22日午後、新レアル・マドリーは、プレシーズンの第一ステージとなるイルドニング(オーストリア)でのキャンプに出発したが、その23名の招集メンバーの中にイタリア人FWアントニオ・カッサーノの名前は入っていなかった。21日からのチーム練習には参加したカッサーノだが、クラブの許可を得てイルドニングには向かわず、バルデベバス練習場で特別トレーニングを行うことになった。

 放出リストに含まれているカッサーノ。彼自身はイタリアへの復帰を希望しているようだが、今のところ具体的な移籍の話題は聞こえてこない。しかし、イルドニング・キャンプには参加せず、スペインに留まったということは、カッサーノのレアル・マドリー退団、そしてイタリアのチームへの移籍が近づいているとも考えられる。クラブ側もそして何よりカッサーノ自身がこの間に移籍をまとめ、その将来をはっきりさせたいといったところだろう。

 チームのキャプテン、ラウルは、カッサーノのキャンプ不参加について「そのことならクラブの首脳陣に聞くべき。今日(22日)の練習には来なかったし、それ以上のことは知らないんだ。リストに彼の名前はなく、僕らと一緒には出発しない」とだけ語り、カッサーノの件についてはそれ以上話せないといった様子を見せていた。

 また、カッサーノ同様、放出リストに名を連ねるブラジル人MFエメルソンにはインテルが獲得に関心を示しているとの噂もあるが、具体的な話には至っておらず、チームメイトらとともにイルドニングに向かっている。

 キャンプに不参加となったカッサーノ、そして参加するエメルソン。放出組の彼らの未来はどこにあるのだろうか?自分の居場所を一刻も早く明確にしたいのは他ならぬ彼ら自身である。

(スペイン通信)