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【ルポ】自費出版を持ち込んでみたが・・・。 (下)

【PJ 2007年07月29日】− (中)からのつづき。次に、肝心の「出版企画書」に目を通してみた。A4で8枚綴りとなっており、6枚目までは校正、表紙デザインの決定、印刷、製本、広告、流通など大まかな「今後の予定」が記されていた。そして最後、肝心の値段を見て驚愕した。

ご負担費用
 出版費用 ¥199,0000(税別)
 反則オプション費 ¥80,000(税別)
 総額 2,173,500円(税込)

本文ページ数 304ページ
発行部数  500部(うち、50部をお渡しします)
予価 800円(税込み金額 840円)

 3週間前の「打ち合わせ」では、明言こそしなかったものの、「1000冊刷るのに100万円」とのことだった。それが金額だけが倍になり、発行部数が半減している。しかも、価格が800円に抑えられている。印税も1割と言っていたのに「7%」と書かれており、しかもそれが支払われるのは「増刷時」からとのこと。

 何もかも話が違う。いや、こちらが勝手に勘違い、というより期待しすぎていただけかもしれない。自分が書いた小説の価値が所詮その程度、と素直に受け取るべきでもある。が、それにしても、217万5300円の元手を取り戻すに、1冊につき56円の印税の本を一体どれだけ売ればよいのであろうか。計算によると3万8845冊、そこまで売れればもう大ヒットの域である。とてもそんな自信はない。しかも、それでも元を取るだけであり、利益にはならないのだから。

 もちろん原稿料などは一切ない。最も不可解なのは、「50部お渡しする」の文句である。友人や親戚に自分で売れ、ということであろうか。それにしては数が多すぎる。

 以上が「企画A」だが、もう1つ、「企画B」も載せられていた。こちらはいわゆる電子出版だが、それでも著者の負担額は総額42万5250円である。紙も印刷も製本も流通も必要ない、あえて言えば広告費やコピペの手間がややかかるだけのネット掲載になぜここまで金額が必要なのだろうか。

 当然ながら出版はせず、原稿を返却してもらうことにした。数日後に再度新風舎に出向くと、A氏が応対してはくれたが、「なぜ、(出版を)取りやめる気になったのですか?」と聞かれた。「200万円も用意できないから」といちおう素直に返答してみたが、「あ、それでしたら分割やカード払いもございますが…」と、あくまでビジネスに徹してきた。私はきっぱりと断ったために結局その後すぐに原稿を返してはくれたが、ここで押し切られてしまった人も実際にいるのではないだろうか。

 今回の体験で判明したことは以下の2点である。一般人が本を出すに当たっては、よほどの内容でない限り、利益はおろか元を取ることすらかなり難しいということ。出版社側の説明、具体的には褒め言葉や見積もり算出等には、嘘とまではいかないまでもかなり「あやふやで」「信用に足りない」点が多いということ。今後、自費出版を考えている人は、自分(著作者)があらかじめかなり不利な状況にあるということによく留意する必要がある。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 佐々木 隆【 愛知県 】
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