勝利をこの手に、俺たちの下に。=松本山雅FCの疾走
2007年08月06日15時07分 / 提供:PJ
長野県サッカー選手権大会(天皇杯長野県予選)5回戦が5日、松本平広域公園総合球技場(アルウィン)で行われ、長野県松本市からJリーグ昇格を目指す松本山雅FCは、上田西高校を3−0で下した。
天皇杯――あらためて説明の必要も無い、日本最大のサッカーのトーナメント戦。“長野県ナンバーワン”の座を賭けて、毎年熾烈(しれつ)な県予選が行われている。昨年、松本山雅FCは県予選決勝戦で長野エルザ(現パルセイロ)に大勝し、悲願だった全国の舞台へと駒を進めた。そこで、クラブ・選手・サポーターがどれだけ多くの貴重な経験を積んだことだろうか。有料試合で観客1千人突破、2回戦進出、北海道遠征……。
今年こそ、昨年果たせなかったJクラブとの対戦(3回戦まで勝ち進めば湘南ベルマーレと対戦する)をまずは目指そうではないか。もちろん、その先だって。
対戦相手の上田西高校は、一昨年に高校選手権にも県代表として出場した強豪校である。座っているだけでも汗が滴り落ちるほどの暑さの中、高校生らしい運動量を前面に押し出したサッカーで勝負を挑んでくることは予想出来た。とはいえ、ディフェンディングチャンピオンの名に賭けて、負けるわけにはいかない。
開始直後、スピードで相手DFに競り勝った白尾秀人がシュート。これは惜しくも外れたが、まずは幸先の良いスタートだった。上田西の印象は、やはり上下に動きのある高校サッカーであった。4-4-2のシステムながら、全員が攻守に絡んでくる。強い、と思わずうなった。しかし、個人の力や局面でのプレーは、(当然ながら)長野や金沢に比べると一枚落ちる。試合は松本が握り続けた。
この日、もっとも場内を沸かせたプレーを見せたのは、スタメンで中盤の底に入った尾林陽介だろう。前半25分、前線に好パスを送り、自らもシュートを放つ。直後の30分には竹内優にパスを供給、エリア内へと切り込んだ竹内が決定的なチャンスを作り出した。視野が広く、前線の選手の足元にピタリと合わせることのできるパサーが試合を組み立てた。
また、前半36分に待望の先制点につながるクロスを上げたのは右MFで先発出場の中村隼人。中村からのクロスを身体ごと滑り込むように白尾がゴールへと押し込む。そこまで来て、粘りを見せていた上田西のDFラインの足が止まり始める。もともと白尾のスピードには対処出来ていなかったが、前半終了間際、マークの甘くなったところを攻め込まれ、白尾のヘッドで追加点。目に見えて運動量は落ちていた。
前半はそのまま2-0で終了。後半にゴールラッシュの期待を抱かせる展開だったが、なかなかうまくはいかなかった。後半開始直後に、強い通り雨が降った。芝がスリッピーになったからというわけでもないだろうが、しばらく両クラブともゴールから見放される展開となった。
特に、後半フリーの時間が増えた松本は圧倒的にシュートを打つも、ゴールが遠い。31分に白尾のハットトリックとなる3点目で駄目を押したものの、まだまだ取れた印象が残った。だからこそ、あえて相手の息の根を止める“残酷さ”が見たかった。収穫も多かっただけに、その点での物足りなさが残ったのは事実である。
試合終了直後、長野が大原学園に負けたという一報が飛び込んできて、サポーターをどよめかせた。「つまんねー……」一人がつぶやいた。同感である。一発勝負の怖さと言ってしまえばそれまでだが、正直、決勝は長野とやりたかった。 【了】
■試合情報
松本山雅FC 3-0 上田西高校
GK:大野恭稔
DF:金澤慶一、川上耕平→矢畑智裕、三本菅崇、吉田匡良
MF:斉藤智閣→高沢尚利、尾林陽介、竹内優→今井昌太、小澤修一、中村隼人→保利裕介
天皇杯――あらためて説明の必要も無い、日本最大のサッカーのトーナメント戦。“長野県ナンバーワン”の座を賭けて、毎年熾烈(しれつ)な県予選が行われている。昨年、松本山雅FCは県予選決勝戦で長野エルザ(現パルセイロ)に大勝し、悲願だった全国の舞台へと駒を進めた。そこで、クラブ・選手・サポーターがどれだけ多くの貴重な経験を積んだことだろうか。有料試合で観客1千人突破、2回戦進出、北海道遠征……。
今年こそ、昨年果たせなかったJクラブとの対戦(3回戦まで勝ち進めば湘南ベルマーレと対戦する)をまずは目指そうではないか。もちろん、その先だって。
対戦相手の上田西高校は、一昨年に高校選手権にも県代表として出場した強豪校である。座っているだけでも汗が滴り落ちるほどの暑さの中、高校生らしい運動量を前面に押し出したサッカーで勝負を挑んでくることは予想出来た。とはいえ、ディフェンディングチャンピオンの名に賭けて、負けるわけにはいかない。
開始直後、スピードで相手DFに競り勝った白尾秀人がシュート。これは惜しくも外れたが、まずは幸先の良いスタートだった。上田西の印象は、やはり上下に動きのある高校サッカーであった。4-4-2のシステムながら、全員が攻守に絡んでくる。強い、と思わずうなった。しかし、個人の力や局面でのプレーは、(当然ながら)長野や金沢に比べると一枚落ちる。試合は松本が握り続けた。
この日、もっとも場内を沸かせたプレーを見せたのは、スタメンで中盤の底に入った尾林陽介だろう。前半25分、前線に好パスを送り、自らもシュートを放つ。直後の30分には竹内優にパスを供給、エリア内へと切り込んだ竹内が決定的なチャンスを作り出した。視野が広く、前線の選手の足元にピタリと合わせることのできるパサーが試合を組み立てた。
また、前半36分に待望の先制点につながるクロスを上げたのは右MFで先発出場の中村隼人。中村からのクロスを身体ごと滑り込むように白尾がゴールへと押し込む。そこまで来て、粘りを見せていた上田西のDFラインの足が止まり始める。もともと白尾のスピードには対処出来ていなかったが、前半終了間際、マークの甘くなったところを攻め込まれ、白尾のヘッドで追加点。目に見えて運動量は落ちていた。
前半はそのまま2-0で終了。後半にゴールラッシュの期待を抱かせる展開だったが、なかなかうまくはいかなかった。後半開始直後に、強い通り雨が降った。芝がスリッピーになったからというわけでもないだろうが、しばらく両クラブともゴールから見放される展開となった。
特に、後半フリーの時間が増えた松本は圧倒的にシュートを打つも、ゴールが遠い。31分に白尾のハットトリックとなる3点目で駄目を押したものの、まだまだ取れた印象が残った。だからこそ、あえて相手の息の根を止める“残酷さ”が見たかった。収穫も多かっただけに、その点での物足りなさが残ったのは事実である。
試合終了直後、長野が大原学園に負けたという一報が飛び込んできて、サポーターをどよめかせた。「つまんねー……」一人がつぶやいた。同感である。一発勝負の怖さと言ってしまえばそれまでだが、正直、決勝は長野とやりたかった。 【了】
■試合情報
松本山雅FC 3-0 上田西高校
GK:大野恭稔
DF:金澤慶一、川上耕平→矢畑智裕、三本菅崇、吉田匡良
MF:斉藤智閣→高沢尚利、尾林陽介、竹内優→今井昌太、小澤修一、中村隼人→保利裕介
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 多岐 太宿
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