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植草一秀教授 著書で無実訴え、 『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)

2007年08月04日08時02分 / 提供:PJ

pj
植草一秀教授 著書で無実訴え、  『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)
昨年9月に起きた痴漢事件の罪に問われている植草一秀元教授の著書が出版された。植草氏はこれまで容疑を一貫して否定しており、公判では無実を決定づける目撃証言も現れた。マスコミがこれらの情報を一切報じない中、植草氏が自著で直接無実を訴えた形だ。

 同書は06年11月中旬から07年1月中旬にかけて東京拘置所内で書かれたものである。資料のない中で執筆し、保釈後に補足したという。4部構成となっており、時事評論や半生記、拘置所生活での思い、巻き込まれた事件の概要をつづっている。

 事件については、植草氏が記憶するままを書いている。女性の甲高い声で半眠りの状態から覚めると、騒ぎが起きていた。痴漢の疑いを掛けられていた。誰かに左側と後ろをつかまれ、話もさせてもらえない。駅事務室に連れていかれ、そこでも「とにかく女性と話をさせてくれ」と訴えるが、聞き入れられなかった。

 植草氏は具体的に何を疑われているか分からなかったという。裁判所で「女子高生の臀部(でんぶ))をスカートの上から、さらに下着の上から手指で撫(な)でるなどした」との被擬事実の記載を見て、驚く。起訴までの20日余りは、脅迫まがいの取り調べが続いた。マスコミにはうその供述が流されていたことを後で知る。

 蒲田駅事務室での自殺未遂のため両目が充血し、治るのに1カ月ほどかかったと明かす。事件に巻き込まれたときの植草氏の絶望感が察せられる。
 
 時事評論での前小泉政権への批判は鋭く、「五つの大罪」を挙げている、すなわち経済政策、改革の内容、弱者切り捨ての施策、米国追従の外交姿勢、独裁的な権力の乱用である。小泉政策の矛盾を象徴するものとして、りそな銀行の救済を挙げている。03年5月17日、当時の竹中平蔵金融相は「退出すべき企業は市場から退出させる」方針から一転して税金による銀行救済を表明。りそなの株価は急反発し、外資系ファンドが大もうけしたとされる。この過程で大規模なインサイダー取引が行われたのではないかと指摘する。

 痴漢容疑による植草氏の逮捕は、この疑惑を追及したことが原因ではないかともうわさされてきた。実際、りそな問題を調べる者が相次いで不審死を遂げたり、植草氏同様の痴漢容疑で逮捕されている。そのことにも触れている以上、並ならぬ決意を感じる。

 132日間に及ぶ拘置所生活を支えたのは、家族や知人、支援者からの励ましの手紙だったという。「心が傷付き、打ちのめされたとき、癒せるのは愛の力だけだと思う」と記す。クリスマスイブの夕食にケーキが出て、平原綾香さんの曲が流れた。引き裂かれる人がいることを思い、涙が止まらなかったと述懐する。

 同書は経済政策論から生い立ちに至るまで毛色の違う記述が混在するが、違和感は感じない。氏の文章が、私的な物欲より社会の公正さを重んじる視点に貫かれているからではないだろうか。彼の気質をうかがわせるくだりがある。
 「(1991年に)京大助教授に就任後、メディアに登場することが増えたが、希望したことではなかった。地位、名声、金銭を求めてもいなかった。経済政策への批判は純粋に良心に従った行動だった」

 彼が巨悪をたたく一方で、障害者や母子家庭らへの保護策を提言し続けるのは合点がいく。されたことしかできないのが人間である。孤独の中で、誰かに信じてもらえたことのある人間なら、彼の文章が本心からのものだと了解できるはずである。【了】

■関連情報
「植草一秀教授は無実だ」、検察が矛盾とわたしは見る
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 高橋 清隆

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