「年金カード」は、便利な一枚?それとも危険な一枚?
2007年06月15日07時34分 / 提供:PJ
懸念していたように、今回の年金記録の不祥事問題で今後の防止策としての「年金カード」の論議が始まっている。この一枚、非常に危険なカードであることを認識しておく必要がある。
国民年金は、20歳以上の「全国民」が加入対象である。つまりは、20歳の段階でこの「年金カード」が作成されるとしても、その基礎は、「住民基本台帳」であり、「住基カード」のデータが基礎となる。ここで、住民コードと基礎年金番号の統合が完全に可能になる。全国民が2つのコードを持つのは、混乱の元になるからという声が必ず出てくるものなのだ。
年金保険料の金融機関の口座自動引き落とし等を行えば、金融機関の口座番号との照合もできる訳である。これは、年金受給時の年金振込口座にもなる。徴収と給付にも役立つ便利なカードとなるわけだ。とすると、金融機関のカードも、このカード一枚にできないか?ということになる。銀行の預金カードの統合ができれば、電気・ガス・水道・NHK・電話などの公共料金の自動引き落としも連動する。徴収に困っていることへの解決策にもなるかも知れない。
今後、納税者番号の導入もあるから、コードを沢山覚える煩わしさでは、これも一本化するという意見も出るであろう。これにあと、運転免許証のコードがあれば、全ての国民の収入状態から支出状態、犯罪歴(交通事故歴)まですべてを管理できるシステムが完成するのだ。運転免許証は、本人確認のIDとして多用されていて、金融機関の口座をつくるにも、住基カードの発行を依頼するにもそのコピーや番号が控えられているから、これもまた連動が簡単である。健康保険の被保険者番号や、雇用保険の被保険者番号の統合も十分可能である。今は、一人の人間に対して、多くのコードが配布されていて、その混乱が始まりつつあると言っても過言ではないので、それが簡単になると言えば、多くの賛同を得るに違いない。
「国民総背番号の管理システム」が、こうして成立する。人が生まれて死ぬまでの生活がすべてこの一枚のカードで行われる世界が現出するのだ。
国民には「便利さ」をとるかの選択を迫ってくることになるであろう。現在の年金記録問題の混乱度合いでは、多くの人が「年金カード」の導入へ、何も疑問や異議もなく導入されてしまう可能性が高い。ちなみに、年金受給者にとっては既にその生存証明である「現況届」の提出が、住基ネットの利用により毎年の提出が不要となっている。便利になっているのだ。
ICカードの利用は、確かに便利な社会をつくり上げるに違いない。多くのカードや、暗証番号・パスワードを覚えなくてはならない煩わしさが確かにある。しかし、全てを管理される社会とは、本当に住みよい人間的な社会なのであろうか?
このまま迂闊にしていると、ある日突然「ID(年金または住基)カード」を持っていないと生存する価値なく、国民として認められない社会が生まれるかも知れない。ある意味では、年金記録問題で、その扉は唐突に開かれてしまったようだ。この問題は、年金という表面的なことだけでなく、その根本に何があり、どうなるのかをきちんと国民が確認・納得しておく必要のあることだと、私は考える。【了】
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国民年金は、20歳以上の「全国民」が加入対象である。つまりは、20歳の段階でこの「年金カード」が作成されるとしても、その基礎は、「住民基本台帳」であり、「住基カード」のデータが基礎となる。ここで、住民コードと基礎年金番号の統合が完全に可能になる。全国民が2つのコードを持つのは、混乱の元になるからという声が必ず出てくるものなのだ。
年金保険料の金融機関の口座自動引き落とし等を行えば、金融機関の口座番号との照合もできる訳である。これは、年金受給時の年金振込口座にもなる。徴収と給付にも役立つ便利なカードとなるわけだ。とすると、金融機関のカードも、このカード一枚にできないか?ということになる。銀行の預金カードの統合ができれば、電気・ガス・水道・NHK・電話などの公共料金の自動引き落としも連動する。徴収に困っていることへの解決策にもなるかも知れない。
今後、納税者番号の導入もあるから、コードを沢山覚える煩わしさでは、これも一本化するという意見も出るであろう。これにあと、運転免許証のコードがあれば、全ての国民の収入状態から支出状態、犯罪歴(交通事故歴)まですべてを管理できるシステムが完成するのだ。運転免許証は、本人確認のIDとして多用されていて、金融機関の口座をつくるにも、住基カードの発行を依頼するにもそのコピーや番号が控えられているから、これもまた連動が簡単である。健康保険の被保険者番号や、雇用保険の被保険者番号の統合も十分可能である。今は、一人の人間に対して、多くのコードが配布されていて、その混乱が始まりつつあると言っても過言ではないので、それが簡単になると言えば、多くの賛同を得るに違いない。
「国民総背番号の管理システム」が、こうして成立する。人が生まれて死ぬまでの生活がすべてこの一枚のカードで行われる世界が現出するのだ。
国民には「便利さ」をとるかの選択を迫ってくることになるであろう。現在の年金記録問題の混乱度合いでは、多くの人が「年金カード」の導入へ、何も疑問や異議もなく導入されてしまう可能性が高い。ちなみに、年金受給者にとっては既にその生存証明である「現況届」の提出が、住基ネットの利用により毎年の提出が不要となっている。便利になっているのだ。
ICカードの利用は、確かに便利な社会をつくり上げるに違いない。多くのカードや、暗証番号・パスワードを覚えなくてはならない煩わしさが確かにある。しかし、全てを管理される社会とは、本当に住みよい人間的な社会なのであろうか?
このまま迂闊にしていると、ある日突然「ID(年金または住基)カード」を持っていないと生存する価値なく、国民として認められない社会が生まれるかも知れない。ある意味では、年金記録問題で、その扉は唐突に開かれてしまったようだ。この問題は、年金という表面的なことだけでなく、その根本に何があり、どうなるのかをきちんと国民が確認・納得しておく必要のあることだと、私は考える。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司
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