フランス復帰が濃厚と噂されるジュリ<br>【photo by B.O.S.】

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 バルセロナの“放出リスト”に上がる元フランス代表MFルドビック・ジュリ。フランス復帰が濃厚と噂されるもののその将来は依然不透明のままだ。バルセロナ側からの連絡もなく、この待ち状態に嫌気がさしているジュリ側は、「このままの状態が続くようなら、あと1年残っている契約を全うする」とバルセロナを脅しにかける作戦に出るつもりだ。

 バルセロナ側の対応に不快感を示すジュリ側は、チキ・ベキリスタインTDなりクラブの代表者がコンタクトを取ってくるリミットを設け、それを今週末とした。もしコンタクトがないようならバルサ残留も辞さない覚悟だという。

「バルセロナの誰も我々と話をしていないし、話そうともしない。ジュリにはモナコとオリンピック・マルセイユからのオファーがある。だが、両クラブともジュリの違約金は払えないと言っている」。

 ジュリの代理人の発言からクラブへの不快感と憤りが感じられる。さらに、バルセロナがジュリに付けている600万ユーロ(約10億円)という値段に対しても苦言を呈し、「3シーズン前に700万ユーロ(約11億6900万円)でバルセロナにやって来た選手に付ける値段としては高すぎる。ジュリを欲しがるクラブにとっては高すぎる額だ。今週末までに何も言ってこない場合、ジュリがバルサで続けるという行動に出るつもりだ」とも。

 ジュリの契約は残りあと1年。もしジュリがバルセロナに残留するとなると、ハビエル・サビオラと同じ道を歩むことになり、1年後には自由契約で行きたいクラブへ移籍することができる。つまりそれはバルセロナに1ユーロも入ってこないことを意味する。バルサにとっては避けたい事態であり、ジュリにしても出場機会の見込めないバルサに残ることは1シーズンを棒に振るということ。7月10日で31歳を迎えるジュリにとって1年を棒にすることは痛い。逆にそれだけの覚悟だということだ。いずれにしても、お互いにとって何のメリットもなく、妥当なラインで決着をつけるのが得策だと思われる。

 バルセロナの“放出作戦”は停滞中で、今のところ決まっているのは6月30日に契約が切れたサビオラの退団だけ。構想外となっている他の選手達については目立った動きもないといった現状だ。来シーズンに向けての“補強作戦”は成功し、今はひとまず落ち着いたバルセロナ。“放出リスト”に上がる選手達の将来をはっきりさせることも大切な仕事である。

(スペイン通信)