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大地震で山は脆いぞ。落石・倒木で死んだら、だれの責任?(下)

大地震で山は脆いぞ。落石・倒木で死んだら、だれの責任?(下)
最近は山の崩落が多い。登山者は自己責任で、峻峰を登ろう。落石、倒木、滑落、だれも生命を保障してくれない。訴えても、門前払いだろう。(撮影:穂高健一、9日)
【PJ 2007年07月25日】− (中)からのつづき。 多くの山小屋が善意で登山者の安全のために、高山植物の保護のために、木道の手入れ、注意標識の設置、立ち入り規制、危険木の処置など講じている。北アルプスなど国立公園は広大な山岳である。それは長い距離であり、人手と資金の制約から数年一度しか手が入らない。

 この間に、木道が腐っていたり、岩場の鉄ボルトが抜け落ちていたりする。それが起因して、登山者に事故が発生した場合はどうなるのだろうか。この点について、PJはさらに突っ込んでみた。「司法の判断です。裁判の結果しだいでしょうね。過去には、そういう裁判はなかったと思います。最近の事例で、穂高岳の登山者が落石で死んだ。国や山小屋を相手に訴えていないと思います」と林野庁・国有林野総合利用推進室の担当官は話す。

 そのうえで、「一般道の事故の判例などでは、危険な登山道とは違い、という文言が判決のなかで出てきます。逆説的には、登山は自己責任、と裁判所は解釈しているではないでしょうか」とつけ加えた。

 「山小屋のベンチが腐っていたので、怪我したとか、隣接する古木が倒れてきて怪我したとか。この場合はすべての責任が山小屋にあります。国は責任を負わないという考えです」と国有林野管理室の担当官は説明する。林野庁が貸し付けた用途、面積の欄に登山道が載っている面積の範囲内に限って16条の適用がされるのだと強調した。

 山小屋の敷地を越えた「その周辺」という解釈については、「山小屋が借りている土地の周辺で、野トイレ、写真を撮る、景色を楽しむなどの行為が通常行われている範囲内です。主登山道から山小屋に引っ込む道も該当します」と話す。

 同契約の5項の保険について聞いてみた。「事業者は、山小屋の敷地内で発生した事故に対応すべき、損害賠償責任保険に入っていたほうが良い、という指導です。特別に指定する保険の種類など考えていません。保険に入っていないからといって、山小屋に土地の貸付契約を結ばないという条項ではありません」とつけくわえた。

 林野庁は、アルプスなど高所の縦走路における整備の必要性を認めていない。登山道は山小屋が借り受けた土地でもない。国や自治体にも貸し出されていない、誰にも属さない登山道だ。つまり、平安時代、鎌倉時代から山岳信仰などで自然発生した道だ。管理責任の所在がない道だ。

 登山者がこうした登山道で事故に遭った場合、国や山小屋、さらに登山道を善意で整備した第三者(ボランティア)などを訴えても、奥入瀬と同様に登山者に有利な判決が下りる可能性はまずないだろう。

 登山者は自己責任の範囲内で、山岳に登るべきだ。「高所登山で、落石や倒木などで死傷すれば、己の落ち度。責任は他に転嫁できない」という認識を持つべきだ。PJは監督官庁、山岳関係者の取材からその結論に達した。夏山は豪雨の後でもあり、度重なる地震で地盤がとくに弱くなっている。十二分に注意しよう。【了】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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