掴み取れ、今日の勝利を。=松本山雅FCの疾走
2007年06月18日04時05分 / 提供:PJ
6月17日、サッカー北信越リーグ第10節が各地で行われ、長野県松本市からJリーグ昇格を目指す松本山雅FCは松本平広域公園総合球技場(アルウィン)にてヴァリエンテ富山(以下、富山)と対戦し、3-2で勝利した。
この日の対戦相手の富山はJリーグ昇格を目指し、近年積極的な強化策を採っているクラブである。現在は下位に沈んでいるものの、AC長野パルセイロから勝ち星を奪っており、決して侮れる相手などではない。10名ほどのサポーターも松本までやって来て、熱い声援を送っていた。とはいえ、もちろん負けるわけにはいかない。
システムは先週の全社県予選決勝から変わらず、4-2-3-1。FW片山真人を1トップに据え、普段は左サイドのMF竹内優はトップ下としての出場となった。
午後3時からのキックオフ、快晴。照りつける陽光は肌を容赦なく焦がす。風は心地よいものの、ピッチ温度は高く、消耗戦になることは試合前から予想出来た。
それでも序盤から松本は攻め立てる。前半7分にMF今井昌太が遠目からのシュート、10分、13分とサイドアタックが良い形で現れる。15分にはゴール前で竹内が決定的なチャンスを迎えるが、ゴールならず。その後もコーナーキックで再三のチャンスを作ると、前半24分にようやく片山が先制点を叩き出す。
しかし、富山の動きは悪くなく、松本にはパスミスや集中力が途切れたかのような軽いプレーが目立つ。前半も終わりに近づいた40分、富山MF今井のミドルシュートはGK三栗寛士の正面だったが、これがファンブルとなり同点に追いつかれる。
「トップ下のスペースがなかった」(辛島啓珠監督)ことから、後半頭からあえて今井を下げ、MF小澤修一をトップ下に投入。竹内はこれまで通りの左サイドに移る。
「足元にボールの収まる」小澤と左サイドから鋭いクロスを上げる竹内。この陣形が功を奏した松本が押し込みながらも、富山は一瞬の隙を突き、素早いカウンターで一気に前線へ駆け上がる。後半18分に片山が強引にゴールへ押し込めば、23分にはまたも富山MF今井にゴールを許す。
さながらジェットコースターのような心臓に悪い展開ながら、主将のMF土橋宏由樹は冷静を保ち、中盤の底から前線へ好パスを供給する。
そして、後半39分。サイドから竹内がゴール前にクロス、それを前線に上がっていた土橋が見事にヘディングでのゴール。2162名の観客の絶叫。これでようやく雌雄は決した。
「守備がルーズになっていた。セカンドボールから何から全部相手に拾われている」と辛島監督が語ったように、松本の、特に守備面の出来は良くなかった。一方で、富山はこの位置に甘んじているのが不思議なほどの好クラブであった。鋭いカウンターで強豪の長野を「喰った」のも大いに理解出来る。
もちろん、個の力や戦術面、連携面など全体的に松本の方が上であったとは思う。しかし、少なくとも勝利への執着心では富山の方が勝っていたことは間違いない。
ともあれ、シーソーゲームは松本が手にした。それにつけても、「歴戦の兵」土橋がいなかったらと思うと、改めてゾッとする。
■試合情報
松本山雅FC 3-2 ヴェリエンテ富山
得点:片山(24分)、今井(40分)、片山(63分)、今井(68分)、土橋(84分)
GK:三栗寛士
DF:金澤慶一、矢畑智裕、三本菅崇、吉田匡良
MF:今井昌太→小澤修一、竹内優、石川航平→白尾秀人、斉藤智閣→高沢尚利、土橋宏由樹
FW:片山真人
【「雷鳥」の視点】“マルチロール”は上を目指す MF尾林陽介
6月14日に獲得が発表された、MF尾林陽介。待ちに待った「補強の最重要ポイント」であるボランチの新入団選手である。もっとも、第10節ではベンチ外。先月末より練習には参加しているものの、4月に手術した右足は「100%ではない」と言う。もちろん快方にむかっており、デビューもそう遠くはないだろう。
東京ヴェルディ1969ユースから専修大を経て、JFLの佐川急便東京SCへ。「本職はボランチですが、佐川ではセンターバックやサイド、トップ下まで。ゴールキーパーとフォワード以外は全てやりました」。連戦の予想される今後を見据えると、そのユーティリティー性は大きな魅力だ。
吉村憲文強化担当からのオファーもあり、試合観戦に訪れた際、松本のサポーターの熱さを感じ取った。「Jリーグを目指していない企業クラブよりも、上を目指すクラブだからやりがいがある」。
平本一樹、飯尾一慶、相馬崇人などと同期の「読売育ち」。彼らと同じ舞台を目指し、“マルチロール”は静かに燃えている。「まずは残り4試合、サポーターと一緒に戦いたい。応援よろしくお願いします」。
■関連情報
PJニュース.net
この日の対戦相手の富山はJリーグ昇格を目指し、近年積極的な強化策を採っているクラブである。現在は下位に沈んでいるものの、AC長野パルセイロから勝ち星を奪っており、決して侮れる相手などではない。10名ほどのサポーターも松本までやって来て、熱い声援を送っていた。とはいえ、もちろん負けるわけにはいかない。
システムは先週の全社県予選決勝から変わらず、4-2-3-1。FW片山真人を1トップに据え、普段は左サイドのMF竹内優はトップ下としての出場となった。
午後3時からのキックオフ、快晴。照りつける陽光は肌を容赦なく焦がす。風は心地よいものの、ピッチ温度は高く、消耗戦になることは試合前から予想出来た。
それでも序盤から松本は攻め立てる。前半7分にMF今井昌太が遠目からのシュート、10分、13分とサイドアタックが良い形で現れる。15分にはゴール前で竹内が決定的なチャンスを迎えるが、ゴールならず。その後もコーナーキックで再三のチャンスを作ると、前半24分にようやく片山が先制点を叩き出す。
しかし、富山の動きは悪くなく、松本にはパスミスや集中力が途切れたかのような軽いプレーが目立つ。前半も終わりに近づいた40分、富山MF今井のミドルシュートはGK三栗寛士の正面だったが、これがファンブルとなり同点に追いつかれる。
「トップ下のスペースがなかった」(辛島啓珠監督)ことから、後半頭からあえて今井を下げ、MF小澤修一をトップ下に投入。竹内はこれまで通りの左サイドに移る。
「足元にボールの収まる」小澤と左サイドから鋭いクロスを上げる竹内。この陣形が功を奏した松本が押し込みながらも、富山は一瞬の隙を突き、素早いカウンターで一気に前線へ駆け上がる。後半18分に片山が強引にゴールへ押し込めば、23分にはまたも富山MF今井にゴールを許す。
さながらジェットコースターのような心臓に悪い展開ながら、主将のMF土橋宏由樹は冷静を保ち、中盤の底から前線へ好パスを供給する。
そして、後半39分。サイドから竹内がゴール前にクロス、それを前線に上がっていた土橋が見事にヘディングでのゴール。2162名の観客の絶叫。これでようやく雌雄は決した。
「守備がルーズになっていた。セカンドボールから何から全部相手に拾われている」と辛島監督が語ったように、松本の、特に守備面の出来は良くなかった。一方で、富山はこの位置に甘んじているのが不思議なほどの好クラブであった。鋭いカウンターで強豪の長野を「喰った」のも大いに理解出来る。
もちろん、個の力や戦術面、連携面など全体的に松本の方が上であったとは思う。しかし、少なくとも勝利への執着心では富山の方が勝っていたことは間違いない。
ともあれ、シーソーゲームは松本が手にした。それにつけても、「歴戦の兵」土橋がいなかったらと思うと、改めてゾッとする。
■試合情報
松本山雅FC 3-2 ヴェリエンテ富山
得点:片山(24分)、今井(40分)、片山(63分)、今井(68分)、土橋(84分)
GK:三栗寛士
DF:金澤慶一、矢畑智裕、三本菅崇、吉田匡良
MF:今井昌太→小澤修一、竹内優、石川航平→白尾秀人、斉藤智閣→高沢尚利、土橋宏由樹
FW:片山真人
【「雷鳥」の視点】“マルチロール”は上を目指す MF尾林陽介
6月14日に獲得が発表された、MF尾林陽介。待ちに待った「補強の最重要ポイント」であるボランチの新入団選手である。もっとも、第10節ではベンチ外。先月末より練習には参加しているものの、4月に手術した右足は「100%ではない」と言う。もちろん快方にむかっており、デビューもそう遠くはないだろう。
東京ヴェルディ1969ユースから専修大を経て、JFLの佐川急便東京SCへ。「本職はボランチですが、佐川ではセンターバックやサイド、トップ下まで。ゴールキーパーとフォワード以外は全てやりました」。連戦の予想される今後を見据えると、そのユーティリティー性は大きな魅力だ。
吉村憲文強化担当からのオファーもあり、試合観戦に訪れた際、松本のサポーターの熱さを感じ取った。「Jリーグを目指していない企業クラブよりも、上を目指すクラブだからやりがいがある」。
平本一樹、飯尾一慶、相馬崇人などと同期の「読売育ち」。彼らと同じ舞台を目指し、“マルチロール”は静かに燃えている。「まずは残り4試合、サポーターと一緒に戦いたい。応援よろしくお願いします」。
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パブリック・ジャーナリスト 多岐 太宿
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