8月13日、今日はなんの日?日中戦争の拡大、第二次上海事変発生。
2007年08月13日04時35分 / 提供:PJ
1937(昭和12)年7月7日に発生した日中の交戦は、華北のみで収拾するかに思われたが、1937(昭和12)年8月13日には、上海に戦線は拡大した。これには、中国共産党の影があったことが最近明らかになって来ている。ユン・チアイ著の「マオ」である。冬眠から目覚めたスパイは張治中という将軍である。京滬警備(南京上海防衛隊)司令官だった。その部分を引用する。
『8月9日、張治中は蒋介石の許可なしに上海飛行場の外で事件を仕組んだ。張治中が配置しておいた中国軍部隊が日本海軍陸戦隊の中尉と一等兵を射殺したのである。さらに、中国人死刑囚が中国軍の軍服を着せられ、飛行場の門外で射殺された。日本側が先に発砲したように見せる工作である。日本側は事件を穏便に処理したいという意向を示したが、張治中は攻撃許可を求めて蒋介石を攻めたてた。蒋介石はこれを却下し、13日朝、張治中に対して「一時の衝動に駆られて」戦争の口火を切ってはならない、いま一度あらゆる局面を「検討」したうえで計画を提出するように、命じた。翌日、張治中は、「本軍は本日午後5時をもって敵に対する攻撃を開始する決意なり。計画は次のとおり…」と、蒋介石に迫った。14日、中国軍機が日本の旗艦「出雲」を爆撃し、さらには日本海軍陸戦隊および地上に駐機していた海軍航空機にも爆撃をおこなった。張治中は総攻撃を命じた。しかし、蒋介石は「今夜は攻撃をおこなってはならない。命令を待て」と、張を制した。待てども命令が来ないのを見た張治中は、翌日、蒋介石を出し抜いて、日本の戦艦が上海を砲撃し日本軍が中国人に対する攻撃を始めた、と、虚偽の記者発表をおこなった。反日感情が高まり、蒋介石は追いつめられた。翌8月16日、蒋介石はようやく「翌朝払暁を期して総攻撃をおこなう」と命令を出した。一日戦闘をおこなったところで、蒋介石は18日に攻撃中止を命じた。しかし、張治中は命令を無視して攻撃を拡大した。8月22日に日本側が大規模な増援部隊を投入するに至って、全面戦争は避けがたいものとなった。』
8月9日に起きた大山中尉の事件はこのように伝えられていた。『大公報』1937年8月10日号は次のように報道している。8月9日午後5時半、日本海軍将兵2名が自動車に乗り虹橋飛行場に来て、場内に進入しようとした。飛行場の衛兵はこれを阻止しようとしたところ、日本軍側は発砲し始めた。衛兵は、日本軍とのトラブルを避けるように注意を受けていたので、これに反撃せずに退避していた。
ところが、付近の保安隊が銃撃を聞きつけ出動した。これに対し、日本軍側がさらに発砲を行ったことで銃撃戦となり、保安隊員1名と日本人1名がその場で死亡し、日本人1名が重傷の後死亡した。『東京朝日新聞』1937年8月11日付けによると、中国側から銃撃を受けたこと、大山中尉は武器を所持していなかったことが報じられている。
70周年の今年は、さまざまな意味からも日中戦争を再検討する必要があると思われる。感情的にならず、冷静に夫々の発端と経緯を慎重に見極める必要がある。勿論(もちろん)それは、この後に起こったとされている「南京事件」にも関連することである。国内事情の複雑さと謀略が渦巻いていた時代なのである。一方的な主張のみに偏ってはならないだろう。しかし、そうっといって「何もなかった」というのも現実を無視した言い方である。まずは、それぞれの資料の分析を徹底的にするべきだ。【了】
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『8月9日、張治中は蒋介石の許可なしに上海飛行場の外で事件を仕組んだ。張治中が配置しておいた中国軍部隊が日本海軍陸戦隊の中尉と一等兵を射殺したのである。さらに、中国人死刑囚が中国軍の軍服を着せられ、飛行場の門外で射殺された。日本側が先に発砲したように見せる工作である。日本側は事件を穏便に処理したいという意向を示したが、張治中は攻撃許可を求めて蒋介石を攻めたてた。蒋介石はこれを却下し、13日朝、張治中に対して「一時の衝動に駆られて」戦争の口火を切ってはならない、いま一度あらゆる局面を「検討」したうえで計画を提出するように、命じた。翌日、張治中は、「本軍は本日午後5時をもって敵に対する攻撃を開始する決意なり。計画は次のとおり…」と、蒋介石に迫った。14日、中国軍機が日本の旗艦「出雲」を爆撃し、さらには日本海軍陸戦隊および地上に駐機していた海軍航空機にも爆撃をおこなった。張治中は総攻撃を命じた。しかし、蒋介石は「今夜は攻撃をおこなってはならない。命令を待て」と、張を制した。待てども命令が来ないのを見た張治中は、翌日、蒋介石を出し抜いて、日本の戦艦が上海を砲撃し日本軍が中国人に対する攻撃を始めた、と、虚偽の記者発表をおこなった。反日感情が高まり、蒋介石は追いつめられた。翌8月16日、蒋介石はようやく「翌朝払暁を期して総攻撃をおこなう」と命令を出した。一日戦闘をおこなったところで、蒋介石は18日に攻撃中止を命じた。しかし、張治中は命令を無視して攻撃を拡大した。8月22日に日本側が大規模な増援部隊を投入するに至って、全面戦争は避けがたいものとなった。』
8月9日に起きた大山中尉の事件はこのように伝えられていた。『大公報』1937年8月10日号は次のように報道している。8月9日午後5時半、日本海軍将兵2名が自動車に乗り虹橋飛行場に来て、場内に進入しようとした。飛行場の衛兵はこれを阻止しようとしたところ、日本軍側は発砲し始めた。衛兵は、日本軍とのトラブルを避けるように注意を受けていたので、これに反撃せずに退避していた。
ところが、付近の保安隊が銃撃を聞きつけ出動した。これに対し、日本軍側がさらに発砲を行ったことで銃撃戦となり、保安隊員1名と日本人1名がその場で死亡し、日本人1名が重傷の後死亡した。『東京朝日新聞』1937年8月11日付けによると、中国側から銃撃を受けたこと、大山中尉は武器を所持していなかったことが報じられている。
70周年の今年は、さまざまな意味からも日中戦争を再検討する必要があると思われる。感情的にならず、冷静に夫々の発端と経緯を慎重に見極める必要がある。勿論(もちろん)それは、この後に起こったとされている「南京事件」にも関連することである。国内事情の複雑さと謀略が渦巻いていた時代なのである。一方的な主張のみに偏ってはならないだろう。しかし、そうっといって「何もなかった」というのも現実を無視した言い方である。まずは、それぞれの資料の分析を徹底的にするべきだ。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司
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