桑田投手を伝える記事に「sushi」が踊る

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   米パイレーツ・桑田真澄投手の投げるカーブ球が地元紙で「すしボール(sushi-ball)」と命名された。桑田投手自身は「レインボーカーブ」と名づけていて、「寿司」には困惑気味のようだが、日本人スポーツ選手が海外で「寿司」と命名される例はこれが初めてではない。さらには、自らの選手名を「寿司」にしてしまった人までいるのである。日本人といえば、「寿司」ということらしい。

「何が来るのか分からない寿司のようだ」

   ピッツバーグの地元紙「ピッツバーグ・ポスト・ガゼッテ」は2007年6月26日、米大リーグで中継ぎ投手として活躍している桑田真澄投手についての特集記事を掲載した。

「桑田の『すしボール(sushi-ball)』は新鮮素材を使用している」

と題されたその記事では、「桑田はそれをすしボールと呼ぶべきだ」とした上で、その理由を

「伝統的な日本の料理を包む海苔のように、その球はホームベースに近づくまで予想もできない。中に入った生の魚と寿司飯のように、何が来る(入っている)のか誰も分からない、寿司のようだ」

としている。
   記事のなかでは、日本人記者が桑田は春のキャンプで「レインボーカーブ」と名づけたことを教えるシーンも登場するが、それは完全に無視され、「カルフォルニアロール」っぽい「のり巻き」の写真が掲載されているのである。

   「寿司」にちなんだ名が付けられたのは桑田投手のカーブだけではない。サッカー・ドイツ1部リーグ(フランクフルト)の高原直泰選手は、03年1月に同リーグのハンブルガーSVに加入した際に、地元紙「ハンブルガー・モルゲン・ポスト」に「すしボンバー」と名づけられ、さらに高原選手のこのあだ名にちなんでスタジアムですし弁当が販売されたこともあった。しかし、この命名について高原選手は困惑した様子でもあった。
07年6月28日のスポーツ報知は、「すしボール」と名づけられたことを知った桑田投手のコメントを次のように報じている。

「僕はレインボーが、好きなんです。なぜなら虹の先には幸せがあるって言うでしょ?カーブを投げた先に、抑える幸せがある、わけだからね」

「すしダンス」踊るプロゴルファー

   海外にも出店している大手回転寿司チェーン企業の担当者はJ-CASTニュースに対して、「う〜ん・・・アメリカの方で(寿司が)浸透したってことじゃないですかね。寿司といえば日本ですから」と話す。やはり、「寿司といえば日本、日本といえば寿司」というのは国内でも共通した認識になっているようだ。しかし、その一方で「すしボール」には大した感慨もない様子だ。

   一方、自分の選手名を「寿司」にしてしまったプロゴルファーがいる。
   すし石垣選手は、02年に選手名を石垣聡志から「すし石垣」に変更。日本ゴルフツアー機構の公式プロフィールによると、

「外国人には発音が難しい名前に代わって、すぐに日本人とわかる"すし"の愛称を取り入れ、2002年には日本でも登録。スコアを縮めたときに披露する"すしダンス"も受けて人気者となった」

   そうなのだ。日本人といえば「寿司」というのも芸がない気がするが、使い方次第ではウケそうなのである。