UFC世界ミドル級選手権試合アンデウソン・シウバ(ブラジル)×ネイサン・マーコート(米国)、UFC世界ライト級選手権試合ショーン・シャーク(米国)×エルミス・フランカ(ブラジル)の2つのタイトルマッチも、忘れてはならない。
シウバにとっては、2月の試合で対戦相手トラビス・ルターが計量をパスせず防衛戦がノンタイトル戦に変更されたため、これが初防衛戦となる。挑戦者のマーコートは、強烈な印象こそ残してはいないが、これまでUFCで4戦4勝の戦績を残しており、負け知らずでタイトル挑戦を実現させた。
日本のファンにとって、ミドル級以上に注目されるライト級戦線。TUFシーズン5で注目を集めたコーチ二人は、早々にライト級戦線からの離脱を発表しているが、そのTUF効果もあり、ライト級は急速に層が厚くなっている。それだけに挑戦者フランカは、最初で最後の挑戦のつもりで試合に挑む必要があるだろう。
 長い手足を有効利用した打撃攻撃と、ガードワークがさせるシウバ。そして、抜群のテイクダウン能力とトップキープ力を持つシャーク。両試合とも王者が有利と予想されるが、今年に入ってベルトが掛かった試合は、全て挑戦者(ヘビー級=ランディ・クートゥア、ウェルター級=マット・セラ、ライトヘビー級=ランペイジ・ジャクソン)が王座奪取に成功しており、その流れが続くことも考えられる。
 昨年末にチャック・リデルに敗れて以来のオクタゴンとなるティト・オーティズ。彼の復帰戦ラシャド・エヴァンズ戦との一戦は、PPV中継のTVコマーシャルでタイトル戦を押しのけてプッシュされており、北米で変わりないオーティズ人気の高さを示している。とはいうもののエヴァンズはMMA戦績15戦15勝、UFCでもデビュー以来5連勝中のファイターだ。ともに打撃戦から、テイクダウンを得意としているトップキープ型だが、勢いはズバリ、エヴァンズにあるといっていいだろう。

 この他の試合では、4月に三島☆ド根性ノ助に圧勝したケニー・フロリアンがコロラドのリング・オブ・ファイアーのライト級王者アルヴィン・ロビンソンと対戦する一戦。ADCC北米予選王者でノヴァウニオン系のマイク・ボセックがフランク・エドガーと闘う試合など、日本からの挑戦者が結果を残せないライト級の2試合も見逃せない。