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細島さん主催の盲導犬育成ミニコンサート開催。障害者と健常者のはざまで=茨城

2007年07月01日05時44分 / 提供:PJ

pj
細島さん主催の盲導犬育成ミニコンサート開催。障害者と健常者のはざまで=茨城
自分で話すように、決して上手なピアノ演奏ではない。だがその心意気は鍵盤に伝わる。ノアは大衆を前にお休み中。24日。(撮影:今藤泰資) 写真一覧(4件)
茨城県筑西市のスピカ6階の大ホールでこのほど、盲導犬育成チャリティーコンサートが開かれた。主催したのは地元の盲導犬ユーザー細島田鶴子さん。三重県生まれの細島さんは20歳の時、病気で視覚を奪われた。盲導犬との付き合いは今から23年前。以来現在まで、パム、ローリー、ノア3頭の盲導犬と共に生き抜いてきた。

 盲導犬に出会って以来、「健常者だったころに戻った気さえする」という細島さん。外出は自由になり、持ち前の好奇心で活躍する姿と、旺盛な生き様に共鳴する地元の人は少なくない。この日、細島さんのピアノをメインに、友人である長谷川妙子さんの朗読や、三重に住む実姉の中西千賀子さん、姪の美弥子さんの二胡演奏などで280人の観客を盛り上げた。

 子どものころから犬好きのわたしは、「盲導犬ユーザーをサポートする会」に家内と共に参画し、細島さんをはじめ20数人の視覚障害者とのお付き合いを重ねてきた。押しなべて盲導犬のユーザーは心身ともに極めて健常なのだ。視覚を失うという事実など微塵も感じさせない強さがある。幾度か同行させて貰った宿泊の旅では、「斗酒なお辞せず」という方が多く、中には飲酒運転事故で視覚を失った方さえおられた。

 だが、盲導犬に出会う機会すら皆無の視覚障害者から見れば、恵まれた存在であり、また強固な意志の持ち主ということになり、わたしたち夫婦は疲れ果てて帰る道すがら、幾度となく、「今日もまた、ユーザーさんたちから元気を貰ったね」と口にしたものであった。

 コンサートの成功を祝うわたしの電話口で、細島さんはこういった。「あのね、記事になったなら、わたしのメールアドレスに連絡して」。ああ、インターネットさえ出来るのだ。「視覚障害者用のソフトも、手足の不自由な方のソフトも、難聴者のソフトも揃っているのよ」…。細島さんは続けた。

 コンサートの成功は、地元各紙と中央紙の県版に取り上げられた。それはそれでいい。だが、わたしは細島さんにこういった、「相変わらず、障害者にきびしいよ、このマチは」。この日の会場は地元自治体の外郭団体が管理している。立体駐車場に出入りする窓には、「盲導犬同伴可」という全国区の掲示ステッカーのほかに、「ペットの持込はご遠慮ください」に続けて、「盲導犬の同伴は認めています」とあったからだ。

 盲導犬は、視覚障害者の目の役目を担うばかりか手であり足である。「認めるも認めない」もない。数ヶ月前ここで、市が運営する駐車場の障害者ブースに、年中市の職員が駐車していることが話題となった。市長が陳謝して事なきを得たが、「ちっとも変わっていないのねー」と、細島さんは笑いながらわたしの怒りに応じた。大手商業資本の経営するスピカが完成した当時、館内放送は、「ペット入館お断り」の放送を流し続け、彼女は、「健常者向けに伝えたいなら、張り紙にするべきだ」と抗議をしたことを思い出したのだ。

 盲導犬と出会った当時からみれば、昨今障害者にやさしい世の中になったことを認めつつ、細島さんは不変の事態を嘆く。多数集まった取材メディアが、この日奇妙な張り紙に気づいた気配はない。この事態、地方独特の「意識改革の立ち遅れ」か、はたまた無神経なのか。あるいはペットも盲導犬も同一視する、「目の見える視覚障害者」が存在すると考えるべきなのか。一市民として情けない限りだが、あまりにも初歩的な出来事。当局の見解を聞く気にはならない。

 コンサートが開催された数日後の6月27日は、「奇跡の人」ヘレン・ケラーの誕生日。アメリカ合衆国タスカンビアで生を受けた地主の娘は生後間もなく、猩紅熱のために三重苦の身になった。家庭教師アン・サリバンの献身的な指導とともに、強い意志のなかで生き続けたからだが、ヘレン・ケラーだけが「奇跡の人」ではない。

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資

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盲導犬  コンサート  身体障害  飲酒運転  誕生日  
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