フランス代表のFWティエリ・アンリが、正式にバルセロナとの4年契約を交わした。移籍会見に臨んだアンリは、バルサ入団の喜びを素直に表現しながら、アーセナルで達成できなかった欧州チャンピオンの座を目指すことを誓った。

「バルセロナと契約できて嬉しい。早く自分の力を証明したいと思っている。クラブに貢献できるように頑張りたいね。個人的な目標は立てていない。クラブの目標の方が重要だからね。ただ、チャンピオンズ・リーグで優勝することは、サッカー選手みんなの夢だ。来シーズン、バルセロナで欧州一の座を勝ち取れれば素晴らしいだろう。アーセナル時代にも、このタイトルだけは勝ち取れなかったからね。でも、重要なのはバルセロナが数多くのタイトルを勝ち取ることさ」

 一方、アンリのバルセロナ行きを見送ったアーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、愛弟子の功績を称えながら、今回の移籍について、クラブの公式HPで次のように語っている。

「1999年の入団以来、ティエリはつねにアーセナルで素晴らしいプレーをみせてくれた。個人としてはもちろん、チームの中でも重要な存在でありつづけたんだ。彼はすでに、アーセナルのレジェンドの一人だよ。これまでの貢献には本当に感謝している。ティエリは、卓越したスキルと確固たるスタイルを持ち、つねに勝利に貪欲な男なんだ。アーセナル退団を決めたのは彼の決断だ。我々は、彼の決断を暖かく見守りたい」

 アンリを最大限の賞賛で送り出したベンゲル。アンリ自身も、2007-08シーズン終了後の退団を示唆した指揮官の言葉が、バルサ移籍を後押ししたと語ったほど、2人の結束は固い。新シーズンの行方次第では、アンリが「アーセンと僕の関係は、この世界を超越したものだし、みんなには理解できないと思う。彼には、プライベートも含めて、何でも話していたから」と慕うフランス人知将が、愛弟子を追ってスペインへ行く可能性も十分にありそうだ。