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厚生労働省の「厚生」の語源をご存じですか?

2007年06月17日07時51分 / 提供:PJ

pj
「厚生」という言葉は、中国の古典、書経が出典である。「大禹謨」の「正徳利用厚生惟和」である。元号などの出典に良く使われる書経である。

 「厚生」の該当の場所が非常に興味深い内容なので、長いが口語訳より引用しよう。大禹謨は、禹が、帝舜に政治の要務を進言するものである。『ああ、帝よ、よく心に留めておいて下さい。徳こそ政治を善くするものであり、その政治とは人民を養うことを目的としているものです。人民を養うには、さまざまの物資をうみ出すもとである水・火・木・金・土・穀の六つの府(くら)の業務がよく治まり、君主自身の徳で感化させて人民の徳を正すこと、物資の流通をよくして人民の使用に便利にすること、および人民の生活を厚(ゆた)かにすることの三つの事業がよく調和していなければなりません。六府三事の九つの功(つとめ)が順序よく治まり、九功すべてが治まればこれを讃える歌がおこります。そこで、賞賜によってそれぞれの業務をつつしんで行わせ、怠るものは刑罰を加えて督(ただ)し、勉励する者は九歌のうちに歌っていよいよ精励させ、こうして政治に衰えすたることがないようにするのでございます』(平凡社刊 中国古典文学大系第一巻)

 なんという薀蓄のある部分であろうか。厚生労働省の「厚生」の語源にはこれほどの内容があったのだ。これは、現在の日本に於いて厚生労働省を含んでの政府に、そして政治に求められていることそのものなのではないだろうか?

 「正徳・利用・厚生」の三事の調和がとれていない、現代の日本の政治は、徳どころか不信でいっぱいなのである。内閣支持率も凋落の一途である。戦後レジームそのものが一連の厚生労働省の問題だ。内務官僚としての意識から抜けきっていなかった厚生官僚が、営々として築いてきた厚生労働省の行政を徹底して検証して、国民のための、真に民主的なお役所としなくてはならないだろう。

 本年3月に話題になった「新編靖国神社問題資料」でも明らかになったように、陸軍省・海軍省は、敗戦後は第一復員省・第二復員省となり、復員庁となって、そののち、厚生省復員局となり、社会・援護局となったのだ。それ故に、旧陸・海軍の資料もその一部が厚生省に引き継がれた。ないといわれている、慰安婦の資料もひょっとすると厚生労働省に眠る資料の中にあるかも知れない。年金記録でわかったようにとても杜撰なお役所なのだ。

 年金の問題だけでなく、本来ならば、厚生労働省そのものの問題を徹底して追究してもらいたい。介護保険のコムスン、雇用保険の教育訓練給付金のノヴァなどの問題で見え始めている構造的な問題、官僚の天下り構造、グリーンピアや雇用保険の施設問題など特別会計の無駄使い問題などなど、その責任を曖昧にして追及して来なかった問題が山ほどあるのだ。後出しじゃんけんは、目に見えている。もう、国民を欺くことはできない。

 かたちばかりの追及では、納得ゆかないのだ。当然、通常選挙である、参議院選挙での国民の審判は避けることはできない。国民はその与えられている唯一の権利を、きちんと行使して主権者であることを示すべきだと私は考える。それにしても、「徳」が「得」とされた政治が、あまりにも長く、それが当然とされ、誰も疑問に思わなかったところにも、大きな原因があるようである。その意味では、国民も大きく反省する必要があるのだろう。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司

関連ワード:
厚生労働省  教育  官僚  中国  介護  
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