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【ルポ】「自費出版」を持ち込んでみたが・・・。(上)

2007年07月26日11時05分 / 提供:PJ

pj
今月初め、主に自費出版を請け負う出版社、新風舎が告訴された。内容は「全国の書店に並べられると約束されたはずの自分(原告)の本が、地元の一部の書店にしか並べられていなかった」というものであった。

 「そもそも、『自費』でない出版、いわゆる企画出版でも、取り巻く状況がなかなか厳しいのが現実です。芸能人やスポーツ選手、政治家など著名人ではない、ごく一般人が『資金ゼロで』本を出そうと思っても、よほど『中身がある』『レベルの高い』内容の文章でない限り不可能です。何故なら出版社も善意ではなく、商売でやっているから。でも、そこへ『救いの手を出す』のが、自費出版を請け負う新風舎のような出版社なんです・・・」。私が当の新風舎の社員から言われた台詞の要約である。

 自費出版とその「商談」が、どのようなものなのか、この目と耳で確認しておこうと先日、私は新風舎に電話予約を入れ、自らの出版原稿及びアイデア(プロット)の持ち込みをした。運良く「企画出版」という算段になれば、そのまま出版してもらおうとは目論んでいたのも事実だ。その商談の席で出たのが上記の台詞である。

 私が新風舎に持ち込んだのは「小説」。昨年(2006年)、大学の図書館で書いていたものである。もちろん、ほとんど学生としての趣味の範囲のもの、友人や後輩らには見せたものの、書いていた当初は出版しようとも、ましてや自費でどうこうなどとは全く考えていなかった。

 私を「担当」することになった新風舎のチーフマネージャー兼出版プロデューサーのA氏は、「知名度や実績がない人にも、世の中に伝えたいことがあるはず。自費出版によってそういう人の夢をかなえてあげることが、私たちの使命だ」という内容の台詞を、30分ほどの「打ち合わせ」で4度は口にした。もちろん、それ自体に異論はない。嫌みではなく実に夢のある仕事と言えそうだ。問題はそれが「正しく」行われるかどうか、具体的には、「こっち(著者)が金を払うぶん、それに見合った仕事をしてくれるかどうか」であろう。

 「なるほど、これは面白そうですねぇ…」。A氏は私の小説冒頭7ページほどをとりあえず読んでこう言った。褒められれば私だって悪い気はしない。しかし、それが「やり口」だとはもちろん知っていた。それが「本音」だとしても、こちらとしては企画出版にならなければ意味がない。褒めてもらっただけでは1円にもならないのだから。一番気になる出版した後の収入、つまり印税について、A氏は「基本的には本の値段の1割です。例えば、1冊1000円の本が1000冊売れたとすると、著作者に入る印税は100×1000で10万円です」と告げた。

 これを聞いたとき、既に「あぁ、安いんだなぁ…」と思った。1割というのが割合として少ないし、1万冊売れたとしても100万円、小説の執筆や取材に当てた時間や手間を考えれば、はっきり言って割に合わない気もした。繰り返すが、書いていた時は金のことは全く考えていなかった。いざ金額を提示されると、我ながら文字通り現金なものである。

 「本を出版するには、印刷や広告掲載、デザインの依頼、配送などで、どれだけ少なく見積もっても100万円はかかるんです。だから、その元を取る為には、最低でも1000部は売り上げなくてはならないんです。実際にその1000部売れそうかどうか、弊社で審議しなくてはなりません」。なるほど、金さえ積めば何でも世に送り出してくれるのかと思っていたが、そうでもないらしい。とりあえず原稿とアイデアを預けることにした。「上層部」での審議に2週間ほどかかるという。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 佐々木 隆

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