今週のお役立ち情報
防犯カメラがとらえた! 犯人と被害者の接点は8分40秒(中)
【PJ 2007年08月11日】−
(上)からのつづき。2階のレジ上に設置された防犯カメラは、7月29日22時10分前後の様子を克明にとらえている。トイレで拾った財布から現金を抜き取った犯人、応対する夜間担当マネジャー、ともに金のやり取りはわかる。しかし、音声まで入っていない。
夜間担当マネジャーの証言によると、犯人は「良心をとがめて、金を返しにきた。警察にいわないでくれ」と何度もくり返したという。『武士の情け』のような気持ちから、拾得金として処理することを決めたのだ。ここでも手落ちがあった。店側は誰一人として相手の名前、住所、連絡先などを聞いていなかったのだ。
同日の約1時間後にも、再び太田さんのレジに現れた。『警察に言わないでくれ。窃盗罪になるから』と念を押しにきたのだ。犯人はかなり良心が痛んだのだろう。
夜間担当マネジャーは、明朝の管理責任者へと「引継ぎノート」に正確な金額を記して、現金を金庫に保管したのだ。
翌30日の早朝、警察や消防などに対応する渉外担当者が、引継ぎノートを見て、「まずいな」と頭をかかえたという。『これは犯罪の金だ。はたして拾得金として処理できるのか』。それ以前に、被害者と加害者の住所や氏名がわからない。現金が被害者に返せなければ、泥棒から、金を巻き上げたのとおなじ。「このさき問題が発生すると、嫌な予感を覚えました」と渉外担当者が語ってくれた。
一般人が物品を拾えば交番に届けられ、処理される。デパート、スーパー、駅構内、乗り物など管理区域の拾得物は、一週間以内に所轄警察の会計課に届けることになっている。
『単純な拾得物ではない。一週間も猶予をおけない』そう判断した渉外担当者は、まず電話で交番に問い合わせした。犯行の遺留品か、拾得金か、どちらで処理するべきか、と。
若い警察官では対応できず、交番責任者に代わった。「難しい問題だな」と交番主任すらも判断できず、本署の会計課と刑事課と連絡を取った。結論が出ず、翌日へと持ち越しとなったのだ。
渉外担当者が31日に所轄警察署に出向いた。「犯人が現れたときに、なぜ110番しなかったのか」と問い詰められた。刑法では、盗品と知って買い取ったり、盗んだ金を受け取ったりすれば、罪に問われる。店側は財布から抜き取った、窃盗の金だとわかっていたのだ、警察に即座に通報しなければ、共犯だといわないばかりの口調だったという。
「相手の住所も名前も書きとどめず。その財布は俺のものだといえば、渡すのか。免許証の顔の合致だけで」。10万円以上持ち歩く人ならば、財布にはクレジットカードなどを入っている可能性が高い。それが真の持ち主でない人物に渡れば、第二の犯罪が起きないともかぎらないのだ。財布が果たして、本人自身に間違いなく手渡ったのか、と詰問されると、明白な根拠となるものがまったくないのだ。
被害届が出ていれば、店側が持ち主に現金を返せば、話し合いで解決できるはず。しかし、被害者からは所轄の各交番にも、周辺の警察署にも被害届が出されていなかったのだ。こうなると、問題はさらに厄介な方向に進んでしまう。【つづく】
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記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【 東京都 】
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夜間担当マネジャーの証言によると、犯人は「良心をとがめて、金を返しにきた。警察にいわないでくれ」と何度もくり返したという。『武士の情け』のような気持ちから、拾得金として処理することを決めたのだ。ここでも手落ちがあった。店側は誰一人として相手の名前、住所、連絡先などを聞いていなかったのだ。
同日の約1時間後にも、再び太田さんのレジに現れた。『警察に言わないでくれ。窃盗罪になるから』と念を押しにきたのだ。犯人はかなり良心が痛んだのだろう。
夜間担当マネジャーは、明朝の管理責任者へと「引継ぎノート」に正確な金額を記して、現金を金庫に保管したのだ。
翌30日の早朝、警察や消防などに対応する渉外担当者が、引継ぎノートを見て、「まずいな」と頭をかかえたという。『これは犯罪の金だ。はたして拾得金として処理できるのか』。それ以前に、被害者と加害者の住所や氏名がわからない。現金が被害者に返せなければ、泥棒から、金を巻き上げたのとおなじ。「このさき問題が発生すると、嫌な予感を覚えました」と渉外担当者が語ってくれた。
一般人が物品を拾えば交番に届けられ、処理される。デパート、スーパー、駅構内、乗り物など管理区域の拾得物は、一週間以内に所轄警察の会計課に届けることになっている。
『単純な拾得物ではない。一週間も猶予をおけない』そう判断した渉外担当者は、まず電話で交番に問い合わせした。犯行の遺留品か、拾得金か、どちらで処理するべきか、と。
若い警察官では対応できず、交番責任者に代わった。「難しい問題だな」と交番主任すらも判断できず、本署の会計課と刑事課と連絡を取った。結論が出ず、翌日へと持ち越しとなったのだ。
渉外担当者が31日に所轄警察署に出向いた。「犯人が現れたときに、なぜ110番しなかったのか」と問い詰められた。刑法では、盗品と知って買い取ったり、盗んだ金を受け取ったりすれば、罪に問われる。店側は財布から抜き取った、窃盗の金だとわかっていたのだ、警察に即座に通報しなければ、共犯だといわないばかりの口調だったという。
「相手の住所も名前も書きとどめず。その財布は俺のものだといえば、渡すのか。免許証の顔の合致だけで」。10万円以上持ち歩く人ならば、財布にはクレジットカードなどを入っている可能性が高い。それが真の持ち主でない人物に渡れば、第二の犯罪が起きないともかぎらないのだ。財布が果たして、本人自身に間違いなく手渡ったのか、と詰問されると、明白な根拠となるものがまったくないのだ。
被害届が出ていれば、店側が持ち主に現金を返せば、話し合いで解決できるはず。しかし、被害者からは所轄の各交番にも、周辺の警察署にも被害届が出されていなかったのだ。こうなると、問題はさらに厄介な方向に進んでしまう。【つづく】
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