今夏の移籍マーケットで静かな動きを続けているチェルシーが、遂に大物獲りに動く可能性が出てきた。英国大衆紙『ザ・サン』のインタビューで、バルセロナのMFデコが、チェルシー移籍を示唆するコメントを残したのだ。

 デコといえば、ジョゼ・モウリーニョ監督がポルトで指揮を執っていた時代の教え子。欧州チャンピオンズ・リーグで優勝したポルトで中心的な役割を担っていた選手であり、モウリーニョがチェルシーの監督就任を決めた際には、デコにもロンドン行きを勧めたと言われている。

 一度はモウリーニョの誘いを断ったデコだが、今夏に大型補強を敢行したバルサでポジションを失う可能性があることから、今オフの移籍をほのめかす態度を示している。そして今回、恩師モウリーニョの下で再びプレーすることについて、「魅力的だ」と語ったポルトガル代表は、チェルシー移籍の可能性をはっきりと認めた。

「ジョゼの下でもう一度プレーするのは、僕にとってとても魅力的なこと。僕のキャリアに大きな影響を与えた人だし、彼なしじゃ今の僕はない。もう一度、彼のチームでプレーできたら嬉しいね。プレミアリーグとスペインリーグは、ほぼ同じレベルだと思うし、いつかはイングランドでプレーしてみたいと思う。それに、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドなら、バルセロナと比べても遜色ないクラブだよ。両クラブともビッグクラブであることは間違いないし、そんなクラブでプレーできれば素晴らしいと思うよ」

 プレミアリーグの覇権奪回を狙うチェルシーだが、戦力補強の戦略を“大物獲り”から“戦力熟成”にシフトチェンジ。そのため、移籍金を支払って獲得したのはMFフロラン・マルダのみと、不気味なほど大人しい夏を過ごしていた。それでも、補強資金には何不自由のないチェルシー。ピーター・ケニオン最高経営責任者も「必要とあらば、資金に糸目はつけない」と語っており、実績十分のデコから“逆指名”を受けたチェルシーが、電光石火の大型補強をまとめる可能性は十分にありそうだ。