代だからといって、必ずしも精神が大人とは限りませんから」。
そうは言えども、工藤さんが選んだ相手は、やはり独女世代だった。見た目から言っても工藤さんの好みは黒木瞳や鈴木京香、高島礼子で、間違ってもエビちゃんや沢尻エリカではない。工藤さんのお相手は、誰から見ても「いい女」で、いわば男性社員の憧れの的。会社の役員秘書だったという彼女と、工藤さんの結婚が知られた時は、会社中が騒然となったという。「30代の独身女性は、“超ハズレな女”か、“最高にいい女”のどちらかで、“普通の女”はすでに結婚していると、先輩に教えられました。僕はたぶん、“最高にいい女”を掴んだんだと思います」。
“30代独女は社会生活が長い分、知識が豊富で辛抱強い。精神的に成熟し、とてもいい女である”
取材の過程で、そんな幻想が一人歩きしている感はあった。男の勝手な言い分だ、と腹立たしくもあったが、あえてそれを打ち壊す勇気も持てない自分が情けなく、せめて“超ハズレな女”にはなるまい、と決意した。(取材/中林晃子)
■関連リンク
・女は妥協して結婚する
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・結婚のタイミング……待っているだけじゃ結婚できない!
・医者の妻は勝ち組なのか? 憧れと現実のギャップ
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菊池さんはIT関連会社の役員をしている。大学卒業後に入社した証券会社は倒産、以後いくつか会社を転々としたが、友人と始めたIT関連会社がようやく軌道に乗ってきた。気がつくと38歳の今日までまともな恋もしていない。もちろん伴侶などいるはずもない。
「今はみんな晩婚だから、仲間もけっこう独身が多いし、あえて嫁をもらう必要性を感じていなかったんです。でも、さすがに35歳を過ぎたら、独りはキツいですね。サラリーマンのころより金回りがいいから、食事は100 パーセント外食。そのうえ、付き合いだなんだって家に帰るのは2時3時。スーツのまま玄関で寝ちゃったりしたこともずいぶんありました。それで、あ、これでは体壊すなと思い、結婚することにしたんです」。
といっても具体的にお嫁さん候補がいるわけではない。そこで会社の内外、友人関係などあらゆる関係者に結婚を宣言、お嫁さん候補の推薦をお願いした。それから間もなく、取引先の人から紹介されたのが、管理栄養士や調理師の資格を持つ則子さん(33歳)だった。「初めて彼女に会ったとき、言われたひと言がショックでした。『痩せていらっしゃるのに、ウエストが太いですね。メタボリック症候群の気がありそうですね』と。すごく頭にきましたよ。さすが若い子と違って、言うことに遠慮がないな、と」。
だが、則子さんは真剣だった。自分の結婚相手になるかもしれない、ということより、真剣に菊池さんの体のことが心配だったのだ。「最初はなんて図々しい女なんだ、と思ったんですが、何回か話しているうちに、すごく真面目で責任感が強いんだな、ということがわかったんです。人生に対する向き合い方が違うな、と(笑い)」。
ほとんどの男性は、若い女性を好む傾向がある。菊池さんも最初は、則子さんを「老けてるなー」と思ったという。自分の38歳という年齢とバランスをとるため、周囲が33歳の則子さんを紹介したのかと思い、それが面白くなかった。かといって20代前半の女性が38歳のところに嫁にくるわけもなく、まあ仕方がないかな、という気分で則子さんに会ったのだという。
「だけど実際に付き合い始めて、180度考えが変わりましたね。彼女の年齢は積み重ねたキャリアであると。若い子にはない、重みがあるということに気付き、彼女を尊敬するようになりました。それに、すごくずるい考え方かもしれないけど、33歳の彼女はある程度完成されていて、今後の人生にさほどの不安はない。社会生活を長くやっているぶん、家庭のこともしっかり任せられそうな気がしました。」。
独女世代の中から結婚相手を選ぶのは、ある意味、とても合理的な考えではないかと菊池さんは語る。若いだのきれいだの、といってもそれが有り難いのは最初のうちだけ。一生は長く、成功を目指す男の生活には、何よりも安心感のある女性が必要だ。その点、独女世代の女性なら、ある程度生活習慣も出来上がっているし、社会経験もある。“これからどう育つかわからない”苗よりは、しっかり実をつけた木を選ぶほうが楽ではないか、と菊池さんは語る。自分が楽かどうかで結婚相手を選ばれても、という気もするが……。
井上さんは36歳。井上さんの住む地方都市も嫁不足は深刻で、町を挙げてあの手この手でお嫁さんを募っているけれど、なかなかうまくいかないのが実情だった。地元の農業高校しか出ていない井上さんは“ひょっとしたら、自分は一生結婚できないかもしれない”と思い続けていた。そんなとき井上さんの前に一人の女性が、「まるで天から舞い降りてきたように」現れた。井上さんの妻やよいさんだった。やよいさんは35歳で幼稚園の保母さんだった。
「俺の場合、昼間は農作業が中心で、夜は夜で青年団とか農協の集会とかで出かけることが多いけど、女房がしっかり留守を守ってくれてるから安心だね。普通なら年取った俺の両親と同居なんかしてくれないし、保母の仕事もやめて専業主婦でがんばってくれてるし、その意味じゃ30代の女性はいいよね。若い女性みたいにブランドの洋服やバッグを買ってほしいなんて言わないし、エステにも行きたがらないしね」と井上さん。
取材をしていると、どうも男性側の勝手な都合で独女が選ばれているふしがある。独女だってブランドバッグは欲しいし、エステにだって行きたくないわけじゃない。だが、若くはないという年齢的なハンデを感じている点で、結婚においては、男性側の不利な条件を飲んでいるのではないだろうか。それを井上さんは気付いていないのだろうか?その点をやよいさんにたずねてみると、「男性なんてそんなものでしょう。気付く必要もないんじゃないですか」と、余裕の答え。さすが元保母さんだけあって、井上さんもこの奥さんにかかっては、「やんちゃな幼稚園児」と一緒なのかもしれない。
8歳年上の独女と最近結婚したのは、28歳のサラリーマン、工藤さん(仮名)だ。工藤さんは幼い頃母親を亡くし、祖母に育てられている。小学生時代の記憶にある母親は、たとえて言えば女神のようで、それが工藤さんの女性観の基本となっている。「恥ずかしながら、ディープなマザコンでしょうね、僕は。だから自分より若い女性との結婚なんて、最初からあり得ない話です。ただし、若いというのは実年齢ではなくて、精神年齢のこと。30代や40代だからといって、必ずしも精神が大人とは限りませんから」。
そうは言えども、工藤さんが選んだ相手は、やはり独女世代だった。見た目から言っても工藤さんの好みは黒木瞳や鈴木京香、高島礼子で、間違ってもエビちゃんや沢尻エリカではない。工藤さんのお相手は、誰から見ても「いい女」で、いわば男性社員の憧れの的。会社の役員秘書だったという彼女と、工藤さんの結婚が知られた時は、会社中が騒然となったという。「30代の独身女性は、“超ハズレな女”か、“最高にいい女”のどちらかで、“普通の女”はすでに結婚していると、先輩に教えられました。僕はたぶん、“最高にいい女”を掴んだんだと思います」。
“30代独女は社会生活が長い分、知識が豊富で辛抱強い。精神的に成熟し、とてもいい女である”
取材の過程で、そんな幻想が一人歩きしている感はあった。男の勝手な言い分だ、と腹立たしくもあったが、あえてそれを打ち壊す勇気も持てない自分が情けなく、せめて“超ハズレな女”にはなるまい、と決意した。(取材/中林晃子)
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