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作家・遠藤周作の遺志を継いで、素人がちゃんばら芝居=東京

作家・遠藤周作の遺志を継いで、素人がちゃんばら芝居=東京
故遠藤周作さんが立ち上げた、素人劇団「the殺陣クラブ」。殺陣の振り付けがプロだけに迫力がある。日本橋劇場で、(撮影:穂高健一、21日) 写真一覧(4件)
【PJ 2007年07月23日】− 遠藤周作さんが立ち上げた、素人劇団「樹座」は、96(平成8)年の遠藤さんの死とともに解散した。そこで殺陣をやっていたひとたちが「the殺陣クラブ」をつくり、月に2回稽古(けいこ)する。そして、2年に一度公演が行う。

 同クラブの第5回公演が21日、東京・日本橋劇場で行われた。題名は「旅寝の仙太郎」。制作・脚本は宮部尚さん。

 「台本は毎回、西部劇をもじった書き下ろしです。ことしは西部劇映画の名作『シェーン』です」と、出演者のひとり、作家の高橋千劔破(ちはや)さんが教えてくれた。出演者は15歳の新人から、91歳の女性まで。作家が多く出演するので、文士劇の色合いが強い。

 主催者は幕前のあいさつで、「やじは自由です。役者が舞い上がるから、大いに歓迎」という。さらには、「フラッシュも自由です。役者は自分が写されていると思うから、どんどんフラッシュをたいて写真を撮ってください」と述べる。プロの演劇と違い、舞台と観客が一体となっているのが特徴だ。

 「旅寝の仙太郎」はちゃんばら劇。股旅(またたび)姿の主役・仙太郎はなぜか女性ばかりで、石井純子さん、吉田朋子さん、高田恵子さんと引き継がれていく。3人が入れ替わることには、特別の意味合いがなさそう。素人だから、主役一人の長い台詞(せりふ)が覚えにくいからか、それで交代制をとったのか、と連想してしまう。

 殺陣振り付け、ダンス振り付け、演出、舞台監督などは遠藤周作さん時代からの流れを引き継いでいる。素人役者だが、超プロから振り付けけられているので、殺陣の形も、踊りも様になっている。しかし、劇中に台詞を忘れたり、刀を落としたり、歌の音程を外したりする。素人役者なりには真剣だから、余計に滑稽(こっけい)だ。

 ストーリーは『シェーン』と同じで、流れ者・仙太郎が開拓地に来て、地場の悪人を懲らしめる、という方向に進む。舞台装置は時代を飛び越えたり、西洋のダンスがあったり、ミュージカル調になったりするから、観(み)るほうは文人のユーモア劇に思えてしまう。

 遠藤周作さんは死後も人気が衰えない稀有(けう)な作家だ。観客席には役者の知り合いだけでなく、著名な現役作家、遠藤文学を愛好するひとたちで満員だった。笑ったり、やじを飛ばしたり、舞台と観客が一体となって楽しんでいた。【了】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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