美しくて過酷な“スポーツ”、チアリーディングの世界

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 屈強な男たちがぶつかり合うフィールドの傍らで、華麗な女たちの戦いがある。ボロボロになった選手たちを鼓舞し、子供から大人までの観客を楽しませる。チアリーディングは、美しくて過酷な“スポーツ”だ。約2時間半に及ぶ試合の間、ほとんど休憩無しに、風雨にさらされながらも踊り続ける。

 日本社会人アメリカンフットボールリーグ「Xリーグ」では、ほとんどのチームがこのチアリーダーを採用し、日本人にとって、いまだなじみの薄いアメリカンフットボールの試合に華を添えている。その演技レベルは日本最高峰。現在では、Xリーグで演技を磨き、遠く海を渡って、NFLの大舞台に立つことも珍しくなくなった。

 しかし、彼女たちはプロではない。そのため、普段は“別の顔”を持って生活している。「IBM BigBlue」の太田綾子は、大学生だ。幼少から培ったダンスの才能を買われ、チアリーダーとしては異例のスカウトで入団を決めた。週3日、1日3時間。大学の授業の合間を縫って技を磨いている。目指すは、NFLの舞台。近い将来、太田の演技がアメリカの観衆を熱狂させる日がくるかも知れない。

 7月7日には、神奈川県川崎市でアメリカンフットボールのワールドカップが開幕する。あまり知られていないかも知れないが、日本はディフェンディングチャンピオンで大会2連覇中だ。ただし、前回までは“最強”アメリカが不参加だったこともあり、3連覇を目指す日本にとっては、今大会から参加を果たすアメリカを倒すことが必須条件となるだろう。もちろん、彼女たちチアリーダーは、日本代表を全面バックアップする構えだ。

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