「オニババ化する女たち」著者の三砂ちづる先生に聞く「イエ男と母親の関係」(後編)
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── 子離れがお互いを成長させるのであれば、イエ男くんは家を出たほうがいいと思いますか?
「今は幸せであればもうそれでいいんじゃないかと思うので、無理して出る必要はないのではありませんか。30代・40代はそういう意味では「家族の価値」についてのロストジェネレーション世代で、進歩思考ですから、自分の思い通りにならない結婚を進んでしたいと思うかは疑問です。家にいて、親は干渉しないし、家事もやってくれる母親がいれば特に結婚の必要性は感じないでしょう。
今の50代・60代前半は「新しい価値」を愛でた世代で、、家庭は抑圧の温床とばかりに、周りの”結婚して出産しなさい”という声に反発してきましたからね(笑)子どもたちにもえらそうにはいえないわけでしょう。人間は長い時間をかけて文化やしきたりといった社会のシステムを作っていて、その背景には何かメッセージがあったのではないか、という考え方だって出来ると思います。きっと結婚が推奨された背景には”しのごの言わずに男と女がともに暮らすことは大切だ”という考え方があったのだと思いますよ。
若いうちはいいですが、50代くらいになってひとりもので、自分の老いや死を受け止めていくのは困難でとても苦しい。だから昔は一人で生きていく、というのは、修道女などの一部の強固な意志を持った人でないとできない苦行だったのではないでしょうか。今の独身の人たちがそれぞれの“老い”をどう受け止めていくのかは大きな課題になると思います。」
── するとイエ男くんは結婚したほうがいいのでしょうか?
「そうですねえ。遅くても良いから、したほうがいいんじゃないでしょうか。ただおそらく一人ではなかなか相手が見つけられないとは思います。昔から一人では相手が見つけられない人はたくさんいたと思います。だから周囲が適齢期の人を見るとあれこれ世話を焼いてどうにか結婚をさせようと手助けをしてくれて、どうにか結婚できたのでしょう。
今はその親切をおせっかいだと敬遠されるので周りも何もしないし、親でさえもそれには触れない。皆、とてもものわかりがいいんですよね。イエ男くんは昔でいうまわりがよってたかって結婚相手を探して、お見合いをしていた人でしょうから、誰も何も言わなくなった今は結婚が難しいのだろうと思いますよ。」
── もし結婚できなかったら、イエ男くんの母の介護や本人の介護はどうなるのでしょうか
「もし結婚しなかったら母親の介護は、イエ男くんはちゃんとやると思いますよ。自分しかやる人が居ない状況でしょうし、母親への愛情もある。母としても実の息子に介護してもらうのは嬉しいので、一見問題なさそうですが、その家はイエ男くんの代で終わってしまう、ということでもあります。
どちらかというと、イエ男くん自身が老いたときの介護のほうが大きな問題なのではありませんか?今のように独身者が増えると、一人で老いる人も増えるのは歴然。しかもそういう人たちは、それまでなんでも思い通りになるように生きてきたわけでしょうから、どうにもならない”病気”や”老い”とどう折り合いをつけていくことができるのか、なかなか難しいのではないでしょうか。」
── 暗い未来でぞっとしました。
「だからまだ遅くないから結婚相手を探したほうがいいのでは・・・(笑)でないと、老いてから寂しいですよ。まあ、「将来さびしいだろうから、今結婚しよう」、という考え方でいいのか、といわれれば、それもよくないなあ、とも思いますけれども。30代・40代は”自由”や”自分らしさ”をよしとして、毎日ハレを探してばかりで、それを支える生活をおろそかにしてしまった。それを見てきた20代は着実な生活をしていくようすがもう見えていますから、30代・40代は下の世代を見て、かなりの喪失感に襲われるかもしれませんが、どうぞこらえてください。
もともとは30代・40代の人が切り開いたおかげで下の世代は仕事、結婚、出産がしやすい環境を享受できるようになるのです。味わった苦労を下に伝えるのではなく、下の世代をやさしく見守ってよりよい社会を願うために、30代・40代の人には自分の生き方に納得していってほしいですね。」
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プロフィール
三砂ちづる(みさご ちづる)
1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。専門はリプロダクティブヘルス(女性の保
健)を中心とする疫学。現在、津田塾大学国際関係学科教授。著書に『オニババ化する
女たち』(光文社)、『昔の女性はできていた』(宝島社)、訳書に『パワー・オブ・
タッチ』(メディカ出版)など。
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![自分を安売りする[こじらせ女子]のセックス観](http://image.news.livedoor.com/newsimage/1/9/19f4f_963_CL3_120403_09-160x160-st.jpg)

