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アスペルガー症候群の報道に物申す【改訂版】

【PJ 2007年06月22日】− 「犯罪とは無関係」と専門家が何度も警告しているにもかかわらず、今でも犯罪と結びつけて報道されることが多い「発達障害」。今回はフジ系列で4月22日に放送された「ザ・ノンフィクション 私を理解してください」を例に、その誤解について検証してみよう。

 この番組では、冒頭で奈良の放火殺人事件、長崎県で起きた小学生の投げ落とし殺人事件や、京都府で起きた大学生の塾講師による小学生女児殺人事件など、加害者が「後半生発達障害」と鑑定された新聞報道が多数紹介される。後で大学教授など専門家が登場し「発達障害と犯罪は無関係」と証言するものの、視聴者には「関係あり」との印象を与えかねない。

 ウィキペディアによると「発達障害」とは、乳児期から幼児期にかけてさまざまな原因が影響し、発達の「遅れ」や質的な「歪み」、機能獲得の困難さが生じる心身の障害を示す概念である。

 番組には、発達障害の一つである「アスペルガー症候群」と診断された3組が登場する。

(1)二人とも「アスペルガー症候群」と診断されたにもかかわらず、ごく平穏で経済的にも自立した生活を送る夫婦
(2)イラストレーターとして働く40代の男性
(3)本人も家族も発達障害であることを知らず、ホームレスになるまで追い詰められた30台男性。

 成功例と困難な例が取り混ぜて紹介される。

 他の番組は成功例か問題例かどちらかしか取材せず、一方的な決め付けに終わることが多いが、この番組は両方を取材し、バランスが取れていると感じた。しかし、アスペルガー症候群の描写には、まだ次のような疑問が残った。

 (1)「特殊な才能を持つ人が多い」とテロップで表示されたが、アスペルガー症候群当事者には特殊な能力を持たない人も多く、そのために就労で困難にぶつかる人も多い。「特殊な才能を持つ人もいる」という表現の方が適切ではないだろうか?

 (2)ホームレスになった男性が、いじめられたつらい過去を語るうちに感情が高ぶる場面がある。ここまで思い出させることで、健康面に影響が出ることが懸念される。

 (3)他人と視線を合わせられなかったり、会話に加われなかったりすることを「障害のため」とナレーションが繰り返す。アスペルガー症候群が対人関係の構築を苦手とすることを強調しすぎではないか。

 アスペルガーを犯罪と切り離し、当事者にも直接取材を重ねている点で、当事者本人が見ても好感が持てたと聞く。しかし、それでも上記のような問題点は残ると思う。【了】

■関連情報
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 片岡 麻実【 東京都 】
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