オシムサッカーにおける鈴木の存在は大きい<br>【photo by Kiminori SAWADA】

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 予選リーグ最終戦を前にして、ハノイ市内の中心地にあるスタジアムで日本代表は練習を行なった。UAE戦での一勝がチームにもたらした影響について、鈴木啓太は次のように語った。

「試合後にいろん話をしました。、UAE戦での失点の話、それから、ゲームのつくり方の話など。確かに勝利を飾りましたが、問題点もいくつか出てきた。3−0でリードしている中で、相手も一人少ない状況のなかでのゲームの進め方ですね」

 オシム監督はUAE戦後の会見で、終盤の試合の進め方を褒めていたが、鈴木の考えは少し違った。「3点を決めて、その時点でベトナムよりも得失点差で上を行っていたので、そのままボールを回して試合を終わらせるという部分ではよかったとは思います。でも、違った見方をすれば、4点目を狙いにいくこともできた。ボール回しのためのボール回しではなくて、いつでも牙をむくよという意味でのボール回しも大事だと思うんです。それは、11人全員が同じ意識の中で進めないと、ああいうカウンターという形での失点もあるから。確かにあの試合では、早い時間帯で点をとれたので、落ち着きというかそういうものもありましたが、逆になかなか点が入らないときにどうするかっていう課題もあります。

 明日のベトナム戦は、今までの2試合とは違うものになることは、選手みんなが理解している。ベトナムは言葉ではいろんなことを言っているけれど、引き分け狙いではこないと思う。ホームだし、必ず勝ちに来ると思う。そういう部分を意識して戦えるかどうかだけだと思うので。その辺は一番気をつけなければいけない相手ですね。でも選手としては、それがたとえ、アウエーであっても、大観衆の中でプレーするのは楽しみです。それに完全なアウエーという経験ができるのも楽しみですから」

 連戦の疲労について問われると「一番大事なのは明日のゲームで、明日の試合で爆発できるように準備をします。こういう厳しい環境の中で大事なのは、瞬発力だと思います。力の使いどころが非常に重要になってくる。どこでスピードアップしていくのか?11人の意識統一が鍵になりますね」

―― text by Noriko TERANO from Vietnam ――

サムライ通信
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