ティエリ・アンリから始まり、ヤヤ・トゥーレ、エリック・アビダルとこの1週間で来シーズンに向けて獲得目標選手の獲得に成功したバルセロナ。ここ数シーズンに見られなかった積極的な補強を見せ、あとはセンターバックの獲得を残すのみとなっている。現在、バルサが交渉を行っているのはASローマのルーマニア代表DFクリスティアン・キブだが、両クラブ間での移籍金の折り合いがつかず、難航している状況だ。キブはインテルも獲得に動いており、バルサを上回るオファーを出しているインテルに分があるといった感も否めない。キブが無理な場合に備え、バルサはサラゴサのアルゼンチン代表DFガブリエル・ミリート獲得に動くとも言われている。

 バルサファンはG・ミリートの獲得を望んでいるようだ。“スポルト”紙が行ったウェブアンケートによるとバルサファンの56%がG・ミリートを選び、キブと答えたのは44%という結果となっている。リーガでの活躍ぶり、リーガを知っているという点でキャプテン、カルラス・プジョールとコンビを組むのはG・ミリートとファンが望むのも自然の流れだと言える。

 G・ミリートはユベントス移籍も間近と言われていたが、移籍金での折り合いがつかず、移籍の話は流れている。彼自身はサラゴサでのサイクルは終わったとし、ビッグクラブへの移籍を希望。バルサからの関心については「何も知らない。今はコパ・アメリカに集中しているし、今はそっちの方が大事。将来のことはコパ・アメリカが終わってから考える」と語ってはいるものの、「メッシと一緒にプレーできたら最高だね」ともコメントを残している。

 バルサがG・ミリート獲得に動くとしてもネックとなるのはやはり移籍金。サラゴサの会長は、G・ミリートを売る用意もできているが、スペイン国内のクラブにG・ミリートを売る場合、移籍金の値下げはしないと宣言しており、その移籍金は2500万ユーロ(約41億6300万円)という高値に設定されている。 これはキブよりも高い額だ。バルサの金庫番フェラン・ソリアーノ会長の交渉にかかってくる。

 アンリに2400万ユーロ(約39億9600万円)、ヤヤ・トゥーレに900万ユーロ(約14億9800万円)、アビダルに1500万ユーロ(約24億9700万円)と計4800万ユーロ(約79億9600万円)を投じたバルサの怒濤の入団ラッシュはひとまず落ち着いた。あとはセンターバックの獲得のみ。キブかそれともG・ミリートか?今後の展開に注目だ。

(スペイン通信)