売れる商品はアキバから!ヒット商品を生む為には
2007年07月30日20時00分 / 提供:livedoor キャリア
売れる商品はアキバから!
■Profile
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経済アナリスト 森永卓郎氏
獨協大学 経済学部 教授
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 客員研究員
「年収300万円時代を生き抜く経済学」の著者。数々のニュースコメンテーターにラジオのパーソナリティーと幅広く活躍する経済アナリスト。東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局などを経て現在に至る。専門分野はマクロ経済、労働経済、教育計画など。ミニカーコレクターとしても有名。
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■商品の「付加価値」が生み出した価格格差
格差の拡大が、大きな関心を集めています。確かに小泉内閣の進める構造改革によって、格差が拡大しているのは事実でしょう。しかし、構造改革政策とは無関係に、長期的に続く経済の構造変化もまた、格差拡大をもたらしているのです。
第一次産業が主流の時代は、生産物に大きな付加価値の差がつきません。例えば、お米を考えてみると、普通のお米とブランド米の価格差はせいぜい2倍程度です。しかも、同じ地域で獲れるお米だったら、価格差はもっと小さいでしょう。ですから、お米を作る人に求められるのは、きちんと土作りをしたり、稲を害虫や病気から守ったり、水を管理したりと、まじめな努力を積み重ねて、収量を確保することです。
ところが、第二次産業が主流になると付加価値に少し大きな格差がつきます。例えば、自動車だと大衆車と高級スポーツカーでは10倍程度の付加価値の差がついてきます。そこでは、アイデアや感性などが求められるようになるのです。
第三次産業が主流になると、格差はさらに拡大します。新型自動車の開発で粘土製の模型を作る前段階に「アイデアスケッチ」というものが必要になります。以前、その値段を世界中のデザイン事務所を対象に調べたことがあったのですが、数万円から1000万円を超えるものまで、とても大きな価格差がありました。
つまり、経済構造がサービス化、知的創造化していくと、付加価値の面からも、自動的に格差は広がる構造になっているのです。技術との関係を考えるために、もう少し具体的に日本経済の構造がどのように変化したのかを、消費面から返っておきましょう。
■技術トレンドのスピードを上げる「付加価値」の変化
戦後の高度経済成長の時代は1960年から1975年のたった15年間でした。しかし、その期間に日本の消費構造はとても大きな変化を経験しました。例えば、耐久消費財の普及率をみると、高度経済成長が始まった1960年には、冷蔵庫10.1%、掃除機7.7%、石油ストーブ0.0%、カラーテレビ 0.0%でした。ほとんどの家庭に存在しなかったのです。それが高度成長末期の1974年には、それぞれ96.5%、97.6%、89.6%、90.3%と、ほとんどの家庭が持つようになるのです。
なぜ、こんな劇的な普及率の上昇があったのかと言うと、自分の欲しいものを買っていたわけではなく、「隣の家が買うから自分も買う」という横並び消費が行われたからです。
DATA1耐久消費財の普及率1960年vs1974年
この時代は企業にとっては夢の時代でした。なぜなら、トレンドに乗った商品を作れば、みなが横並び消費をしてくれるのですから、必ず売れることが分かっていたからです。技術者も、いかに決められた製品を効率よく作るかだけが課題だったので、ゴールの定まった開発を行えばすみました。
ところが1975年以降、低成長期に入って、「作れば売れる」という時代は終わりました。しかし消費者は何が欲しいのかを言ってくれません。そこで企業が苦肉の策として編み出したのが、多品種少量生産という仕組みでした。ただ、そこで行われたのは缶ビールの缶の大きさを多様化したり、冷蔵庫の扉の色を増やしたりする、見かけだけの多様化でした。
そして、2000年以降、私は本当の多様化が始まったのだと思っています。消費者が明確に自分の欲しいもの、個性を主張し始めたのです。その理由は、所得水準が豊かになったこと以外に二つが加わっています。ひとつは、ライフスタイルの多様化です。2005年の国勢調査の結果はまだ公表されていませんが、 30歳台前半男性の非婚率は、全国で5割、東京都で6割に達すると見込まれます。既婚者と比べると独身者ははるかに自由なライフスタイルを形成することができます。つまり、多様化が可能になるのです。
もうひとつの要因はITの進化です。ITの一番大きな機能は膨大な情報の海から瞬時に適合するものを見つけ出すことです。この機能を使って、いまマニアックな嗜好を持つ者同士が結びつき合うようになってきており、それが新しいマーケットを生みだしているのです。
こうした変化を踏まえると、今後のマーケットは、多様化、細分化が一層進み、しかもそれがどんどん変化していくことになると思われます。そのとき、技術はどう変わるのでしょうか。私は、突然新しい変化が起こるというよりも、(1)技術の成功確率の低下、(2)技術の小粒化、(3)技術の短命化といういまの技術トレンドが、いままで以上のスピードで進むのだと考えています。
実際、統計でみても、1960年には付加価値全体の45.3%を占めていた過去10年間に登場した商品の割合が、19990年には5.8%にまで減っています。誰もが欲しがる新商品が誕生して経済を牽引するのではなく、既存の商品が多様化することで付加価値が生まれるようになってきているのです。また、ひとつの技術が開発されて、それが市場で利益を生む期間も1950年代以前は21.8年あったのが、1990年以降は3.2年に短縮化しています。
■10年後のことは秋葉原に聞け!
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