辞めない理由
結婚・出産してもいまと変わらず働き続けられるか不安に思っている人は多い。
そこで、実際に仕事と家庭を両立させている4人のワーキングマザーにインタビュー。
結婚・出産はキャリアを築く上でデメリットにならないのだろうか?連載企画第1回!

『辞めない理由』著書・碧野圭さんにインタビュー
仕事は自分のためにするもの だから私たちは働き続ける
働く母親の企業内サバイバルをリアルに描いた小説『辞めない理由』。そこには、子どもがいても仕事を辞めず働き続けるためのヒントが。著者の碧野さんにお話を伺った。

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碧野 圭 さん
1959年生まれ。東京学芸大学卒業後、フリーライターとしてタウン誌、アニメ誌などに寄稿。30歳で出版社に入社し、ライトノベル雑誌の編集を手がける。出版社勤務を15年経て、『辞めない理由』を出版するにあたり退職。2児の母でもある。
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■ ワーキングマザー小説を書かれた理由は?
ライトノベルの編集をしていた私が「子持ちの自分自身に小説を書かせるなら?」と考えて企画しました。エッセイやノンフィクションではなく小説だったのは、いろんな考えや視点を盛り込めるから。結論だってすべての人を納得させようとするのではなく、みんなに楽しんでもうらうために書ける。そう自覚して書き始めたら、すごく気持ちが良かったんです。それに女性の仕事がテーマの仕事って少ないですよね。あっても仕事の部分は恋愛の添え物という感じ。けれど女性だって生活の中で仕事の占める割合は大きい。だから、そこにあるドラマをきちんと描いたら面白いと思いました。


■ 読者の反応は?
実は若い女性たちに、「こんなに大変そうなら産めない」ってとらえられたらいう不安もあったんですが、それ以上に母になっても仕事に対する情熱は変わらないんだってことが伝わったことが嬉しかったですね。私自身も子どもを産んで唯一変わらなかったのが仕事へのモチベーション。一人の編集者としてできることを一生懸命取り組むことに、子どもの有無は関係ないですから。小説ではバカみたいにひたむきに働く主人公が、大きな組織や、いろんな物事を動かしていきます。この物語が男女問わず幅広く読んでもらえたのは、ワーキングマザーの生活、雑誌メーキング現場の臨場感、そして何より企業小説として仕事に対する“情熱の肯定”を描いたからだと思います。


■ 働きたくても子どもを産んだら辞めざるを得ないという人もいますが…。
確かに企業には様々な制限やプレッシャーもあり、いまの職場で働き続けられない場合もある。また人によって器量も性格も違うなかで、誰もが主人公のように、降格されても会社を辞めずに立ち上がれるわけではないですよね。ただ働き方は多様です。つまり、たとえ会社を辞めても、意思さえあれば仕事を続けることは可能なはず。出産で退職した私の知人も、希望の仕事をアルバイトから始めて、自費で研究会などに参加しながらキャリアアップしました。最初は金銭的に満足することは難しいかもしれませんが、夫にフォローしてもらいながら努力すれば仕事は辞めずにすむのではんあいでしょうか。


■ ワーキングマザーで良かったと感じるときは?
小説のなかに祝宴で飲みすぎた主人公が子どもに「ご飯を作って!」と怒られるシーンがあります。これは、まさに我が家。子どもにとっては、親が左遷されるのも成功するのも関係ない。職場の人間だと、どうしても状況によって人が引いていったり、寄ってきたりしますよね。でも、家族、とくに子どもいつでも同じ。だから救われています。


■ でも育児と仕事の両立に、まだ障壁は多いですね。
それでも迷っている人は産んだほうがいい。“かわいい”という言葉の意味を産んで初めて理解したと思うほど、子どもってかわいいですよ(笑)。産み育てるのがしんどいだけなら、人類はとっくに子どもを産むのをやめていたはず。母になっても仕事に対する情熱さえあれば、自分にちょうど良いキャリアの続け方は必ず見つかりますから。

情報提供:[livedoor キャリア]


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