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【独女通信】その結婚ちょっと待って!彼は「モラ夫」ではありませんか?

【独女通信】その結婚ちょっと待って!彼は「モラ夫」ではありませんか?
ある朝、いつものように魚を焼く。夫はじゅうじゅうと音を立てている魚しか食べない。 いつものとおりタイミングを計って食卓に出す。リビングの隅で、夫は新聞を読んでいる。 「ご飯できたわよ」背中に話しかけても返事がない。「ご飯、できたよ」しばらくして話しかける。夫は新聞から目を離さない。どうしよう、魚が冷めてしまう・・・・。魚が冷める頃、夫はテーブルにつき、魚の上に手をかざし、温度を測るふりをした後、魚の皿をわきに置く。「俺にこんな冷めた魚を食わす気か」じっと魚の皿を睨み付ける。私はまた立ちすくむ。

これは家庭内における「モラル・ハラスメント」の被害者である人々へ情報を提供するサイト「モラル・ハラスメント被害者同盟」の冒頭にある文章。管理人である熊谷さんの体験談である。「モラル・ハラスメント(モラハラ)」とは「精神的な暴力、嫌がらせ」のことをいい、セクハラ、パワハラ、DVなどもこれに含まれる。少しずつ認知されてきてはいるが、まだまだ知られていない家庭内「モラル・ハラスメント」の実態が、このサイトには生々しく綴られている。ハラスメントを行使する人を「ハラッサー」と呼ぶが、サイト内ではあえて「モラ夫」と呼んでいる。「誰のおかげで生活ができているんだ」というのが「モラ夫」常套句だが、「昔ながらの関白亭主」と「モラ夫」は違う。「モラ夫」は妻を傷つけ続けることで、恐怖と罪悪感を植え付け、支配し続けようとする人種だ。

なぜ、配偶者である夫に恐怖感を抱くのか。
なぜ、そうなるまでに妻は追い詰められるのか。

まっち〜さんは、元夫との壮絶なバトルを克明にブログに記している。彼女の元夫は、快活で極めて礼儀正しく、対外的にはほとんどの人が好印象を持ち、高い評価も受けていた。人がそのように信じて疑わなかったその立ち居振る舞いや、さわやかな言動と清潔感溢れるルックスを、彼女も当然のように信じて結婚してしまったのだという。数年後、逃げ出したくなるほど、夫に恐怖感を抱くに至るとは知らずに。

「モラルハラスメントは証拠が残らない。ただ、密室の中で、夫婦間で『そんなことぐらいで』と言われるようなことを日常的に降り注ぐことで、なんだかわからないうちに、心の奥底に恐怖感が芽生えるのだろうと思う」とまっち〜さんは綴っている。まっち〜さんの他、多くの被害者の体験談は、あまりの酷さに読むうちに気分が悪くなる人もいるだろうから、あえて転載を避けることにする。数々の体験談を読んだり聞いたりするうちに、ふと疑問が湧き上がる。

「どうしてそんな残酷な男と結婚したの?」

結婚前にはちゃんと交際期間があったはずである。ハラッサーという人種は、最初は優しく近づいて、相手が逃げないと悟った瞬間豹変するというが、それにしてもだ。結婚するとなると、それなりに親密な間柄のはず。どこかに手がかりがあるのではないだろうか。まっち〜さんに「結婚前にモラ夫に気づけないか」と尋ねてみた。

「答えは“無理”ですね。皆『ちょっと変かな』と思う点があっても『誰にでも欠点はある』と思ってしまう。というか逆に、 その程度の欠点しかモラ(ハラッサー)は見せないのです。もちろん私も、結婚前に度重なる虐待を受けていれば、何が何でも結婚はやめたと思うのですが、実際のところ、彼らはウチとソトの使い分けが非常に上手いので、また恋愛から結婚までが非常に短い人が多いことから、恋愛期間にモラを事前に見抜くのは本当に難しいと思います」

ハラッサーには共通点が多いという。「母子密着が見られる」「父親がモラ」「女性を下に見ている、実家における母親の家庭内地位が低い」「喧嘩をすると、本論からどんどんそれて、過去のこちら側の過失を引っ張り出してきてぶつける」「気に入らないと無視する、ためいきをつく、不機嫌であることをアピールする」「○○したら許してやってもいいとか、しきりと交換条件を出す」「自分で責任を負わないように、上手にこちら側に責任を被せてくる」「自分の欠点を親のせいにする」「過去に友人に絶縁されている。友人が多いようで、実は少ない。少ないが多く見せる」「自信満々で何でも言い切る。断定的に話す」「やたら外面がいい」「話し合いができない。話し合おうとすると議論になり、喧嘩になる」「人を見下すのが好き。人の悪口が好き」「避妊に協力しない」などがそうであるが、これらは結婚後に露呈することがほとんどなので、「予知」は難しいのだそう。

「女性側が“結婚”にすがりつく思いってやっぱり強いですよね。特に適齢期を過ぎると。そういう時に、おいしい話というか、詐欺まがいのモラが、嘘を身にまとって近づいてくるんですよね。そういう男性の真実に目をつぶって、嘘の部分にすがり付いてしまうのが不幸の始まりだと思います」

冒頭で紹介した熊谷さんにも同じ質問をぶつけてみた。やはり、恋愛期間中に「モラ夫」であることに気づくことは難しいが、被害者はみな「小さな違和感」は感じていたらしい。「なんだか冷たいと感じるときがある」「なぜ理由なく怒るんだろう」という「小さな違和感」を見過ごさず、結婚に突っ走る足を一度とめて、冷静に相手を見つめる時間をとるべきだそうだ。親しい友人や、元恋人と接触できるなら、その小さな違和感についてそれとなく聞いてみるのもいいかも知れない。

熊谷さんによると、「モラ夫」にはステイタスが高く、高収入であったり、ルックスが非常に良い、つまり一見魅力的な人が多いという。「モラ夫」は負けず嫌いでプライドが高い場合が多く、それだけのステイタスを確保したがるからだろう。被害者はそんな「外的要因」に惑わされ、相手の本質を見抜けず結婚してしまう。素直な人は「おまえが悪い」という暗示にもかかりやすい。「モラ夫」はそういうタイプを見極める才能があると被害者たちも語っている。

理想の王子様が現れ、結婚を考えているみなさんの幸せな気分を害するつもりはさらさらない。ただ、「あれ?」と思ったら、納得いくまで話し合い、確かめてから結婚しても遅くはないはず。まずは「恋に盲目状態」である自分の心の奥底から「小さな警戒警報」が聞こえてこないか、そっと耳を傾けることをお勧めしたい。(オフィスエムツー/真鍋しまこ)

■参考サイト
モラル・ハラスメント被害者同盟
モラルハラスメント・ブログ
モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない-マリー=フランス・イルゴイエンヌ著)

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