価格1ケタの間違いで騒動が発生

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   PCの量販店「ソフマップ」が運営する通販サイト「ソフマップ・ドットコム」をめぐって、「価格誤表示騒動」が発生している。本来は「¥198,000」のはずの液晶モニターを、ゼロがひとつ少ない「¥19,800」と表示。消費者からすれば「激安」だっただけに注文が殺到した。ソフマップ側は「誤表記価格での商品の販売はできない」と主張、「ほとんどの方にはキャンセルに応じていただいている」としているが、今のところ大問題にはなっていない。

あくまで「誤表記」である19,800円では売らない

   コトの発端は、掲載された30インチの液晶モニター(ブラックとシルバーの2色)が、2007年6月6日夕方から、「¥19,800」と表示された。この激安ぶりに、6月7日の午前2時過ぎには、2ちゃんねるに「30型液晶モニタが ¥19,800」というスレッドが立ち、「祭り状態」が発生した。相当数の注文が殺到したことが予想され、ソフマップの広報・IR室でも、「具体的な数については非常に申し上げにくい」としながらも、「相当数の注文があった」としている。

   ソフマップ側でも同日朝の早い段階で、この値段に気づき、該当ページを削除。「価格誤表記についてのお詫びと訂正」というコーナーを設け、正しい価格は1桁多い「19万8,000円」だという告知が謝罪文ともに掲載された。現在同ページには、

「今回、表記価格と市場価格との明らかな乖離が認められるため、ソフマップとしましては、誤表記価格での該当商品の販売はできません。該当商品をご注文いただいたお客様のお取引は、キャンセルをお願いいたします」

と書かれており、あくまで「誤表記」である19,800円では売らない、という姿勢だ。同ページには、クレジットカード払いの顧客への請求はすでにキャンセルし、銀行振り込みの顧客には、一刻も早く返金したい旨の告知が掲載されている。ソフマップ

「大部分はすでにキャンセルを了解していただいています。こちらとしては、ほっとした部分もあります。まだキャンセルに応じていただいてないお客様に対しても、引き続き誠意をもってお願いをしていきます」

と話している。

3年前には、同様ケースで大騒動

   先述の2ちゃんねるのスレッド、現在は16スレッド目に突入しており、「\19,800」での販売に応じないことへの批判も散見される。

   だが、実は3年前には、同じようなケースで騒動となり、大損失を出した例があった。
   大手商社の丸紅が運営していた通販サイト「丸紅ダイレクト」は03年10月31日、本来は19万8,000円と表示すべきPCの価格を誤って1万9,800円と表示。皮肉なことに、正しい金額も誤った金額も、今回のソフマップの例と全く同じだ。ネットユーザーがこれに気づき、11月2日頃から「祭り」が発生した。その結果、およそ1,000人から1,500台の注文が殺到した。サイト運営側はこれに気づき商品の紹介ページを削除、お詫びと売買契約のキャンセルを通知するメールを申し込んだ全員に送った。これに申込者が猛反発したため、11月6日になって「希望者には1万9,800円で販売する」と決断、いわば「投げ売り」を余儀なくされた。この措置で会社は2億6,000万円以上の損失を被り、サイトも閉鎖に追い込まれた。

   3年前と今回との違いははっきりしないが、ゼロ一つの間違いが重大な結果を招きかねない、という点は変わらない。