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天才脚本家の命日は、笑いで吹き飛ばせ=東京(上)

天才脚本家の命日は、笑いで吹き飛ばせ=東京(上)
追悼公演『拝啓、萩原伸次様、僕たち元気でやってます』の練習風景。東京・江戸川区の練習場で。(撮影:穂高健一、4日) 写真一覧(5件)
【PJ 2007年06月10日】− 萩原伸次さんはまさに天才脚本家だ。人間の悲哀や切なさをコミカルに表現してみせる。舞台を観る側には、『人間って、そういうところがあるよな』と心にひびくものがある。過去においても、人間の機微をこれほどまでに上手にとらえた、ユーモアに富んだ脚本家はまず少ないだろう。観る側はつくづくそう思う。

 天才脚本家といえる萩原伸次さんは昨年6月12日に24歳の若さで、自ら生命を絶った。
『死んだ後からでもよい、かれを有名にしよう』と演劇人たち21人が、一周忌の命日に集まり、故萩原さんの遺作の追悼公演をおこう。今月12、13日で、場所は東京・麻布・アトリエフォンテーヌ。コミカルな作品を中心とした遺作10作だ。

 萩原さんは桐朋学園芸術短期大学(調布市)・演劇専攻の在学中に『ドロブラ』を立ち上げた。そして、卒業後に正式な劇団として旗揚げしたのだ。今回が第9回公演となる。

 追悼公演のタイトルは『拝啓、萩原伸次様、僕たち元気でやってます』。演出は同大学で同級生だった福正(ふくしょう)大輔さん(25)、演出補は一年先輩になる中川真希(まき)さん(26)だ。

 演出の福正さんによると、「萩原さんはつね日頃から、『人間の切なさが好きだ』といっていました」と生前を語る。

 追悼公演を1週間後に控えた、今月4日、『ドロブラ』の稽古場に訪ねてみた。出演者は21人で、遺作10作の総仕上げが通しで、演じられていた。

 そのうちの一つは、銀行に強盗が押し込み、女子行員から現金を強奪するのではなく、恋を奪う、というシチュエーションだ。「単に笑うだけでなく、人間や人生に共感できます」と、演出と役者を兼ねた中川さんが話す。「萩原さんの作品は、異空間シチュエーション・コメディーです」と福正さんが補足した。全作品に共通するのは、まさに人間の切なさと虚しさだ。

 劇団『ドロブラ』とは耳慣れない。ネーミングについて福正さんから語源を聞いてみた。「萩原さんは人間の切なさが好きでした。人間が苦しみもがいている姿を表現したい、反社会的なネーミングにしようと、劇団『ドロだらけのブラジャーAカップ』とつけたのです。初回公演の後、略して『ドロブラ』にしました」と語る。

 ブラジャーは女性の胸もとを美しく見せるもの。それを一度泥で汚してみる。そうすれれば、切なさや、人間の奥に隠されたものが見えてくる。劇団名からしても、天才脚本家の萩原さんのシャープな視点が感じられる。

 遺作公演は、昨年の葬儀の場(山梨県)で、福正大輔さんと中川真希さんが決めた。「追悼公演をやるなら、お祭りみたいにしよう」と話し合ったという。

■関連情報
劇団『ドロブラ』
公演は6月12日(火)、13日(水)ともに午後2時と午後7時から。前売券2000円、当日券2300円。問合せ先、dorobula-o@mail.goo.ne.jp

記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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演出は福正大輔さん(右)、演出補は中川真希(左)。(撮影:穂
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