「警察が相手だからしょうがない」と取材をあきらめるマスコミ=8年前の野球少年丸谷君の死亡事件(下)
2007年07月31日04時48分 / 提供:PJ
(上)からのつづき。マスコミの報道姿勢は・・・
記者は上記メールのもと、さらに、丸谷さんに、当時のマスコミの報道姿勢などについて取材を進めた。
−息子さんの事件の件は、1999年12月29日から2000年上半期にかけて、マスコミが取材をしてくれたということですが、当時、丸谷さんは、マスコミにどのような情報を伝え、マスコミが取材を行ってくれたのでしょうか。
「2000年になってまず毎日放送(テレビ)のほうから収集可能な書類を送るようにと電話をいただきました。病院の死体検案書、市役所発行の埋葬許可書などを送りましたが、『検討の結果殺し方のプロに完全にやられてしまった。遺体が荼毘(だび)にふされ灰になってしまっては手の出しようがない』との回答を頂戴(ちょうだい)しました。
「次に、フジテレビのディレクターに話していただいており、日曜の夕刻6時からの番組で取り扱うとの連絡を頂戴しました。この時は康政の顔写真3枚を送付しました。6月になって少年犯罪被害当事者の会代表の武るり子さんが大阪読売テレビに連絡してくださり、ニュース番組が和歌山まで取材に来てくれました。このころ共同通信も取材をしてくれていましたが、『自殺』という判断でありました」
「しかし、中学時代の旧友で、ニュース和歌山で編集長をしていた福田美明氏には、消防署にも同行してもらいました。警察への取材は県会議員の長坂氏が先にとり付けていたので、福田氏の同行はありませんでした。こども劇場の島久美子さんの尽力で、6月29日和歌山県庁記者室において、共同記者会見を開いていただきました」
−数社のマスコミが取材した後、結局、テレビのニュース報道として、読売テレビだけが、取材した事実を報道してくれたということですか。
「はい その通りです」
―読売テレビが、報道してくれたのは、事件からどのくらい経過した時期ですか。
「2000年6月29日です。事件から6カ月後のことです」
―読売テレビは、その後、継続取材や報道は行ってくれているのでしょうか。
「行って頂いておりません」
―読売テレビ以外のマスコミは『警察が相手だからしょうがない』といい、取材が中断してしまったということですか。『警察が相手だからしょうがない』とは、どういう意味だと丸谷さんは受け止めておられますか。
「読売テレビが警察の許可を得ず放送したことで、その後和歌山東署管内にて発生した事件の取材を読売テレビだけが拒否されるということがありました。最近大阪府警の刑事がゼネコンと共謀して逮捕された事件ですが、これは稀(まれ)なケースです。和歌山では県警レベルのノンキャリア層の警官が、暴力団や町の実力者の使いパシリになりさがっています。高圧的に、低姿勢に、臨機応変に対処し自分たちの都合のいい方向へと事を運びます」
「『警察が相手ではしょうがない』と言ったのは、朝日新聞の新米記者です。彼は大阪からハイヤーを乗り付け、和歌山東署に取材に来て、ハイヤーで帰りました。まさに『花』の職業です。取材にハイヤーをチャーターして時間がくれば帰っていく様子をみれば、真実を追求する姿ではなく、親方日の丸体制に、ドップリと浸かっている感じがしました。またこの新米記者は、警察を精神君主的に考えている様子でもありました。警察官らの日本赤十字においての蛮行について事実確認をする際、警察側にうまくあしらわれた様子でした」
―息子さんが亡くなられた時期に、栃木の「リンチ殺人事件」や滋賀の「青木悠君の事件」、山口の「親子殺人事件」など、マスコミが取材をした上、番組として放送されているのを羨(うらや)ましく思ったということですが、それらの事件は、警察の初動捜査のミスを疑う事案ではなかったということでしょうか。
「須藤さんのことは、警察に須藤さんが正和氏が軟禁されている時点で、正和氏の捜索を要望したのに、警察に無視されたという事案です。青木さんは警察に対してではなく、身体障害の人に健常者がリンチしたという事実を人道的な倫理観を提起している事案です。山口の事件は、「死刑」に対する法廷論争になってしまったようで、主題を顛倒(てんとう)させる法曹会の悪しき風習に対して問題提起している事案です」
「どの事件も親族に起こった事実を世間にマスコミを通じ発信出来ています。わが子、康政の『鳥徳ビルに関する事件』は、大前提に『自殺』とジャッジされ、日赤での警察官らの蛮行に対する報道はありません」
「また、徳島の三笠さんが『自殺』とされた事件について、鳥越俊太郎さんが、現場取材などされ、テレビで取り上げておられましたが、靖政の事件も同じような事件なのに、マスコミが継続して取り上げてくれないことに対して、マスコミに疑問を抱きました」
「捜査にあたった警察官らに、一矢酬(むく)いることなく、事件が、闇の中に葬られることに対するわたしたち遺族のいら立ちが、報道された遺族へのせん望となりました。『いいなあ』と思いました」
―お母様の丸谷るみさんは、「生命のメッセージ展」で、開催費用として販売しているハートグッズ製品を製作することで、日々、心を紛らわせておられるということですが、「生命のメッセージ展」は、頻繁に開催されているのですか。
「年4回開催されることもあったり、その年によって回数はまちまちです。鈴木共子さんをモデルにした「ゼロのからの風」の上映を機に、これから2年間は、『生命のメッセージ展』の開催もいつもより増えるようです。開催のたびに費用も必要ですし、私が作るハートグッズ小物が、開催費用の一助になればうれしいし 何よりメッセンジャーたちの事を忘れないでほしいと願い、 毎日ハートグッズ小物の製作に励んでいます」
07年7月14日〜17日まで、大阪南港ATCで「生命のメッセージ展」が開催されました。PJニュースは、「生命のメッセージ展」(主催:「生命のメッセージ展 in 大阪南港 ATC」実行委員会、共催:ABCこども未来プロジェクト・アジア太平洋トレードセンター)主催者・共催者に、同展内における丸谷康政君の人型・写真パネルの写真撮影などの許可をいただきました。「生命のメッセージ展」における丸谷君のメッセージは、【動画】でご覧いただけます。【動画】では、来場者の許可を得て、丸谷君のメッセージを見る来場者の映像も撮影しています。取材にご協力いただき、ありがとうございました。【了】
■関連情報
『生きる』15歳で逝った息子のメッセージ
野球少年丸谷君の「飛び降り自殺」は、警察捜査の怠慢か
理不尽な死。被害者のメッセージ伝えたい=生命のメッセージ展
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PJ渡辺直子【刑事裁判】取材記事リンク集
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−息子さんの事件の件は、1999年12月29日から2000年上半期にかけて、マスコミが取材をしてくれたということですが、当時、丸谷さんは、マスコミにどのような情報を伝え、マスコミが取材を行ってくれたのでしょうか。
「2000年になってまず毎日放送(テレビ)のほうから収集可能な書類を送るようにと電話をいただきました。病院の死体検案書、市役所発行の埋葬許可書などを送りましたが、『検討の結果殺し方のプロに完全にやられてしまった。遺体が荼毘(だび)にふされ灰になってしまっては手の出しようがない』との回答を頂戴(ちょうだい)しました。
「次に、フジテレビのディレクターに話していただいており、日曜の夕刻6時からの番組で取り扱うとの連絡を頂戴しました。この時は康政の顔写真3枚を送付しました。6月になって少年犯罪被害当事者の会代表の武るり子さんが大阪読売テレビに連絡してくださり、ニュース番組が和歌山まで取材に来てくれました。このころ共同通信も取材をしてくれていましたが、『自殺』という判断でありました」
「しかし、中学時代の旧友で、ニュース和歌山で編集長をしていた福田美明氏には、消防署にも同行してもらいました。警察への取材は県会議員の長坂氏が先にとり付けていたので、福田氏の同行はありませんでした。こども劇場の島久美子さんの尽力で、6月29日和歌山県庁記者室において、共同記者会見を開いていただきました」
−数社のマスコミが取材した後、結局、テレビのニュース報道として、読売テレビだけが、取材した事実を報道してくれたということですか。
「はい その通りです」
―読売テレビが、報道してくれたのは、事件からどのくらい経過した時期ですか。
「2000年6月29日です。事件から6カ月後のことです」
―読売テレビは、その後、継続取材や報道は行ってくれているのでしょうか。
「行って頂いておりません」
―読売テレビ以外のマスコミは『警察が相手だからしょうがない』といい、取材が中断してしまったということですか。『警察が相手だからしょうがない』とは、どういう意味だと丸谷さんは受け止めておられますか。
「読売テレビが警察の許可を得ず放送したことで、その後和歌山東署管内にて発生した事件の取材を読売テレビだけが拒否されるということがありました。最近大阪府警の刑事がゼネコンと共謀して逮捕された事件ですが、これは稀(まれ)なケースです。和歌山では県警レベルのノンキャリア層の警官が、暴力団や町の実力者の使いパシリになりさがっています。高圧的に、低姿勢に、臨機応変に対処し自分たちの都合のいい方向へと事を運びます」
「『警察が相手ではしょうがない』と言ったのは、朝日新聞の新米記者です。彼は大阪からハイヤーを乗り付け、和歌山東署に取材に来て、ハイヤーで帰りました。まさに『花』の職業です。取材にハイヤーをチャーターして時間がくれば帰っていく様子をみれば、真実を追求する姿ではなく、親方日の丸体制に、ドップリと浸かっている感じがしました。またこの新米記者は、警察を精神君主的に考えている様子でもありました。警察官らの日本赤十字においての蛮行について事実確認をする際、警察側にうまくあしらわれた様子でした」
―息子さんが亡くなられた時期に、栃木の「リンチ殺人事件」や滋賀の「青木悠君の事件」、山口の「親子殺人事件」など、マスコミが取材をした上、番組として放送されているのを羨(うらや)ましく思ったということですが、それらの事件は、警察の初動捜査のミスを疑う事案ではなかったということでしょうか。
「須藤さんのことは、警察に須藤さんが正和氏が軟禁されている時点で、正和氏の捜索を要望したのに、警察に無視されたという事案です。青木さんは警察に対してではなく、身体障害の人に健常者がリンチしたという事実を人道的な倫理観を提起している事案です。山口の事件は、「死刑」に対する法廷論争になってしまったようで、主題を顛倒(てんとう)させる法曹会の悪しき風習に対して問題提起している事案です」
「どの事件も親族に起こった事実を世間にマスコミを通じ発信出来ています。わが子、康政の『鳥徳ビルに関する事件』は、大前提に『自殺』とジャッジされ、日赤での警察官らの蛮行に対する報道はありません」
「また、徳島の三笠さんが『自殺』とされた事件について、鳥越俊太郎さんが、現場取材などされ、テレビで取り上げておられましたが、靖政の事件も同じような事件なのに、マスコミが継続して取り上げてくれないことに対して、マスコミに疑問を抱きました」
「捜査にあたった警察官らに、一矢酬(むく)いることなく、事件が、闇の中に葬られることに対するわたしたち遺族のいら立ちが、報道された遺族へのせん望となりました。『いいなあ』と思いました」
―お母様の丸谷るみさんは、「生命のメッセージ展」で、開催費用として販売しているハートグッズ製品を製作することで、日々、心を紛らわせておられるということですが、「生命のメッセージ展」は、頻繁に開催されているのですか。
「年4回開催されることもあったり、その年によって回数はまちまちです。鈴木共子さんをモデルにした「ゼロのからの風」の上映を機に、これから2年間は、『生命のメッセージ展』の開催もいつもより増えるようです。開催のたびに費用も必要ですし、私が作るハートグッズ小物が、開催費用の一助になればうれしいし 何よりメッセンジャーたちの事を忘れないでほしいと願い、 毎日ハートグッズ小物の製作に励んでいます」
07年7月14日〜17日まで、大阪南港ATCで「生命のメッセージ展」が開催されました。PJニュースは、「生命のメッセージ展」(主催:「生命のメッセージ展 in 大阪南港 ATC」実行委員会、共催:ABCこども未来プロジェクト・アジア太平洋トレードセンター)主催者・共催者に、同展内における丸谷康政君の人型・写真パネルの写真撮影などの許可をいただきました。「生命のメッセージ展」における丸谷君のメッセージは、【動画】でご覧いただけます。【動画】では、来場者の許可を得て、丸谷君のメッセージを見る来場者の映像も撮影しています。取材にご協力いただき、ありがとうございました。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 新納 直子
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